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ブーストサマー  作者: 水室二人
学園編 
25/42

彼女の悩み

「単刀直入に聞きます。前世で経験ありますか?」

 お風呂に入って、休んでいる二人に、直球勝負に出ました。

「はい?」

「ぐっ」

 二人の反応は、違いました。緑は、未経験、紺は経験済ですね。

「前世持ちの人の事で、色々と聞きたいの」

 一般的に、プレイヤーと呼ばれる人は、前世がある。私は、プレイヤーと分類されているけど前世の記憶が無い。第5階位のスキル保持者は、暴走しがちなので、プレイヤーと扱われる事がある。

 実は、これは選択式なので、プレイヤーではなく普通の学校に通う事も出来るのです。

 私の場合は、家の都合でプレイヤーとなる事になりました。後で知ったけど、予言みたいなものが関係しているみたいです。詳しい事は、まだ教えてもらえません。

「緑は可愛いですね」

 何の事か理解していない緑を、なでなでします。この子、反則的に可愛いです。

「緑は、何を探しているのかな?」

 可愛い子では在りますが、色々と問題児です。各地のデータベースに侵入して、何かを探しています。海の底の3人が、苦労して作ったシステムを突破しています。

 あの3人、この世界よりも進んだ文明の前世がありました。

 それを元に、3世代は進んだコンピュータを先日完成させました。勇気に関しては、プログラムに関するスキルを開眼。3人共有して、現在最高のシステムを構築しました。

 それを、この子はあっさり突破しています。突破された事で、この子の存在に気づき、行動を確認しました。その辺は、素人だったみたいで、足跡が色々と残っていたみたいです。それは、こちらの依頼で消しました。この子の存在に、他の人は気づいていないはずです。

「お母さんを探してます」

 隠すことなく、答えました。

「色々と、危ない事している自覚はあるの?」

「何となく・・・」

 しょんぼりとする姿も可愛いです。

「お母さん?」

 紺は、緑の答えを聞いて、不思議そうな顔をします。

「おばさん、家にいるよね?」

「前世の、お母さん」 

「前世の?」

「私、すぐに死んじゃったから、ごめんさないが言えなかったの」

 彼女のいた世界は、色々と終わっていました、巨大な宇宙生物がやってきて、世界は壊滅したそうです。

 異星人のの協力得て、星から脱出する計画を実行中だったそうです。

 彼女の前世はは、生物兵器でした。クローンではなく、機械や薬品で強化した、非人道的な存在。

「お母さんは、この世界にいるの?」

「いるとおもう。システムが、そういった」

「神と会話したの?

「あれは、神じゃない。システムという存在」

「?」

 この辺は、個人の感覚だから追求しない。

「私が生まれる時、拒否したらお母さんがここにいると、システムは言ったの」

「だから、転生したの?」

「うん」

 満面の笑顔と言う物です。録画しておいて、良かったです。仁君は、見ていないので残念ですね。

「余計な事を・・・」

 それに反して、紺は小さく呟いています。

「それだと、私の知りたい事は、緑には縁が無いのよね・・・」

 まさか、生物兵器という過酷な前世とは思いませんでした。システムを突破できたのは、その辺からかもしれません。

「紺は、経験済ですよね?」

「何のと、聞くのは野暮かな?}

「野暮ですね」

「一応、前世は子供もいた」

「そうですか」

「あまり知られたく無いけどね」

「何で?」

 私は、何となく解りますが緑には無理みたいです。

「世の中の、男は馬鹿が多いということだ。前世とか、抜きにしても、経験回数とか色々と無駄に気にする人が多すぎる・・・」

「やっぱり、そうですか」

「なつ先輩が、気にしているのは、仁先輩の前世の事ですか?」

「仁君、経験豊富で、色々とものすごく上手だとおもうの。不満は無いけど、色々と考えると、もにょものよするの・・・」

「もにょもにょですか?」

「そう。今の、仁君は、仁君で、過去の仁君とは別だと思うけど、やっぱり仁君だから・・・」

「ちなみに、どれくらい上手なの?」

「行為がスキルになっていて、レベル9。一度も勝てない・・・」

「それは、お子様には酷な相手ね・・・」

「紺なら、勝てる?」

「勝つ、負けるの勝負じゃないでしょ?」

「そうだけど、私ばっかり幸せで良いのかなと思ったり」

「なつ先輩が満足なら、それ以上に仁先輩も満足してますよ」

「そうなのかな?」

「おそらく」

「人生の先輩と呼んでもいいですか?」

「それは駄目。これでも女の子。歳が多く感じるのは苦痛です」

「一切違いじゃないですか?」

「前世をあわせると、私100歳超えるのよ・・・」

「お婆ちゃん?」

 さりげなく呟く緑。それを聞いて、紺は痛恨のダメージを受けています。

「駄目、それだけは駄目。トキトキクォの魔女と呼ばれた私でも、その一言は突き刺さる・・・」

「それは、何ですか?」

 今まで聞いた事の無い、響きの言葉です。

「あっ・・・」

「お母さん!」

 それを聞いた、緑が紺に抱きつきます。うむ、良い絵です、

「うぁぁあ。失言です。ほら、緑、私はお母さんじゃないよ」

「お母さんです、トキトキクォの魔女という呼び名、お母さんだけです」

「それは、前世の話です。お前たちを守れなかった、愚かな魔女の称号です」

「でも、お母さんです」

「なつ先輩、何とかしてください!」

 抱きあう後輩二人は、中々良いものです。

「お願いします、ちょっと、苦しい」

「ほら、緑、紺が苦しんでいるから離れてください」

「嫌!」

「ぐぁぁあ、ちょっと緑、苦しい」

「私、役立たずじゃないよね?」

 緑は、泣いています。

「紺、貴方前世で何をしたの?」

「緑が、こうなっているのは、今の母親が原因です。あのおばさん、緑の事、嫌っているからっ!」

「嫌っている?」

「前世の事気にするの、なつ先輩だけじゃないです。色々な人が、こじらせています」

「私は拗らせてないもん」

「拗らせてますよ。とにかく、あのおばさんが、緑に優しくないのは確認しています」

「前世の縁、知っていたの?」

「うぅぅ、これでも、色々とやらかしてるの。素の後始末が出来るならと、転生を承諾しました」

「名乗り出るつもり、無かったの?」

「今さらですよ。影からサポートするつもりでした・・・」

「お母さん・・・」

 抱きついて、泣きながら緑は気を失いました。

「これなら、はなれられる?」

「私から、手を振りほどくく事は出来ません。なつ先輩、お願いしてもいいですか?」

「せっかくだから、仁君に頼もうかな?」

「勘弁してください・・・」

 何とか二人で、緑を運んで着替えさせます。前世に拘るのは、難しい事です。

 仁君の女性関係とか経験とか、物凄く気になるのです。そのせいで、システムを恨んだりもしました。

 この二人のやり取りを見ると、文句は言えないです。色々と、企んでいる存在らしいですが、今回の事を考慮して、仁君と相談する必要があります。

 

 3の倍数の日に更新予定です。

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