11.最終話
会議の結果、アーロン様はユアノと離縁を決意した。
ジェンキンス侯爵家としても最良の決断だろう。
やはり、ユアノはディラーノ侯爵家へと戻って行った。
そして、アーロン様の悪口を社交界に吹聴して回っていた。
しかしながら、ユアノの思惑とは違って、ユアノの体形の変化の方が面白おかしく社交界で話題となった。アーロン様の悪口よりもユアノの体形の変化の方が話題性に富んでいる。
「なんなのよ!それもこれもお姉様のせいよ!」
と言っているらしい。
何故?私はどこから出てきた?いつも私に責任押し付けるけど、自分に責はないと思っているのだろうか?常に自分は正しいと?
その後は予想通りディラーノ侯爵家は没落し、平民落ちするようだ。
「サマンサ、手を貸してくれ。実家が平民など王子妃として嫌だろう?」
「お断りします」
「ここまで育ててやった恩を返そうとか思わないのか?」
「私は貴方に育てて頂いた覚えはありません。貴方はユアノばかり目をかけていましたね。私の事は見ていたのですか?その割に、私の荷物は徐々に無くなっていきました。まさか、ユアノが私のモノを奪っているのを黙認していた?」
「……」
「サマンサ、もう城の中へ入ろう。体を冷やすものじゃない」
そう、私は数日前に妊娠が判明。
ハッキリ言って勝手に没落した実家にかまっている暇などない。
ユアノは平民となったので、簡単に王城に来ることもできずブライアン様をターゲットとしたところで、ユアノにとってはもう雲の上の存在だろう。
ユアノはアーロン様を頼っても行ったそうだが、アーロン様は「もう馬鹿にしないでくれ」と追い返したらしい。
この行動は正解だと思う。
甘い顔をして迎え入れたって、今のユアノのターゲットはブライアン殿下。
アーロン様は有能な部下を理不尽に失ったりするだけ。
数か月後、私は男の子を産んだ。
ブライアン様に似て、美丈夫になると見ている。
ブライアン様は、女の子が欲しかったらしい。
自分は第2王子で世継ぎを欲しているわけじゃないから……と言われた。
女の子……ブラコンにならないといいな。
そう思いながら、第2子を妊娠しています。
もう、ユアノという妹に邪魔をされる人生じゃないんだと思うと、スッキリします。
自分の家族という宝物もできて、誰かに奪われる人生なんてもうまっぴらです!
fin
サマンサちゃん、幸せになってね。お宝と一緒に!
読了ありがとうございます‼
感想・評価・下のほうにある☆・いいね などお待ちしております!
誤字報告もお待ちしております!なんで存在するんだろう?よく見てるのに…