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ブーストサマー  作者: 水室二人
学園編 
41/42

顕現

 やけになった人間は、ろくでもないことを考える。

 崑崙で、死ぬ直前まで追い詰められた連中は、憎悪を高めている。

 世界を支配する為に、他の大陸の迷宮を破壊して、龍を顕現させた。

 世界は混乱して、目論見は叶うはずだった。

 龍は、彼等の大陸にも出現した。

 討伐は可能なはずだった。

 しかし、作戦は失敗。龍の災害が大陸を襲った。

 大陸は壊滅。地下都市崑崙に逃げ込み、地上奪還を夢見て、色々と暗躍していた。

 そのずべては、失敗した。

 食料プラントを、隕石で破壊された。偶然だとは思わない。

 崑崙には、5万人の市民がいた。5人の支配者がいた。

 5人のために、5万人が死に、残った5人ももうすぐ死ぬ。

 ただでは死なない。

 道連れに、この世界を滅ぼそう。

 星喰いを呼ぶ方法は、確立した。

 我々を救えなかった、自由冒険者組合の連中を生贄に、呪いは完成する。

 滅びあれ・・・。


 ミームが苦労して手に入れた情報です。

 プロテクトが堅固で、時間がかかったそうです。

 世界の歴史を確認していると、不自然に迷宮が溢れた次期がありました。

 その原因を調査していたら、崑崙を発見。

 既に、儀式は完成しているみたいです。

 昨日、自由冒険組合に所属していた人員が、不自然な大量死をしました。

 その表情は苦悶で歪み、恐ろしい怨嗟を撒き散らしているそうです。


「ギリギリ、間に合いそうかな?」

 急ピッチで、作業が進められる。

 今の状況で、星喰いが顕現したら、この星は一瞬で消える。

 逃げ出す時間もない。

 だから、戦いの道を選ぶしかない。

「仁君、こちらの準備は順調です」

「進行状況は?」

「40%ですけどね」

 なつ様は、チャウス部隊を引き連れて、迷宮の攻略をしてもらっています。

 少しでも怨念を解き放ち、EQを回収する為です。

 今回の作戦に、エネルギーは必要です。

「仁君、プログラムの書き換えは、終了しました」

「工場の製作機械、セッティング終わりました」

 紺と緑は、兵器工場を運用してもらっています。

 宇宙船の工作機械を使って、必要な部品を製作中です。不足していた資材は、月にあった海野家の宇宙船ギガノスを使用。ついでに、月そのものを解体して、資源にしました。理由は単純です、顕現する星喰いは、月を寄り代にします。今解体しても、結局消えるので、有効な資源にします。

 

 星喰いの出現は、既に世界中に知れ渡っています。崑崙の生き残りが、嫌がらせで知らせました。

 生き残って、抵抗を続けていた人は、そのほとんどが諦める寸前でした。

 ただでさえ、希望もなくつらい日々。磨り減る精神。

 絶望に身を任せ、いっそ楽になりたい。

 そう考える人の前に、それ出現しました。

「グリーンベア、突貫します!」

 量産に成功したグリーンベアの部隊が、世界中を駆け巡りました。

 山野家と海野家だけでなく、勇者連合の人間も、作戦に参加しています。

 優れたOSの開発に成功したので、素人でもそれなりに戦えます。

 勇者連合の人間は、不満気でしたが、巨大ロボに載って戦うということに、ロマンを感じる人間は多かったです。

 時間がなかったので、ほぼ無償で提供しています。一応、安全装置は付いているので、悪用される可能性は少ないです。

 世界中で暴れ周り、各地に残った資源を回収して、それを元に、数を増やす。

 最終的に、1万まで増えた量産型グリーンベアは、守り神として認識されています。

 ただ、これでも星喰いには勝てません。

「仁君、最終兵器完成しました」

 突貫工事で、作っていた物が完成しました。

「状況は?」

「照準、ゲルゾルバにて目標を捕らえています」

「何とか、間に合いましたか・・・」

 研究の結果、考案していた装置を急ピッチで完成させました。

 宇宙空間での作業は、チャウスが活躍しました。多足歩行戦車となったチャウスは、前足の部分を器用に使い、短時間で工作が可能になりました。

 それを集中管理して、巨大な宇宙要塞を建造。12隻の宇宙船は、姿を変えて要塞となりました。

 月を取り囲むように、12の要塞が浮かんでいます。

「重力の異常を確認」

 嫌な気配です。

 ここの奥底に、染み込んでいる嫌な記憶。

「月の中心部に、超重力を確認」

「他への影響は?」

「今の心、ありません」

 オリジナルのグリーンベアの中、そこから僕たちは月を監視しています。

「星喰い、出現します・・・」

 なつ様が、モニターを見て静かに呟きます。

 月が黒く染まり、そこから、何かが染み出します。

「これが、星喰い?」

 怨念の塊。

 最悪の災害。

 月が消え、闇夜よりも暗い闇が浮かんでいます。

「作戦開始!」

 顕現を確認したので、こちらも行動を開始します。

 人類の存続をかけた、一戦です。



 3の倍数の日に、高等予定です。 

 次で、本編は完結予定です。


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