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6.婚約発表に向けて


「サマンサ様はブライアン坊ちゃんの婚約者様で間違いありませんね?」

 もう何度聞かれたことか……。

 ブライアン様はロザリーを悲しませてきたんだなぁ。

「そうですよ」

 としか私は言えないけど、その度に滂沱の涙。なんだか私が悪いことをしたようで心が痛む。

「ロザリー!!朝から湿っぽいなぁ。サマンサおはよう。やっぱりあんな家で暮らしているよりも顔色とか明るいな!」

 それは、だって―――ねぇ?ディラーノ侯爵家だし。


「お、早速俺が設えたドレスを着てくれたのか?なんだか嬉しいな?」

 設えたのは針子の方です。ブライアン様は注文しただけですよね?

 持ってきたドレスはベラにぐちゃぐちゃにされたので、廃棄かなぁ?

「坊ちゃま!婚約者とはいえ気安くレディの部屋に入るとは何事ですか?嗚呼、私の乳母としての力量がなかったせいでしょうか?」

「……悪かった。部屋から出るから落ち着いてくれよ」

「そうではなく、入ってきたことが問題なのですよ!やはり私の育て方が……」

 なるほど、こんな力関係の二人なのか。覚えておこう。


「朝から来たのはこれを渡そうとしてだなぁ」

 渡されたのは、‘第2王子ブライアン、婚約者発表パーティー’の招待状。婚約者は主催者側じゃないのかとも思った。

「まあ!これは!遅すぎるくらいです‼このロザリーが腕によりをかけてサマンサ様を磨きあげましょう!」

 なんだかちょっとコワイ。

「それで、そのパーティーで着るドレスなんだが、改めて送らせてもらうよ」

「それでこその婚約者です。坊ちゃまが立派に成長なされてロザリーは嬉しゅうございます!」

 朝から泣きまくってるけど、ロザリーは水分不足にならないのかなぁ?


「ひいては、サマンサの採寸をキチンとしたいんだが……」

 今着てるドレスとかはどうやって作ったの?目測でカン?

「ええ、ええ、それがよろしいかと。では、午前中にそのための時間をもうけましょう」

 

 婚約者だものその人の色を纏うのでしょうね。

 ブライアン様は銀髪・碧眼。ザ・王子様ですね~。対する私は、ミルクティー色の髪に緑眼。

 ドレスには銀糸で刺繍かしら?

 ブライアン様は正装にミルクティー色とか無理だから、チーフとか小物かなぁ?

 アクセサリーは私はサファイア、ブライアン様はエメラルドかなぁ?かなりお金のかかる感じがするけど、いいのかなぁ?



 午前中に採寸が行われた。

「サマンサ様は痩せすぎでは?」

 あの侯爵家じゃいいもの食べさせてもらえなかったしね。

「今後成長するでしょうね。スレンダーだし、マーメイドラインに挑戦します?」

 パーティーで食事ができないじゃない!

「ホルターネックとかオフショルダーでお願いします。マーメイドラインは却下で」

「サマンサ様はデコルテもキレイでいらっしゃるから。作るこちらも意欲的になります!」

 それはよかった。デザインは当日まで秘密という事で。

 採寸を終えて、お針子さんたちは何やらやる気になって去って行った。


「サマンサ様は磨けば光ると思ったのでしょうね。不肖ロザリーも当日までコツコツと磨いていき、当日はドーンと磨き上げ最高のサマンサ様に仕上げる予定です」

 ―――お手柔らかにお願いします。



ロザリーが大感激です!

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