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しかしお通しが無い居酒屋か。 後編

後編書きあがりました。

感想いただきました、嬉しい・・・ウレシイ・・・!

「お待たせ致しました!ショウチュウ<ノボリウオ>のロック、コロッケ、オクトパスの唐揚げになります!」


先ずは酒+二品。

これを前哨戦にしよう。


・ショウチュウ<ノボリウオ>

ネーミングに惹かれて頼んだ一杯。私、最近居酒屋だとニホンシュかショウチュウばかりだな。


・コロッケ

シンプルなポテトのコロッケ。こう、特製だとか、何かにこだわって作りましたとか、そういうものは一切無し。でもそれが良い。


・オクトパスの唐揚げ

居酒屋で見かけるとつい頼んでしまう定番おつまみ。レモンはお好みでどうぞ。


しかしお通しが無い居酒屋か。

最近そういうの増えてるんだろうか?

ま、何はともあれいただきます。



という訳で早速このコロッケからだ。

シンプルなポテトコロッケ、こいつを先ずは…そのまま。


思い切りガブリと行こうじゃないか。


どれどれ・・・。


―――サクッとホクホク。うん、これが良いんだよ、これが。


この、本当にシンプルな感じのコロッケ。

ポテトだけで作られたコロッケが、今はなんだか身に沁みる美味しさ。

なんだかんだとこだわっていない、削ぎ落とされたコロッケに美味しさが宿っている。


そしてこの、喉が渇く感じ。

揚げ物特有のサクサク感、ポテトのホクホク感が私に囁いてくる。


俺をお供に酒を呑め、と。


そう言われちゃもう、仕方ない。

コロッケが酒を呑めと囁くんだから、もう飲むしか無いよね。


グラスを持って、くいっと一杯・・・。


―――おお、華やか、華やかですよ。コロッケで無骨だった口の中に、華やかさが演出された。


このノボリウオ、凄い。

ショウチュウ特有の濃い香り、それが膨らんで鼻にまで上って来た。


そしてその後グッと来る酒精、コイツが今酒を飲んでいると教えてくれる。

コロッケにショウチュウ・・・良いね。


決めた、このコロッケは全部そのまま食べてしまおう。

ソースや塩も合うだろうが・・・ここはそのままの方が酒に合う気がした。



となれば、もう一つの揚げ物。

オクトパスの唐揚げは如何な物だろうか。


きっとコイツも美味しいんだろう、それは分かってはいるが。

やはり実際に食べてみないとな。


・・・あ、そうだ。

今日は久々にレモンをかけて食ってみよう。

疲れた体に酸っぱい物は良いと聞くし。


ぶしゅっとレモンを潰しまして・・・では、いざ。


―――美味い!下味のついたオクトパスの唐揚げ、そこにレモンがさっぱりと!これはバクバク食べれちゃう美味しさだぞ。


コリコリしたオクトパスの食感がまた楽しく。

それでいて噛むほどに美味しい。


やはりこういう美味しさを体感すると、揚げ物にはレモン。

これが正義なんだと思ってしまうな。


そのまま流れる様にもう一口。


―――あー、やっぱり美味しい。さっき感じた美味しさは間違いなんかじゃなかった。


サクッと揚げられた中にコリコリのオクトパス。

下味は・・・海の味?

ほのかな塩加減が抜群だ。


それに足されたレモンの酸味。

こいつ、これを食べたら、やはり。


酒、飲むしか無いでしょう。


―――スルッと口に、その中でふわっと広がる華やかな香り。唐揚げの余韻を感じさせながらも洗い流して行く。


これは・・・イケナイ奴だ。

このコロッケと唐揚げ、こいつらを相手にこのショウチュウ。

間違いなく飲み過ぎちゃう奴だぞ。


そう思いつつも再びコロッケへ箸を伸ばす私。

仕方ないじゃないか、美味いんだもの。

私は悪くないんだ、うん。


こいつら食べながら、第二陣も考えておくか。

さ、メニューは・・・。



「お待たせ致しました!ショウチュウのお代わりとジャンボ餃子、特製マルゲリータです!お熱いのでお気をつけ下さい!」


お、第二陣のご到着だな。


・ジャンボ餃子

その名の通り、でかい餃子。それが三個。多分一個で普通の餃子の二個分はあるだろう。パンパンに膨れてて食べるのが楽しみだ。


・特製マルゲリータ

特製じゃないコロッケをたべた、ならばここいらで特製のピザも悪くないと思いチョイス。アツアツで美味しそうじゃないか。


良し、早速いただこうじゃないか。



最初は、そうだな。

餃子にしよう。

ピザは何となく後の方が良い気がする。


どれどれ、おお。

見た目通り、重いぞこの餃子。


箸でしっかり支えて、そのままガブリ。


―――うっほ、見た目だけじゃなく味もビッグな餃子じゃないか。ジューシーなこの餃子の種、これはコイツを食うためだけにこの店に来る価値がある。


美味しい、美味しいぞ餃子。

とんでもなく美味しい餃子だ。

強烈な味、確かな食べ応えにジューシー感。


普通の餃子じゃ味わえない、もはや達成感にも似た味わい。

身がパンパンに詰まってるこの餃子ならではだ。


そしてこの餃子の皮。

見た目に反して結構薄いのがまたポイントだろうか?

