彼女の悩み
「単刀直入に聞きます。前世で経験ありますか?」
お風呂に入って、休んでいる二人に、直球勝負に出ました。
「はい?」
「ぐっ」
二人の反応は、違いました。緑は、未経験、紺は経験済ですね。
「前世持ちの人の事で、色々と聞きたいの」
一般的に、プレイヤーと呼ばれる人は、前世がある。私は、プレイヤーと分類されているけど前世の記憶が無い。第5階位のスキル保持者は、暴走しがちなので、プレイヤーと扱われる事がある。
実は、これは選択式なので、プレイヤーではなく普通の学校に通う事も出来るのです。
私の場合は、家の都合でプレイヤーとなる事になりました。後で知ったけど、予言みたいなものが関係しているみたいです。詳しい事は、まだ教えてもらえません。
「緑は可愛いですね」
何の事か理解していない緑を、なでなでします。この子、反則的に可愛いです。
「緑は、何を探しているのかな?」
可愛い子では在りますが、色々と問題児です。各地のデータベースに侵入して、何かを探しています。海の底の3人が、苦労して作ったシステムを突破しています。
あの3人、この世界よりも進んだ文明の前世がありました。
それを元に、3世代は進んだコンピュータを先日完成させました。勇気に関しては、プログラムに関するスキルを開眼。3人共有して、現在最高のシステムを構築しました。
それを、この子はあっさり突破しています。突破された事で、この子の存在に気づき、行動を確認しました。その辺は、素人だったみたいで、足跡が色々と残っていたみたいです。それは、こちらの依頼で消しました。この子の存在に、他の人は気づいていないはずです。
「お母さんを探してます」
隠すことなく、答えました。
「色々と、危ない事している自覚はあるの?」
「何となく・・・」
しょんぼりとする姿も可愛いです。
「お母さん?」
紺は、緑の答えを聞いて、不思議そうな顔をします。
「おばさん、家にいるよね?」
「前世の、お母さん」
「前世の?」
「私、すぐに死んじゃったから、ごめんさないが言えなかったの」
彼女のいた世界は、色々と終わっていました、巨大な宇宙生物がやってきて、世界は壊滅したそうです。
異星人のの協力得て、星から脱出する計画を実行中だったそうです。
彼女の前世はは、生物兵器でした。クローンではなく、機械や薬品で強化した、非人道的な存在。
「お母さんは、この世界にいるの?」
「いるとおもう。システムが、そういった」
「神と会話したの?
「あれは、神じゃない。システムという存在」
「?」
この辺は、個人の感覚だから追求しない。
「私が生まれる時、拒否したらお母さんがここにいると、システムは言ったの」
「だから、転生したの?」
「うん」
満面の笑顔と言う物です。録画しておいて、良かったです。仁君は、見ていないので残念ですね。
「余計な事を・・・」
それに反して、紺は小さく呟いています。
「それだと、私の知りたい事は、緑には縁が無いのよね・・・」
まさか、生物兵器という過酷な前世とは思いませんでした。システムを突破できたのは、その辺からかもしれません。
「紺は、経験済ですよね?」
「何のと、聞くのは野暮かな?}
「野暮ですね」
「一応、前世は子供もいた」
「そうですか」
「あまり知られたく無いけどね」
「何で?」
私は、何となく解りますが緑には無理みたいです。
「世の中の、男は馬鹿が多いということだ。前世とか、抜きにしても、経験回数とか色々と無駄に気にする人が多すぎる・・・」
「やっぱり、そうですか」
「なつ先輩が、気にしているのは、仁先輩の前世の事ですか?」
「仁君、経験豊富で、色々とものすごく上手だとおもうの。不満は無いけど、色々と考えると、もにょものよするの・・・」
「もにょもにょですか?」
「そう。今の、仁君は、仁君で、過去の仁君とは別だと思うけど、やっぱり仁君だから・・・」
「ちなみに、どれくらい上手なの?」
「行為がスキルになっていて、レベル9。一度も勝てない・・・」
「それは、お子様には酷な相手ね・・・」
「紺なら、勝てる?」
「勝つ、負けるの勝負じゃないでしょ?」
「そうだけど、私ばっかり幸せで良いのかなと思ったり」
「なつ先輩が満足なら、それ以上に仁先輩も満足してますよ」
「そうなのかな?」
「おそらく」
「人生の先輩と呼んでもいいですか?」
「それは駄目。これでも女の子。歳が多く感じるのは苦痛です」
「一切違いじゃないですか?」
「前世をあわせると、私100歳超えるのよ・・・」
「お婆ちゃん?」
さりげなく呟く緑。それを聞いて、紺は痛恨のダメージを受けています。
「駄目、それだけは駄目。トキトキクォの魔女と呼ばれた私でも、その一言は突き刺さる・・・」
「それは、何ですか?」
今まで聞いた事の無い、響きの言葉です。
「あっ・・・」
「お母さん!」
それを聞いた、緑が紺に抱きつきます。うむ、良い絵です、
「うぁぁあ。失言です。ほら、緑、私はお母さんじゃないよ」
「お母さんです、トキトキクォの魔女という呼び名、お母さんだけです」
「それは、前世の話です。お前たちを守れなかった、愚かな魔女の称号です」
「でも、お母さんです」
「なつ先輩、何とかしてください!」
抱きあう後輩二人は、中々良いものです。
「お願いします、ちょっと、苦しい」
「ほら、緑、紺が苦しんでいるから離れてください」
「嫌!」
「ぐぁぁあ、ちょっと緑、苦しい」
「私、役立たずじゃないよね?」
緑は、泣いています。
「紺、貴方前世で何をしたの?」
「緑が、こうなっているのは、今の母親が原因です。あのおばさん、緑の事、嫌っているからっ!」
「嫌っている?」
「前世の事気にするの、なつ先輩だけじゃないです。色々な人が、こじらせています」
「私は拗らせてないもん」
「拗らせてますよ。とにかく、あのおばさんが、緑に優しくないのは確認しています」
「前世の縁、知っていたの?」
「うぅぅ、これでも、色々とやらかしてるの。素の後始末が出来るならと、転生を承諾しました」
「名乗り出るつもり、無かったの?」
「今さらですよ。影からサポートするつもりでした・・・」
「お母さん・・・」
抱きついて、泣きながら緑は気を失いました。
「これなら、はなれられる?」
「私から、手を振りほどくく事は出来ません。なつ先輩、お願いしてもいいですか?」
「せっかくだから、仁君に頼もうかな?」
「勘弁してください・・・」
何とか二人で、緑を運んで着替えさせます。前世に拘るのは、難しい事です。
仁君の女性関係とか経験とか、物凄く気になるのです。そのせいで、システムを恨んだりもしました。
この二人のやり取りを見ると、文句は言えないです。色々と、企んでいる存在らしいですが、今回の事を考慮して、仁君と相談する必要があります。
3の倍数の日に更新予定です。




