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不自由な僕らのアナザーライフ  作者: たてみん


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114/129

114.秋イベント終了だよ。こんちくしょう♪

 武闘大会から3日経った今日。

 公式から秋イベント終了のお知らせが届いた。


【秋イベント終了♪

メインクエストの攻略結果はこんな感じだよ♪


・従魔獲得率:92%(期間内に1週間以上ログインした人のみの集計)

・従魔法具変換率:41%

・従魔違法売却率:70%(全プレイヤーの約26%)

・従魔密売拠点の摘発:成功

・捕縛もしくは売却された従魔の生存率:78%

・暗黒教団の拠点破壊:成功

・武闘大会個人戦優勝者:ブラックハウル

・武闘大会団体戦優勝チーム:電光石火

・武闘大会で勇者チームに名前を覚えられた人:ラキア、フォニー、コロン

・闘技場損壊率:13%

・魔神活性化阻止:???

・魔神撃退:???


えっとぉ。この結果には正直びっくり♪

本当なら勇者チームは個人戦優勝者に目を付けて弟子入りイベントみたいなのが始まる予定だったんだよ♪

なのに全然別の人に目を付けるとかどうなってるのかな♪

そして魔神さぁ。出て来いよ魔神。働けよ魔神♪

本当なら拠点破壊の最後と武闘大会後の襲撃イベントの最後に第2の魔神が登場するはずだったのに、どっちもボイコットされちゃった♪

お陰でヌルゲー化しちゃったよ。こんちくしょう♪

あ、どういう魔神で何が原因でボイコットしたのかはここでは伏せておくね♪

きっと後日改めてみんなの前に現れることでしょう♪

それまで待ってね(次はちゃんと来いよ)♪


なお、今後は今回みたいに直接従魔が狙われることは無いけど、プレイヤーがやられたら従魔も衰弱状態になるよ♪

あんまり何度も衰弱状態にすると好感度が下がって居なくなっちゃうかもだから気を付けてね♪

同様に従魔法具もプレイヤーがやられたら破損状態になるよ♪

修理は出来るけど高額だから気を付けてね♪


最後に次のイベントは生産系メインになる予定だからモノ作り大好きな人はお楽しみに♪】


 相変わらずの♪が飛び交う文面だった。

 ただ、やっぱりあのラスボスは想定外だったんだな。

 多分だけど夏イベントの魔神はプレイヤーを生贄に強さが変わったのに対して、秋イベントの魔神は従魔を生贄に強さが変わるものだったんだと思う。

 なので最後の魔法陣が出現するまでに如何に従魔を守り切れるか、救出出来たかがイベント成功の鍵だったんだろう。

 前回の失敗を教訓にみんな頑張ってたと思うんだけど。

 それなのに出てこないとか。

 まぁ魔神にも色々事情があったんだろうね。

 それはともかく、今日の僕らは打ち上げだ。

 ニットさんの伝手で王都にある食堂を1つ貸し切りでの大宴会。

 お財布がちょっと軽くなったけど、ゲームだし貯めこんでいても仕方ないでしょう。

 その打ち上げの参加者は僕ら3人は当然として、ニットさんとフェルトさん。

 他にフレンドからイールさんとミッチャーさん。例の療養所の防衛で一緒に頑張った人達とアミラさんも来てくれた。

 そしてあの少年。

 更にその少年とトンジルを食べていたプレイヤーも偶然見つけたので声を掛けた。


「私までよろしいのでしょうか」


 と謙遜していたので、来てくれた方が少年も喜ぶからと伝えたら来てくれることになった。

 更に更にその人経由で実は他にも少年にご飯を渡していたプレイヤーが居ることが分かったのことでその人にも声を掛けてみた。

 結果30人を超えて凄いことになってる。


「飲み物は行き渡りましたか~。

 はい。じゃあ皆さんお疲れさまでした。

 今日は無礼講なので好きなだけ食べて飲んで楽しんでいってください。

 ただしセクハラは禁止です。店の備品は壊さないでください。注意点はそれくらいかな。

 じゃあ、乾杯!」

「「乾杯」」

 

