3.サマンサの婚約
私用により更新が遅れました。
「よし、ここからはサマンサ嬢の復讐だ。サマンサ嬢、俺と婚約しようぜ?俺も縁談話を色々持ってこられて迷惑してるんだよなぁ」
すごく軽く仰られた。まるで、『ちょっとそこまでお買い物』くらいの軽さで。
「そんな簡単に決めちゃっていいんですか?だいたい王子ですから、婚約者がいるんじゃないですか?私は誰かに恨まれるとか嫌ですよ?」
「サマンサ嬢は侯爵家だし、問題はないな。俺の婚約者?うーん。俺は第2王子だからなぁ。あんまり考えられてないんじゃないのか?アハハ」
水面下で話が進んでそう。本人が知らないところで、とかありそうで怖いわ~。
「ま、サマンサ嬢のことは親父…おっと陛下にも伝えておく」
普段は陛下を『親父』って呼んでるんだ。そして「陛下と呼べ」と怒られてるんだ。
うん、ブライアン殿下は噂とは違う。
私も噂じゃ凄いことになってたからなぁ。
―――――
「サ、サ、サマンサー!お前、どこでブライアン殿下と知り合いになったんだ?」
「ユアノの結婚披露パーティーよ。来てたでしょ?そこで意気投合してね」
「陛下から親娘で登城するようにとの書状が来て、驚いた。黙ってることないだろう?」
黙ってないとまたユアノの横やりが入りそうだから。
急ぎ親娘で登城した。
「陛下におきましてはご機嫌麗しく……「あ~よいよいお主がサマンサ嬢か?」
「初めまして。サマンサ=ディラーノと申します」
「まさか第2王子がなぁ。一生独身かと思っていたんだが。悪い噂話しか耳に入ってこないものでなぁ」
ブライアン殿下がどこからか現れた。
「陛下、ヒドイです。これでも生きてるんですから。あ、侯爵閣下、初めまして。ブライアン=リバラルと申します。この度娘さんと婚約を致したく思います」
「うちのサマンサで良ければ、いくらでも!」
このように、とんとん拍子で私の婚約は決まった。
私が婚約したという話はユアノにも届いたようで……。
わざわざ実家にまでやってきた。
「お姉様、婚約おめでとうございます!どちらの方と婚約を?」
ユアノ的には私が変態爺と婚約したと思い込んでいるんだろうなぁ。
「どんな方だと思う?」
逆に聞いたみた。
「え~?年は20才くらい年上の方で、もう5・6回結婚を繰り返している方かなぁ?」
「ふ~ん」
そんな方と私が結婚するのがユアノの理想だったのか。
「リバラル王国第2王子のブライアン殿下よ。私の婚約者」
「なんで?なんで、なんで?私の方が可憐で可愛いのに。お姉様の婚約者が第2王子で私の旦那様が侯爵?あり得ないわよ!」
知らないわ。ユアノの見た目はともかく、性格悪いからじゃない?というのは黙っておいてあげよう。
「あんまり興奮するとお腹の子に障るわよ」
そう言って、ユアノはアーロンが待つ家へと帰した。
私の勘だけど、ユアノはアーロン様にもわけわかんない理論を言うんじゃないかなぁ?
ユアノ嬢はよほど姉に自分よりも下の立場、というか不幸でいてほしいんですね~。