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ブーストサマー  作者: 水室二人
学園編 
32/42

決闘と前世

「俺と、勝負しろ!」

「嫌です」

 昼休み、なつ様とのんびり過ごしていると、喧嘩をうられた。これでも一応商売人。社長なので、売り買いは慎重に行います。

「お前に、拒否権はない」

 相手は、先日一緒に行動した拳の勇者です。

「何故?」

「勇者連合の、長の命令だ!」

「僕は、それに所属していませんが?」

「俺たちを、敵にまわすという事になるが、それでも良いのか?」

「どう思います?」

「せっかくの二人きり、邪魔された。こいつ嫌い」

 なつ様は、ごきげん斜め。僕も、こいつが嫌いになりました。

「どういう条件?」

 不機嫌ななつ様が、睨みながら聞きます。

「相手が倒れるまでの、真剣勝負。どちらが強いか、確認のための勝負だ」

「じゃぁ、やらない。仁君の時間の無駄」

「得られる物が無いと、やる気になれません」

「逃げるのか?」

「ん、逃げろ」

「そうですね、逃げましょう」

「俺の勝ちになるが、良いのか?」

「勝つと、何かありますか?」

「特に、指示はない・・・」

「この状態で、何で喧嘩撃っているの?」

「長の命令は、絶対だ、拒否はできない」

「拒否したら?」

「死・・・。それだけは、避けたい」

 拳の勇者は、哀れになるくらい、怯えています。

「なつ様、何でこんな事に?」

「不良在庫の処分?」

「いくらなんでも、それはないのでは?」

「だって、役に立たない勇者なんて、必要ないよね?」

「この勇者、駄目なの?」

「うーむ、仁君、勝負してあげて」

「なつ様が望むなら、喜んで」

 何か、考えがあるみたいです。

 放課後に、訓練場で決闘することになりました。


「な、何で勝てない・・・」

 勝負は、一瞬で終わっています。相手が接近する前に、僕が獣で撃ちぬきました。決闘は、なんでもありのルールです。相手も、それを認めています。

「まだ、続ける?」

「これ以上、醜態はさらさない・・・」

 10回、決闘を続けた結果です。相手は全敗。

「それで、どうします?」

「勇者を、辞める」

「その後は?」

「出来る範囲で、戦いを続けます」

 色々と抱えていたものから、解き放たれた感じです。

「俺は、この世界を救いたい。救わなければいけないと思っている、それが出来ると信じていた」

「今は?」

「俺には、無理。誰かに託すつもりはないけど、俺が主役じゃないのは理解できた」

「そうですか」

 それを聞いたなつ様は、嬉しそうだった。

 拳の勇者、碇 健二は、その後学校を辞めた。

 民間防衛会社へと就職して、日々戦いを続けている。


「なつ様は、何がしたかったの?」

「ん・・・」

「言わないと、こうする」

 えいと、転がす。ベットの隅に、ころころと、転がす。

「う~~~」

 中心が好きなので、隅っこに追いやると、不機嫌になります。

「ほら、何がしたかったの?」

 今日は2人の日なので、誰もいない。

「みんなの、過去が気になった・・・」

「男女関係?」

「それは、割り切る。難しいけど、割り切る、努力中」

 この辺は、今は今と信じて欲しい。

「前世の無念、持っている人、予想よりも多かった」

「でしょうね・・・」

 その気持ちは、よく解る。前世の無念、救えなかった多くの命。

「勇者連合は過去の怨念を捨てきれない」

「勇者なのに?」

「勇者だったから。戦いで、世界を救えると思った人たち。道半ばで死んだ人も多い」

「それと決闘の関係は?」

「弱さを知れば、諦める人もいる」

「弱さ?」

「圧倒的な力の差。仁君は、自分の力をもっと知るべき」

「僕は、強いかな?」

「素のレベルで、亜紳の域を超えた人が、弱いわけがない」

「そうなの?」

「自分では届かない場所を知る。願いを託せる存在を感じる事は大事」

「託せたのかな?」

「あの顔を見れば、わかる」

「確かに・・・」

 拳の勇者は、満足そうだった。

「託された人は、大変だけど、頑張って」

「そうだね・・・」

 他にも、色々と背負い込んだ物があったはず。思い出せないのがもどかしい。

「無理はしないでね」

「出来るだけ・・」

 実際、 悪夢にうなされた事は数多い。今はしっかり寝られるけど、思い出すこともある。思い出せない事は多いけど・・・。

「睡眠は大切」

「それは、痛感してる」

「これを作った、私を褒めて」

「うん」

「もっと、褒めて」

「なつ様は、凄い」

「みんなに、広める」

「なつ様が凄いと?」

「違う。ゆっくり寝られると。この世界で、悪夢を感じる必要は無い。私と、仁君のおかげ」

「凄いのは、なつ様。僕は魔力を供給しているだけ」

 なつ様を転がして、ベットの中央に移動させる。

「仁君が、スキルを上手く使った結果」

「半分、偶然だけどね」

「そのスキル、使わせて欲しい」

 これが、今回の本命みたいです。

「凄いなつ様の頼みなら、断れないよ」

「褒める」

「はい」


 ”過去視 過去を見ることが出来る。現世限定”


「このスキルオーブ、変換して欲しい」

「して、どうします?」

「仁君の過去、見る」

「それは、駄目。知りたい事は、全部話してあげる」

「どうしても?」

「止めた方がいい」

 きっぱりと、拒絶します。

「仁君の事、知りたいの・・・」

「僕が話すというのは、駄目ですか?」

「話す時間が増えるのは、嬉しい」

 それは、僕も同じです。

「仁君の口から、他の知らない女のことを聞くのはいや」

「・・・」

「他の女との子供の話をされたら、嫉妬の炎で地上を焼き尽くせると思うの」

 本気で、やりかねない瞳です。

「どの前世でも、直接の子供はいなかったはずです」

 遺伝子提供した結果、誕生した生命はあります。

「断言できますか?」

「・・・出来ると思う」

 全部覚えていないから、微妙に間があきました。

「仁君を、信じる:

 そう言って、スキルオーブを手渡されました。

「信じているのですよね?」

「信じてるよ?」

 首をかしげる仕草は、可愛いです。

「自分で確認して、そして私に話す」

「最初から、素のつもりでした?」

「仁君を、信じた結果だよ」

 

 今日も結局、このこの掌の上。

  

 過去視 過去を見ることが出来る。前世限定


 どれだけ回数があっても、前世なら見ることが出来ました。

 色々と、やるべき事が変わったけど、助かったのは事実です。

 ありがとう、なつ様。

 3の倍数の日に、投降予定です。

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