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不自由な僕らのアナザーライフ  作者: たてみん


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162/177

162.黄金の街の冒険者ギルド

 その後も何度かモンスターの襲撃を受けたけどどれも小規模だったのであっさりと撃退出来た。

 そして見えてきたのは砂岩の防壁。


「あれが俺達が拠点にしている街。通称『黄金の街』だ」

「金が採掘出来るんですか?」

「いいや。砂金くらいは採れるらしいけど鉱山は見つかっていない」

「じゃあ何で黄金の街?」

「それは、まあそのうち分かるさ」


 教えてはくれないらしい。

 どうやらこの街にも色々とクエストが眠って居そうだ。


「よし、じゃあ俺達はこれで。

 お前たちが強いのはよく分かったけど、次からはちゃんと装備を整えてくれよ」

「はい、ここまで連れて来て頂きありがとうございました」


 無事に街に到着したところでニードリッヒさん達は去っていった。

 今度何かお礼を用意する必要があるな。考えておこう。

 ともかく新しい街だ。


「まずは冒険者ギルドかな」

「そうですね」


 ギルドに行けば街や周辺の状況が分かるし他の街の情報も受け取ることが出来る。

 今後も新しい街に来たらギルドに顔を出すのが良いだろう。

 で、冒険者ギルドは、あれか。

 外観こそこの街の建物と同じだけど、内装は王都などのギルドと変わらない。

 受付に掲示板、休憩スペース。

 僕らは迷わず受付へと向かった。


「こんにちは」

「いらっしゃいませ。黄金の街へようこそ」


 ここまでの街の人達もそうだけど、受付のお姉さんもニードリッヒさん同様よく日焼けした姿だった。

 だから日焼けしてない僕らは他所から来たのがすぐ分かったのだろう。

 さて、まず確認すべきことは。


「近隣のモンスターが凶悪化してるらしいですが、原因などは何かご存じですか?」

「そうですね。

 分かっているのは先日の新年祭の翌日から急にモンスターが増えました。

 教会からは女神の加護が弱まり魔神の力が強まったからだと通達が来ています。

 何者かが女神に不敬を働いたんだそうです」


 それって間違いなく僕達の事だよね。

 僕達が、正確にはトトさんがだけど、女神に傷を与えた結果か。

 あれの所為で各地でモンスターの被害が出ているとなると責任は僕にある。

 一応なりともこの世界を守護しているのが女神だ。

 その不興を買えばモンスターが強くなる可能性は考えるべきだった。


(気にしなくて良いと思いますよ)

(そうね。私達が何もしなくてもモンスターは強くなってたと思う。

 プレイヤーも強くなっているのでそれに合わせるための処置ね)

(そういうものなのか)


 ゲームであるならプレイヤーに飽きられない様に難易度の調整が必要だ。

 それを1周年を機に行ったのではないかというのがフォニー達の見解。

 なるほど理屈は通る。

 そして受付のお姉さんも別にその何者かに怒ってはいなさそう。


「教会の言葉が真実かは知りませんが、女神の気分で私達の生活を左右される訳には行きません。

 環境が変わればそれに適応するのが人と言うものです。

 しばらくは苦労するでしょうが必ず乗り越えて見せますよ」


 うん、実に心強い。

 この世界の住人はモンスターが居るのが当たり前だし、特に砂漠みたいに過酷な環境で暮らしてるなら猶更だ。


「僕達でも周辺のモンスターには勝てそうだったので襲われてる人が居たら助けるようにしますね」

「よろしくお願いします」


 世の中は助け合いだ。

 ニードリッヒさん達が僕達を助けてくれたように、僕達も困っている人が居たら声を掛けるようにしよう。

 そうして巡り巡ってまた僕達が助かる事にも繋がる。


「そうなると依頼もモンスター討伐系が多かったりするんですか?」

「確かに討伐系の依頼はありますが、それ以外のもありますよ。

 皆様にはこれとかお願いできないでしょうか」


 そう言って出て来た依頼書には『黄金を狙う盗賊団のアジトの調査』とあった。


「実は数日前に、盗賊団と思われる集団がこの街を襲ってきたんです。

 奴らの狙いはこの街の黄金だというのです。

 その時は無事に撃退出来たのですが、それで素直に手を引くとは思えません。

 またすぐに襲撃を仕掛けてくると予想されます。

 出来ればその前に奴らのアジトの場所を確認し、反撃を加えたいと考えています」


 この街を襲撃するって、結構大掛かりな盗賊団だな。

 街には防壁もあれば警備隊や冒険者も居る。

 100人や200人ではびくともしないだろう。

 千人規模の盗賊団のアジトと考えればそれはもう小さな町だ。


「え、砂と岩ばかりのこの砂漠地帯で隠れるの無理じゃないですか?」

「はい。私達もそう思っていたのですが探索を依頼した冒険者の皆さんは未だ発見出来ていないのです」


 土地勘のあるこの街の冒険者でも見つけられないのか。

 あ、もしかしてニードリッヒさん達も探索の最中だったのかな。


「ちなみに、実は既に街中に潜伏してるって可能性は無いんですか?」

「それはあり得ません。奴らは間違いなくこの街の噂しか聞いたことがない余所者です」


 やけにはっきりとした回答だ。

 その理由は、多分この街の名前が関係してるんだろうな。

 黄金の街なのに金鉱山は無いって話だし。


「じゃあひとまずその依頼は受けるとして、現時点で分かっていることはありますか?」

「そうですね。前回の襲撃は西側から行われ、逃げるのも西へと撤収していました。

 また馬などには乗っていませんでしたので徒歩で半日以内で移動出来る距離に隠れているのではないかと考えています。

 ただそれでまだ見つかっていませんので」

「ブラフの可能性もある、と」

「はい……」


 実は西に少し行ったところに乗り物を隠していて、アジトはぐるっと回った東側でした、とか。

 でも数人ならともかく大人数でそんなことしたら見つかりそうだ。

 他に考えられるのは……あ、女神の祝福。

 隠ぺい系の祝福でアジト全体を隠してるとか、移動系の祝福で距離を稼いだとかはありそう。

 う~ん、女神の祝福があると何でもありになってしまうな。



特に捻ってはいないので街の名前の由来はご想像の通りだと思います。

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― 新着の感想 ―
朝焼けに光る街は黄金に輝いてと言う砂漠あるあるですね
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