齧り付くと本当に餃子の味を味わってるというか、そんな気分になってくる。


見た目で充実、食べても充実。

何処をとっても隙の無い餃子だ。


ここいらでまた、ショウチュウをくいっと。


―――うーむ。餃子の力強さが、華やかな香りと酒精で浄化されていく。


酒にも合うし、何ならこの餃子、飯にも合うだろう。

ジャンボ餃子定食とかどうだろうか。


そんなのがあったら私食べに来るかもしれない。



と、餃子を1口・・・では食べきれないので2口、3口。

そして食い切った私。


次はこのまま餃子も良いが。

ここはやはり、ピザ。

これを食ってみないとな。


シンプルなマルゲリータピザ。

しかしこの店特製のピザ。

シンプルなコロッケから始まり、特製のピザに入る私。


カットされてるのも嬉しいな。

さ、早速・・・。


―――トマト、チーズ、そしてもちもちのこの生地よ。シンプルながら確かに特製、御見それしましたマルゲリータ。


ほのかに香るはバジルだろうか?

いや、美味い、美味いぞこのピザ。

これは確かに特製と言うだけある。


居酒屋のピザだから普通に美味しいで終わるかと思ったのに。

もっちもちの生地、とろけるチーズ。

そしてトマトソース、もしかしてここの店主、ピザ屋だったんじゃないのか?


惜しいのはこの大きさ、これだとすぐに食い切ってしまう・・・いや。

そうだ、そもそも私は酒を飲みに来たんだ。


酒を飲む客ならこのくらいの大きさで十分だろう。

いやでも・・・もっと食いたくなってくる。

食えば食うほど腹が減るぞ、このピザ。


1切れをあっという間に食い切って、2切れ目へ。


―――うーん、どうあがいても美味いなこのピザ。シンプルなのに飽きがこない。


これはお代わり決定だな。

ある程度酒を飲んで、〆にマルゲリータピザ。

これも悪くない。


そう思いつつパクパク食べ進める私。

ほら、あっという間に2切れ目もなくなった。

そしておもむろに酒を飲むわけですよ。


―――あー、チーズとトマトが酒精で洗い流されていく・・・。


華やかな香りとともにさっぱりするというか。

でも酒本来の奥深い味がどこか心地よい。


ピザにワインじゃなく、ピザにショウチュウ。

こんな食い合わせも良いじゃないか。


食の組み合わせは人の数だけ無限大。

その人が美味しけりゃそれでいいんだ。



しかし、こうなると他のメニューも気になってくるが・・・。

いや、ここはピザだな。

ピザ、あの大きさしかやっていないんだろうか。


「すいません。」


「はーい!どうされました?」


「ピザってあの大きさしかないんでしょうか?美味しかったので大きいサイズが食べたくて・・・。」


「ありますよ!ただ時間がかかるので・・・今から焼きますか?」


あるのか。

しまった、最初に聞いとけばよかったな。


いやでも最初はあんなに美味しいとは思ってなかったからな。


「お願いします。ちなみにマルゲリータ以外にあります?」


「あ、ごめんなさい。ピザの種類マルゲリータしかないんです。」


まぁ、全然問題なし。

美味しいマルゲリータを居酒屋で食える、それだけで十分幸せだ。


「でしたらそれで。」


「わかりました!」


良し、次のマルゲリータが来るまで。

思い切りショウチュウと肴を楽しむとしよう。




「ありがとうございました!」


うぅ・・・お腹いっぱいでしかも酔ってる。

食いすぎ飲みすぎだな、これは。

時間も気づけば夕方じゃないか。


でもピザが美味くて酒も美味い。

もちろん他の料理も美味しいんだ、こうなるのは仕方ないだろう。


とりあえず煙草で一服・・・ふぅ。

酔った体に煙が沁みる。

昼から飲めるって、個人営業の特権だよな。


さて、夜飯買って帰ろう。

なんかこう・・・あっさりしたものでいいや。


願わくば、次も美味い店に会えるように。

元気ちゃん(女性)・天真爛漫、明るくて優しい系美少女。良く告白される。学院の人気者。


クールちゃん(女性)・冷静沈着、大人しくて優しい系美少女。高嶺の花みたいな扱いをされててあまり告白されない。

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