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ブーストサマー  作者: 水室二人
学園編 
28/42

勇者連合 その1

「人のが、色々と手強いですね・・・」

 今までは、獣型の魔物しか出現しない迷宮でした。5年生になると、人型の魔物のいる迷宮に入れるようになります。

 ヤマノ重工の依頼で、数回入った事はありますが、正式に挑戦するのは初めてです。

 動きなどは、獣と違って遅いです。ただ、連携の錬度や、武器の使用、魔法攻撃など、今までに無い部分は大きいです。

「この手の相手も、やり難いですね・・・」

 前世の中の記憶に、ゲームで遊んでいた事があります。絵柄重視の、可愛い系モンスター。女の子のモンスター、抵抗無く虐殺できる主人公を、今なら尊敬できます。現実で敵対すると、やりにくいです。

 これを考慮して、その姿を作る敵は、手強いです。

「大丈夫ですか?」

「慣れるしかないんだな、自分でもわかる・・・」

 そう、慣れるしかない。出来なければ、死ぬだけ。この世界の魔物とは、和解出来ない。人型であっても、無理だ。

 会話は通じない。相手には、理性が無い。怨念の塊。そう言う風に造られた存在だから。

「死体が残らないのは、正直助かりますね」

 魔物は、死ねば消滅する。たまにドロップアイテムを残すだけ。人型の魔物からは、武器弾薬が手に入りやすい。現状、必要の無い物が多いです。

「仁君、焦らず確実にですよ」

「了解」

 チャウスの中から、なつ様が指示をくれます。学校の訓練なので、緑と紺はここにいません。

「援護の必要は、なさそうですね」

「近づくと、巻き込まれるだけです」

 今回は、同級生と合同での実習です。ここまで生き残り、最前線でたたかうとなると、常識から外れた存在もいます。今回の同行者、勇者連合のメンバーは、全員化け物です。

 嬉々として、敵の集団に飛び込み、敵を撃破しています。

「生ぬるい、もっと強い奴はいないのかっ!」

「無双突き、突き、つききゃぁぁぁぁああ!」

「お前ら五月蝿い、ただ、敵を斬れば良い!」

 3人の少年は、それぞれ拳、槍、剣で敵を倒しています。

「仁君、100メートル先にマジックユーザーです」

「了解」

 指示されたポイントを、狙撃します。

 今回の迷宮も、廃墟です。比較的見通しの居場所を選んで、魔物を迎撃しています。

「残りは?」

「増援です。全部で100。残りとあわせて、130」

「俺たちは、300、お前たちは50。割があわないから、増援は任せた」

 拳の勇者が、そう言います。これまでに倒した数みたいですが間違っています。

「正直、武器の消耗が激しい。頼めますか?」

 槍の勇者は、疲れているみたいです。

「こっちも同じだ。武器が無ければ力が出せない・・・」

 剣の勇者も、同じみたいです。

「お前ら、情けないぞ、拳こそ、最強の武器と認めさせてやる!」

 1人だけ、元気な拳の勇者が、敵の群に突撃していきます。

「猪が・・・。前しか見ていないから、お前はあほなんだ」

「悪いな、あいつ馬鹿だけど、悪い奴じゃないから、馬鹿だけど」

 その援護に、二人が向かいます。

「訂正する?」

「面倒だから、いいです」

 これまで倒した数は、3人が300.僕達が500です。遠距離で壊滅させた魔物、気づいていなかったみたいですね、1人だけ。

「せっかくだから、実験を続けましょう」

「良いのですか?」

 最近、僕達はいろいろと実験をしています。魔物を使った実験です。敵を知るために、色々と行っています。捕獲して、解剖をしたいのですが、中々上手く行きません。

「あの様子なら、周りを見れないでしょう」

 出来れば、他の人たちに知られたくありません。でも、機会は逃したく無いのです。

「あせるのは、禁物ですよ」

「焦っている、自覚はありますよ」

 失いたくない物が、増えています。焦る気持ちも沸くものです。

「トリモチランチャー、射出」

 強力な接着剤です。当たった魔物は、身動きを封じられます。

「捕獲容器、いけそう?」

「今回は、いけそうです」

 敵を調べる事は、基本中の基本です。しかし、この世界今まで、捕獲して調べる事をしていませんでした。出来なかったという冪かも知れません。

 基本的に、魔物に状態異常系の攻撃は通用しません。一瞬、動きを止める事は出来ます。毒で殺す事や、麻痺させて動きを封じる事は、出来ません。

 スキルで、空気を集め、窒息させる事は可能でした。この場合、すぐに消えてしまいます。

 凍らせたり、石化魔法も通用しますが、死亡と判断された時点で、消滅します。

 鑑定のスキルで、種族や、スキル、色々な事が判明するので、危険を冒してそれ以上のことを調べる人がいませんでした。

「成功です」

 殺さないよう注意して、動きを封じ込める事に成功。接着剤の当たり所が悪く、窒息した魔物もいます。この辺は、仕方ないと割り切ります。運任せの部分もあったので、仕方ありません。

 上手い具合に、動きを封じる事ができた魔物がいます。

「3体の捕獲に成功しました」

「ゆりかごの様子は?」

「今の所、大人しくしています」

 魔物に、感情があるのは確認済です。その大部分を、恨みで占めています。最近、なつ様と緑と紺のおかげで、幸せ要素が増えています。そのお裾分けではないですが、せめて安らかにと、最高級の寝具を利用した捕獲容器を製作しました。名前はゆりかご。

「残りを、殲滅したら撤収する」

「了解」

 作戦は、成功です。貴重なサンプルが手に入りました。

 勇者連合の3人も、無事みたいです。この連合、今回は3人ですがメンバーは他にもいます。仲良くしたいと思いませんが、敵対する必要もありません。程々がいいでしょう。

「正直、助かった。ありがとう」

 ドロップアイテムの回収や、武器メンテナンスを支援しています。

 こちらも、他の人の戦闘データが得られたので助かっています。チャウスガ、3人の行動を明確に記録しています。動きのデータは、参考になるので、重宝するのです。

 色々画策していたのは、勇者連合も同じです。無人の偵察機が、こちらを撮影していました。もっとも、映像に写る事はしていません。妨害工作もしています。

 魔物の脅威に対抗する為なら、協力すべきですけどね。色々と面倒ごとが多いです。



 3の倍数の日に投降予定です。

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