夜、バーにて
ブクマ1件増えてました、ありがとうございます。ウレシイ。
さて、日差しもちょうどいい、暖かい昼過ぎ。
今日は新しい顧客へ営業に行く日だ。
最近色々と儲かってはいるが、それでも新規顧客は非常に重要。
特に私の様なギルドに所属していない、フリーの魔術師にとっては尚更だ。
そして今日行く新規顧客の店は・・・ビリヤードバーか。
何とも渋そうな店だが、良し。
気合を入れて頑張ろう。
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「どうも、魔術師さん。」
「どうも。本日はよろしくお願いしますね。」
「ええ。早速なんですが・・・。」
「はい、確か内装でしたよね?こちらにイメージのリストを作りましたのでご覧ください。」
「お、ありがとうございます。」
今日来たこのビリヤードバー。
新装オープンをするにあたり内装を変えたいという内容。
「おお、これはまた。わかりやすくて有難いですね。」
「そう言ってもらえると助かります。」
「最近魔術師さんの話をよく聞きましてね。話を聞けば聞くほど凄く良い評判だったのでお願いしたんですが・・・もうこの時点で良い評判の意味が分かりましたよ。」
「はは、まさかそんな。まだまだ未熟な身ですよ。」
「では・・・このリストの内装について何ですが。」
「ええ、こちらですか。」
「この内容について、料金等をですね・・・。」
「ええ、分かりました。」
「いやぁ、本当に有意義な時間を過ごせました、魔術師さん。」
「いえいえ、こちらこそ。決めていただいてありがとうございます。」
「魔術師さんの用意が良いからですよ。もう少し悩むかと思ったんですが・・・しっかり分かりやすかったので、これに決めれました。」
「そう言ってもらえるとありがたいです。」
さて、今日の営業はこれで終了。
しっかり内装も決まったし、これはまたお祝いの焼肉でも行っちゃおうか?
「・・・あ、そうだ。魔術師さん。」
「はい?」
「良ければビリヤード1ゲームいかがですか?」
「え、私ですか。ええっと・・・ルールを知らないんですが・・・。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。この後お時間があるならぜひ。」
「は、はぁ・・・でしたら折角なので、1回だけ・・・。」
しかしどうしたもんか。
私ビリヤードなんて全く知らないぞ。
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「いやあ、ありがとうございました、魔術師さん。」
「いえいえ、こちらこそ。ビリヤード楽しかったですよ。」
嘘だがな。
「ああ、そういっていただけるとうれしいですね。では、また。」
「ええ、失礼します。」
ビリヤード、やるにはやったが。
やればわかるとか言って何もルールを教えてくれなかった。
かと言って向こうは本気で勝負を挑んでくるし。
・・・もしかして、初心者狩りをしたかっただけなんじゃないか?
まぁ、でも一応仕事は完了したし。
発注も貰えたから良しとしようか。
しかしビリヤード1回で結構な時間になったな。
もうだいぶ暗いじゃないか。
これはひとまず、とりあえず。
―――飯でも食いに行こう。
ビリヤードに付き合わされたが、金額は結構な仕事。
今日はお祝いに酒でも飲んでしまおうか?
とりあえず飲食街へ行くとするか。
さて、到着しました飲食街。
今日は何を食べようか。
うーん、なんかこう、お酒を入れたい。
折角の大仕事だし、お祝いというか。
でも普通に飯も食いたいなぁ。
・・・とりあえず店を探そう、そうしよう。
食堂。
今回はパス。
焼肉。
お祝いの焼肉、いいじゃないか。
・・・でも並んでるな、パスだ。
レストラン。
お、いいんじゃないか。
だが無念、ここも並んでる、パス。
さて、どうする、どうするか。
何かこう、良い店は・・・。
お、バーだ。
「バー&グリル ストーン」、・・・グリル?
という事は飯も食えるバーなのか。
これはなんとも、今の私にピッタリの店。
ここだ、ここしかない、入店!
「いらっしゃいませ。お好きなカウンター席へどうぞ。」
お、店内は暗めで渋い内装だ。
正に隠れ家的バーみたいな感じ。
でもよく見れば内装やインテリア、1つ1つが凄く高級なものだと分かる。
これは何回も来たくなるような店だな。
さて、メニューは・・・おお、冊子だ。
肉、魚、ライスの料理まで幅広く乗ってる。
これは嬉しい。
とりあえず酒はジントニックで、それと一緒に食べるものを注文したいところだ。
メインは後からでもいいだろう。
何にしようかな・・・。
「お待たせ致しました。ジントニックとチキン&チップスです。」
お、第一陣のお出ましだ。
・チキン&チップス
つまり唐揚げとポテト。ゴロゴロ唐揚げに厚切りホクホクポテト、これは期待が止まらない。
・ジントニック
バー、そこに来たならばやはり最初はコイツでしょう。マスターの腕、見せてもらおうじゃないか。
では、いただきます。
先ずは・・・チキン&チップスのチキン!
