成程、日替わり定食は白いライスじゃなく炊き込みご飯。 前編
例にもれず後編は今書いてる途中です。
ゆるして・・・ゆるして・・・。
うーん、今日はゆっくりした朝だ。
昨日はぐっすり眠れたし、凄く良い気分で起きれた気がする。
忙しかったからなぁ、昨日。
でもその分しっかり働けた感がある。
こう、何というか、仕事が実ってる感じがした1日だった。
とはいっても前半の方は余り売り上げにつながる物じゃなかったが・・・。
いや、あれも私がしっかり営業出来ている証。
仕事上のつながりなんだ、大事にしていかないとな。
ちなみに昨日、夜飯もハンバーガーだった。
BLTバーガーは美味しゅうございました。
ちなみに相方は細切りポテトにオレンジジュース。
さて、今日も営業だ・・・が。
今日はゆっくりするために午前のみ。
しかも3件だけ。
まぁ・・・その3件のどれもが話長いお客さんではあるんだが。
でもその話もこっちを信頼してるからこそ話してくれるんだ。
そんな何気ない話に意外に商機が詰まってたりするし。
良し、シャワーを浴びてコーヒータイム。
その後荷物を用意して営業開始だ。
今日も上手くいきますように・・・。
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「最近は天候がころころ変わるじゃろう?だから農作物の温度の管理が大変でなぁ。」
「あー、そうですよね。特に最近は暑かったり雨だったり・・・。」
今日3件目、最後に来たのは農家さん。
お茶を仕入れたり、ブラックボアを昔はスコップで撃退していた農家さんだ。
今日は良い天気で暑すぎず寒すぎない、凄くちょうどいい天気。
そんな中、縁側に腰かけてお茶を飲みながら爺さんとの会話。
長い商談とかだと疲れるが、こんな感じの雑談だとまったく疲れない。
というよりもはやリラックスしているまである。
こんな感じでのんびりしたいがために、今日はこの農家さんを3件目に置いたんだ。
1件目は普通に雑談、2件目は商談がとにかく長い。
そこで疲れた体力を日光と美味しいお茶。
そして爺さんの面白い話で回復するんだ。
普通に爺さん話し上手だからな。
話の内容が面白くて、話し方が上手い。
だからするすると聞くことができる。
「こっちも魔法を使って温度を上げたり下げたりしてるんだが・・・もう年でなぁ。結構しんどくなってきたわい。」
「上げたり下げたりですか・・・それはまた大変ですね。」
「こう、農業用の冷暖房とかがあればいいんじゃが・・・。」
「農業用の冷暖房ですか・・・うーん、聞いたことが無いので多分無いですね。」
だが、農業用の冷暖房か・・・。
作れないかな。
「ちなみにですが、温度を上げ下げってどんな感じで行ってるんです?」
「おお、畑全体へ霧の魔法を使ってな。気化熱の応用じゃ。逆に温めるときは寒さに弱い品種を布で囲んで、温かい風を送ったり・・・。」
「成程・・・。」
うーん、霧に温風か。
これ、魔石で作れないだろうか。
霧を発生させる使い捨ての魔石と温風を発生させる・・・そうだな、扇風機で良いか。
こいつらで代用できるんじゃないか?
「でしたら、一度作ってみましょうか?」
「お、本当かい?」
「ええ、少しこう、ピンときたので・・・出来たら今度持ってきますね。」
「そうか、なんか催促したみたいで悪いなぁ。」
「いえいえ、この前野菜たくさんもらいましたし。助け合いの精神ですよ。まぁ、製品化したらお代頂きますが、今回はお試しってことで。」
「ありがとなぁ、助かるわい。・・・そうじゃ、ちょっと待っとれ。おういばあさん!野菜包んでやってくれんか!」
「あ、そんな、大丈夫ですよ。」
「若いもんが遠慮するな。どのみち野菜は山ほどあるからな、持ってけ。」
「そうですか・・・ありがとうございます。」
きっとまた大量の野菜が用意されているんだろう。
しばらく朝食は野菜だらけだな。
ま、何も食わないよりマシだし、それにここの野菜は美味しい。
ここはありがたく頂いておこう。
しかし、農業用の冷暖房。
これ、商品化できれば結構儲けになるんじゃないか・・・?