 手短に挨拶を済ませて宴会スタート。

 なお食べ物は最初だけ各テーブルに大皿で用意されていて、あとは出来上がり次第カウンターに並べられていくビュッフェスタイル。

 飲み物は水、お茶、ジュース、ワイン、ラガーの5択。ただし未成年はお酒は注文できないし大人もほろ酔いくらいにしかならないらしい。

 椅子は撤去されていて立食スタイルなので、最初こそ仲間内で固まってるけど時間が経てば適当にばらけるだろう。

 例の少年も開始の合図と同時に取り皿に山盛り積んで食べ始めている。


「おぉガキンチョ。いい食いっぷりだな!」

「もむ?もがむごぎが??」

「あぁいいいい。気にせず食え」


 どうやら今日は皆にも少年の姿が視えるらしく、近くの人に話しかけられていた。

 まぁ口の中がいっぱいで何言ったのかは分からないけど。

 他の人達も生暖かい視線を送ってるので心配はいらないだろう。

 今日集まった人達って従魔のお世話をするのが好きな人とか、お腹を空かした子供にご飯をあげるような気のいい人ばかりなので安心して任せられる。

 と思ってたらスススーッとアミラさんが僕の横にやって来て耳打ちしてきた。


「ラキア。あれは、大丈夫、なんだよな?」


 あれというのは少年の事だろうか。

 そういえば療養所でも少年がやって来た時にアミラさんが挙動不審だった。

 あれは少年を警戒してのものだったのか。

 熟練の冒険者であるアミラさんは何かを感じ取ってるのかも。

 でもまぁ大丈夫かという質問の答えはこれしかない。


「美味しいご飯を食べてる間は大丈夫ですよ」


 今も新しく出てきた料理を取るために礼儀正しく順番の列に並んでるし、何も問題は起きそうにない。

 もちろん間違って不味いものを食べさせたらどうなるかは分からないけど。

 って。


「ちょっとそこのおじさん。冗談でも子供にお酒はダメですよ」

「おっと見つかっちまった。

 残念だったなぼうず。今はジュースで我慢してくれ」

「えぇ~」

お酒(これ)は大人になってからのお楽しみだ」


 どうやら少年の方からおねだりしたみたいだけど、ダメなものはダメと言ってくれないと困る。

 中の人の年齢は分からないけど、こっちでの見た目は30代後半にしてるのだから大人の対応をお願いしたい。

 むしろ少年の方が1回で言う事を聞いて偉いなと思ってしまう。


「この通り賢い子なので、問題があるとしたらむしろ周りです」

「ラキアがそう言うなら信じよう。悪かったね楽しんでる所に水を差して」

「いえいえ。気になったことがあればいつでも言ってください」


 アミラさんが去った後は時間を空けずに例のトンジルの人達がやってきた。

 え、もしかして順番待ちしてる感じ?

 向こうを見れば療養所防衛を一緒にやった人達がちらちらとこちらの様子を窺ってる。

 いや確かに全員いっぺんに来られても話しづらいかもだけど、そんなに僕達と話すことってある?


「自覚ないかもだけど、今一番注目を集めてるのがラキアさん達なんですよ」


 おっとりした感じで話すトンジルの人改め花冠はなかんむりさん。


「そうなんですか?」

「はい。公式の結果発表でも名前公表されちゃいましたし。

 勇者チームに目を付けられた理由が『今、女神の祝福を一番極めている人達なんじゃないか』って噂されてますよ」

「いや、そんなことは無いんじゃないかな」


 僕達に特別何かをしたという感覚はない。

 強いて言えば僕の【視力】は日常的に使われてるから他の「戦闘中しか使いません」みたいな人よりは使用頻度が高いかなってくらい。

 でも配信専業者みたいに毎日10時間ログインしてますって人も居る訳で、その人達の方が祝福レベルとかは高いと思う。

 あと考えられるのは他に同じ祝福を持っている人が居ない事が関係してるとか?

 多分だけどリアルで目が見えなくて、こっちで見えることそのものを祝福として貰ってる人って僕以外に居ないと思うんだよね。


「僕の祝福はちょっと個性的なので、他の人との差別化がカギなのかもしれないです」

「なるほど。『究極』幻想譚、ですもんねぇ。

 参考にさせてもらいます。

 あ、あとチャンネル登録もしたので今後の配信は拝見させてもらいますね。

 リアタイは難しいと思うのでアーカイブからになりますけど」

「えぇ~。日常風景を適当に流してるだけなので面白味は無いと思うんですけど」

「いえいえ。色々と面白オカシかったりするのでご心配なく」


 まあそう言ってくれるなら僕は止める気はないんだけど。

 ちなみに今この時間も配信垂れ流し状態だ(事前に皆に配信しても問題ないかは確認済み)。

 カメラは適当に当たり障りのない部分を映すように設定してあって今は向こうでやってるジェンガ勝負を映してるみたい。

 花冠さん達はその後2、3話をして「じゃあそろそろ交代ですね」と言って療養所メンバーと交代していった。

 療養所メンバーは保護した獣魔たちの事を気にしていたので、昨日様子を見に行った時には大分元気になっていて、春には元の住処に帰るかもと伝えた。

 自分たちも会いに行きたいと言うので、何か資格が必要らしいけどもしかしたら勝手に満たせている可能性がある事。そして従魔の中に行き方を知ってる子が居るかもしれないと伝えておいた。

 まぁ彼らなら遅かれ早かれ辿り着ける気がする。



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