二話 大体ファンタジーの扉は、無駄にデカいよね
見渡すと、全体的に白っぽい様々な場所に彫刻が施されたドームのような幻想的な場所に教師含めクラスの全員が倒れていた。
若干の静寂の後
「すげー」
「きれーい」
「なんだよここ」
少し落ち着いたのか思い思いの幼稚園児のような感想が出てきた。
語彙力が崩壊している所を見ると全員まだ気が動転しているのだろうか。
最もほとんどは、元々の語彙力が無いのだが。
「ようこそいらっしゃいました。勇者様方」
白人と日本人のハーフぽい金髪の女性が、にこやかに話しかけてきた。
いつの間にかドームの一番大きな扉が開いていた。
「あの?どちら様でしょうか?ここは?」
困惑しつつも辛うじて冷静さが残っていた先生が問いかけた。
「ええ、そうですね、今ここに居る全員まったく訳が分からずに混乱していらっしゃるでしょう。
ですから場所を移してゆっくり話しましょう」
綺麗な顔で微笑んでいるはずの表情には、有無を言わさない強制力があった。
金髪の女性が、出てきた扉を通ると長い廊下があり女性が、後ろに生徒達をぞろぞろと連れて歩く姿は、さながら修学旅行と言った所だろうか。
まあ、もっとも先が見えないほど長い上に窓も照明も一切ない。
それにも関わらず、明るいという不思議な空間でなければ生徒達も楽しめただろうが......特に、こんな状況にも関わらず鼻の下を伸ばしてる教師を含める男子達は。
「着きましたよ」
これまた無駄にデカい扉が現れた