こんな齧り付きがいのあるチキンを前にしちゃ、最初に食べるのが礼儀ってもんでしょう。
そうだ、偶にはレモンをかけて、と。
良し、いただこう。
―――あー、ジューシー。そこにレモンの酸味がバッチリハマった。
美味しい、ただ美味しい、そんな唐揚げ。
衣が厚すぎず薄すぎず、素晴らしい塩梅。
肉の下味もバッチリ、レモンがそれを引き立てる。
これは駄目なやつ。
だってこの唐揚げ、こいつを食うと。
無性に酒が飲みたくなる!
―――すっと突き抜ける爽やかさ。そこからジンの香りがふわっと着地。
この唐揚げにしてこのジントニック有り。
これは反則級のコラボレーション。
唐揚げがレモンでさっぱりしてるのに、そこに爽やかさをジントニックが付け足して来る。
もう、何というか。
口の中がミント畑の様な。
でも爽やかなだけじゃ無くて確かな美味しさがあるんだから、私にはもうどうしようもない。
となればここでポテト、こいつに行こう。
皮付き厚切りホクホクポテト、これもまた良いつまみになるはずだ。
―――外はカリカリ中はホクホク、これは芋成分が満ち足りてるポテトだ。
王道の塩味もまた、正解。
これぞ厚切りの魅力だと私に教えてくれる美味しさ。
チキンとジントニックの間に、ジントニックを飲んだ後に、いつでもこのポテトは私に寄り添ってくれる。
ならば、ここに置いてあるケチャップ。
こいつをつければどうだろうか?
―――ああ、これもまた正解、もう一つの王道。酸味の効いたケチャップ、ポテトにバッチリだ。
ポテトにケチャップ、芋の黄金に赤いリボンがよく似合う。
おそらくポテト一つにここまで心を震わせる人物、私以外にいないんじゃないだろうか。
だが、美味しいんだ。
そしてここでまた、ジントニックへもどれば。
―――空へと飛び出しそうな爽快感、口の中で突き抜けていく。
こう、ポテトを食べて少し水分が欲しくなった体、そこに思い切りジントニックが突き刺さってくれた。
いやあ素晴らしいコンビじゃないか、チキン&チップス。
これは何か、そう、〆の料理も頼まなければ。
さて、何にしようかな・・・?
「お待たせ致しました。ピザになります。」
お、これはまた立派なピザだ。
・ピザ
オーソドックスなマルゲリータ風のピザ。トッピングはキノコ。チーズとトマトソース、そしてキノコの3色、ああ、早く食べたい。
何とも美味そうだ・・・いただきます!
おお、カッターで切ればほら、チーズが伸びる!
こののびのびとしたチーズ、何だか食べる前から楽しくなってくる。
三角に切ったやつを・・・よし、いただきます。
―――美味い、これはがっちり美味しいピザだ。伸びる美味しさ、いや、伸びーーーる様な美味しさだ!
これを美味い酒とともに食べれるこの幸せ。
行けるぞ、これは行ける。
酒とともに、どこまでも進める様な美味さだ!
尚且つがっちりと私の食欲を満たしていく、このピザ。
生地、ふわふわのモチモチ。
もうこの時点で美味しい。
そこにトロトロのチーズ。
こいつが優しく包んだかと思えば。
トマトのソース。
こいつが思い切り広がって、でもチーズに包まれて柔らかくて。
そんな中にキノコの登場。
コリコリ食感、素晴らしい。
これはもう、素晴らしく完成されたピザだ。
そこら辺のピザよりこの店のピザを選ぶ人、いるんじゃないだろうか?
しかしこのサイズ・・・少し物足りない。
これはもう1枚いけそうだな。
いや、だったらチキン&チップスも追加してしまえ。
その為にもまずは食う。
ピザを楽しみ、チキン&チップスを食べ、ジントニックでのどを潤す。
だがなんだ、この感覚は。
食べている、食べているはずなのに腹が減り、脳がアルコールを求めている。
やはりこの店、只者ではなかった。
食べれば食べるほど深みにはまり、夢中になっていく。
美味しさ、その螺旋階段を延々と上り続けているかのようだ。
でも、この階段を上り続ける。
そこに確かな幸せを感じている私がいる。
「ありがとうございました。」
ああ、素晴らしいほろ酔い加減。
そこに美食で満たした腹があるから、これまた満足。
体が何だか温かい。
だが財布は少し寒い。
お金財布に補充するの忘れてた。
結構ぎりぎりで最後一瞬ヒヤッとしたぞ。
だが、まぁ何とかなったし結果オーライ。
あとは煙草を・・・一服。
ふぅ。
煙とともに酔いが空中へ消えていくかのようだ。
さて、帰るか。
大仕事の準備をしないとな。
願わくば、次も美味い店に会えるように。
主人公(男)・魔術師。梯子酒を止められなく、無事二日酔いに敗北。むなしい。
「バー&グリル ストーン」・これまた渋いマスターのいるバー。調理は奥さん担当。熟練の技が光る酒と料理、虜になる人も多い。




