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不自由な僕らのアナザーライフ  作者: たてみん


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149/179

149.奪えないものに価値がある

遅くなりましたm(_ _)m

そしてすみません。今月は不定期投稿になってしまいそうです。


 ここに来て女神の新情報が発覚した。

 確かに以前から『女神に大事なものを奪われた』って聞いてたけど、それがまさか祝福のことだとは思わなかった。

 ただ、そんなことをする女神の意図が僕にはまだ分からない。


「女神はどうしてわざわざ人間を使うんだろう」

「ん?」

「いえ、女神ならそんな面倒なことをしなくても自在に完成形の祝福を生み出せると思うんです。

 この世界の神なんですから」

「あぁ、それは恐らく人の多様性に期待してるんだと思う。

 俺も過去の文献を調べたことがあるんだが、稀に女神ですら想像出来なかったんじゃないかって思うくらい変わった祝福を持った変わった勇者の話が出てくるんだ」

「確かに時々居ますよね。この人変わってるなぁって思う人が」

「「……」」


 なぜかフォニーとコロンがじっと僕を見てる気がするけどなんだろう。


「女神はそういう変わった祝福を求めている。

 だからラキア。君の祝福は確実に女神に目を付けられるだろう。

 今はまだ成長しきっていないから奪われることは無いと思うが、隠しておいた方が安全だ」


 それは僕が変わってるって事なのかな。

 僕の祝福はただの【視力】なんだけど。

 確かに祝福ってことで普通なら視えないはずの芋虫さん達や隠し通路、最近だと他人の視線まで視えるようになってたけど。

 そんなに変?

 でもフォニー達含め誰も否定しないってことはそうなのか。

 う~む、そこはひとまず納得しておこう。

 兎も角これで彼らが僕らに声を掛けた理由は分かった。


「実際のところ女神は……あ、いえ。何でもないです」


 彼らにい神なのか悪い神なのかを聞こうとして思い留まった。

 今のこの様子だと悪い神だと答えるに決まっているからだ。

 でも僕としては女神の意図はどうあれ、祝福によって一時的にでも僕らの夢が叶うなら良い事なんじゃないかなとも思う。

 少なからず感謝してる人も居るんじゃないかな。

 後になって強引に奪われるのはあれだけど。

 最初から「この祝福は3年間の期限付きです」って言っておいてくれれば誰も傷つかないのに。


「それで皆さんはどうするんですか?

 この機会に打倒女神に乗り出すんですか?」

「出来ればそうしたいところなんだが、正直戦力が揃っていない。

 だから今回、俺達は表立って動かない予定だ」

「俺達は?」

「女神を狙っている組織は幾つもある。彼らがどう動くのかまでは関知していない。

 宝飾竜が目覚めたという噂も聞くし、もしかしたら思っているより大事になるかもしれないな」


 トトさんか。あれからどこに行ってしまったのか分からないままだけど、女神が姿を見せるならトトさんも来るだろう。

 かつて女神と相打ちまで行ったというトトさんが王都で暴れたら……王都が更地になりそうだ。

 やっぱりどうにかして女神を王都から引き離さないと。

 その為にはトトさんと面識のある僕が王都から離れる訳にはいかない。

 僕の祝福を隠しつつ行動すれば大丈夫?

 う~ん、女神の視線ってズラせるかな。

 あ、いや。ちょっとまって。

 トトさんに祝福を預けて以降、他人の視線を操作出来なくなってるんだった。

 って、あれ。そっか。


「あの、実は僕、いま女神の祝福を持っていないんです」

「なんだって!?

 まさか既に奪われた後だったのか。それは済まない。俺達がもっと早く警告していれば良かったな」

「いやそうじゃなくて……」

「みなまで言うな。よく見れば以前連れていた従魔まで失っているじゃないか!

