我が家の日曜日
今日は日曜日。
朝はゆっくり寝坊して、日が昇りだした頃に目が覚める。
「むーむー」
目をこすりながら、布団でゴソゴソしてたら彼が起こしに来る。
「おはよーもうお昼だよー」
「むー……」
なかなか起き上がれずにいると、
「パン食べるー?」
いつものパンを餌にして、起こそう作戦。
「んー……」
「もう焼いたから起きて食べるんだよ」
「……むー」
食パンは2分で焼きあがってしまう。
仕方なく布団から出て、ペタペタとリビングへ向かう。
「おはよー起きたー?」
「うん」
彼はリビングで音を小さくしてゲームをしていた。
わたしが起きないように気を使っているんだ。
チンッ。
あ……パン、もう焼けた。
「むー……」
ペタペタ……バター……ジャム……
頭がぼうっとして思考回路がまだ鈍い。
「今日はどこに行くー?」
「むー……山とか」
「山?映画はー?」
「映画……むー」
ペタペタ……完成したパンを持って、テーブルへ移動。
「僕、見たい映画があるんだけど、山がいい?」
目をキラキラさせて、覗き込んでくる。
映画がいいんでしょって思いながら、
「んー……映画にする」
「じゃあ時間調べるねー」
よっぽど嬉しいのかピョンピョン跳ねて、パソコンを開いて検索をしている。
「もぐもぐもぐ……おいしい」
パンを頬張りながら青い空を眺める。
ふわふわの白い雲。
ピカーンと光る太陽。
……今日はいい天気なのに、映画かぁ……
「もぐもぐもぐ……」
山じゃなくてもいいから、散歩したいなぁ。
そう思っていると、調べ終わったのかリビングに戻ってきた彼。
「何時からだった?」
「それが……」
「んー?」
「まだだった」
「まだって?」
「来週からだった……」
「えー!ちゃんと調べてなかったの?」
「うん……」
彼はたまーにおっちょこちょい。
密かに楽しみにしていたせいかちょっと落ち込んでいる。
もう、仕方ないなぁ。
「映画はまた今度にして、せっかく天気いいんだからピクニックにいこー」
「うん……」
「大好きなホットケーキ作ってあげるから」
わたしのその言葉に、表情がぱあっと明るくなる。
「じゃあ僕、リンゴ切るね」
「うんっ」
我が家の日曜日。
持ちつ持たれつ、仲良くやっています。
こんな日曜日なら来るのが待ち遠しいですね。