―――――――――――――――――――――――――
「では、失礼します。」
「おう、またいつでも来るとええ。野菜だけはいっぱいあるからな。」
「あはは、本当にありがとうございます。・・・では。」
さて、これで今日の営業は終了。
しかし・・・農業用冷暖房、か。
あの後実際に魔法で冷やしたり、温めたりする光景を見せてもらった。
あれなら何とかなるかもしれない。
早速今日家に帰ったら作成に取り掛からねば。
上手くいけばポーション以外の継続的な収入になりそうだ。
となれば早速魔石をいくつか購入して。
―――その後、飯を食いに行こう。
いつの間にか空腹だ。
この状態じゃ魔石の加工何てとてもじゃないができない。
でもここからだと・・・そうだな。
先に魔石を購入してから飯にしよう。
良し、中心街へ行ってから飲食街へ向かうとしますか。
という訳で無事魔石も購入し、飲食街へ到着。
しかし腹が猛烈に減った・・・。
どの魔石を購入するか選んでる時は腹の減りが収まったかと思ったんだが。
魔石を購入して店を出た時により強烈な空腹が私を襲ってきた。
これはいかんと焦って飲食街へ向かい、今ここにいるわけだが。
どうしよう。
―――今の私は、何を食べたいんだろうか。
全く持って食べたいものの想像がつかない。
いや、美味い物を食べたいのは当たり前なんだが。
どんな料理を食べたいかが全く想像つかないんだ。
落ち着け、焦るんじゃない、私。
そうだよ、こんなのいつもと同じじゃないか。
いつも何を食べたいか決まるときなんて稀なんだ。
先に店を探してしまおう、そうしよう。
さぁ、店探しだ!
レストラン。
ああ、もうここで良いと思ったが。
並んでるな、これ。
一体何のメニューが人気で並んでるのか気になるが、とりあえずパス。
焼肉。
おーおー、昼から焼肉行っちゃいますか?
でも仕込み中か、残念無念・・・。
ま、まぁ焼肉食べると酒も飲んじゃいそうだし。
仕込み中で良かったんだ、うん。
それで良いと思おう。
いや、良くない。
結局腹が減ってるんだぞ、こっちは。
どこか、どこかに店はないのか。
あ、あった。
「食堂 切り株の里」・・・なんというか、不思議な名前だな。
多分この地域で長く運営している店なんだろうか。
外観がこう、良い感じにさびれてるというか・・・。
まぁ、外観はどうでもいいんだ。
重要なのは料理の味。
ここで長く続いてるお店なんだ、きっと美味しいんだろう。
良し、今日はここに決定。
いざ入店だ。
「いらっしゃいませ。」
出迎えてくれたのは黒髪ポニテの美少女給仕。
ポニテ・・・私が学生の頃一時期流行ってたな。
男子が喜ぶから一部の女子が好きな男子の気を引くために皆ポニテにしてたっけ。
あの頃色んな女子から言い寄られてたハーレム君・・・今元気だろうか。
「お一人様ですか?」
「あ、はい。大丈夫ですか?」
「勿論大丈夫です。今お席にご案内しますね。」
ニコっと営業スマイルも忘れない給仕。
私が学生の頃だったら勘違いしてしまったかもしれん。
そして案内されたのは4人掛けのテーブル席。
こう、2人ずつ隣り合って座れる奴だ。
・・・おお、このイスとテーブル。
凄く年季が入ってる。
これ、相当古い奴じゃないのか?
しかも凄くがっちりしてて・・・これ絶対高い奴だ。
良く良く店内を見渡せば、うん。
所々に年代物のインテリアが飾られてる。
さびれてる外見から予想がつかないインテリア。
これはもう・・・料理も期待してしまう。
「どうぞ、お冷とメニューになります。本日の日替わり定食は焼き魚定食で、魚は鮭、炊き込みご飯になってます。どうぞ、ごゆっくり。」
成程、日替わり定食は白いライスじゃなく炊き込みご飯。
焼き鮭もこう・・・心惹かれるワードだな。
最近焼き魚の定食を食べてなかったからなぁ。
ま、とりあえず他のメニューも見てみるか。
・ハンバーグ定食
・チキン南蛮定食
・生姜焼き定食
うん、一般的な定食メニューたち。
いやでもハンバーグ定食ってあんまりない様な・・・?
・カレーライス
・ハヤシライス
・オムライス(ソース選べます)
そしてライスメインのこのゾーン。
オムライスのソースというのは・・・きっとケチャップかデミグラスソースかという事なんだろう。
私だったらデミグラスソースを選んじゃうな。
そして、おや。
ここ丼ものが無い。
食堂は食堂でも、洋食屋風なのか?
となればやはりここで気になるのは。
そう、日替わり定食。
コイツなんだが・・・。
後編へ続く。