 失った苦しみを俺達は分かっているつもりだ。

 まさか周囲に悟らせまいと平静を装っていたとは思いもしなかった」


 違うんですが。

 薄々思ってはいたけど、この勇者。早とちりというか思い込みが激しいタイプなのかも。

 近所のおじさんにも「あぁ分かってる。それ以上言わなくても大丈夫だ」って言って僕の話を聞いてくれない人が居る。

 こういう人への対処法は、とにかく否定しないこと。

 否定しても「いやいや分かってる大丈夫」を繰り返すだけだから。

 だから僕は苦笑いで流すことにした。


「ラキア。祝福が無くても強く生きるんだぞ。

 お前にはそばに居てくれる仲間が居るんだからな。

 彼女らを大事にするんだぞ」

「はい。2人にはいつも感謝しています」

「よし、ならもう俺から言う事はない。

 時間を取らせて悪かったな。

 ここの支払いは俺が引き受けるから後は好きにしてくれ」


 そう言い残して勇者チームの4人は店を出て行った。

 その背中を見送った僕らは折角なのでのんびりとお茶を楽しんでいくことに。

 あ、この『女神焼き』って何だろう。

 名前だけ見たらものすごく女神に喧嘩を売ってるお菓子だ。

 まぁ注文してみるんだけど。

 出てきたのは女神の顔が焼き印されたどら焼きだった。

 普通に美味しい。


「さて。これからの行動だけど」

「その前にラキア。今あなたの祝福ってどうなってるの?」


 若干身を乗り出すように聞いて来るコロン。

 あれ?あ、そっか。

 フォニーには話してたけどコロンにはまだ言ってなかったか。


「『貪欲な口』ってダンジョンの奥でさっき話に出て来た宝飾竜のトトさんに預けてあるんだ。

 ステータスの祝福欄は【視力?】って?が付いた状態になってるよ」

「えっ、 それって変じゃない?

 預けた結果、無くなったなら分かるのよ。

 でも残ってるのよね。部分的に預けたってことなの?」

「いや、そうじゃないと思う。

 使ってる感じ、預ける前と後で全く異なる効果の祝福っぽいよ」

「あの、私はこの話を聞いた時、クラスチェンジ系のイベントだったんじゃないかと思ったんですけど」

「それなら預けた祝福の代わりに今の祝福を受け取ったってこと?」

「いや、そう言うのは無かったかな」


 確か預けた直後には【視力?】に変わっていたし、トトさんからは短剣は貰ったけどそれ以外に何かを貰ってはいない。

 以前フォニーから説明を受けた時はなるほどと思ったけど、実は違ったのか?

 う~ん。


「まぁ何であれ特に困ってないから良いんだけどね」

「またそんな楽観的な。後で困るのはラキアなんだけど」


 そうなんだけど、逆を言えば僕以外困る人は居ないので焦る必要は無いかなって思う。


「それより今は新年祭の女神の件が優先かな。

 さっきの話だと僕達をいい様に利用して成長した祝福を奪う女神は悪い奴だっていう事だったけど、見方を変えれば期間限定で夢を叶えさせてくれるんだから悪い事ばかりではない気がするんだ」

「そうですね。例えもし今私の祝福が無くなったとしても、今日まで培った発声や音感などは残ると思うので、感謝の気持ちの方が強いと思います」

「私も今なら盾なんかなくても正面から人と向き合えると思うわ」


 祝福は奪えても記憶や経験は奪えない。

 だからやっぱり女神の祝福はあって良かったというのが僕らの共通認識だ。

 まぁでも。


「だからと言って無抵抗で祝福を渡す必要は無いよね」

「意趣返しに祝福を使って抵抗してみる?」

「それも面白そうですね」

「私の女神の出現位置をズラす計画とも合いそう」

「そう言えば、まだ何をするのか聞いてなかったね」


 折角なので今のうちにコロンの計画について聞いておくことにした。

 ふむふむ。僕らだけじゃなくて皆を巻き込んでやるのか。

 賑やかになりそうだし新年のお祭りにはもってこいだね!



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