さあ、先ずはこのメンチカツ。 前編 <総合7万PVありがとうございます>
評価&ブクマ増えてました!ありがとうございます!
そしてついに総合7万PV突破・・・感無量です。
皆様、本当にありがとうございます!
後編は0時に投稿予定、お楽しみに!
「どうもありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ。ありがとうございました。」
うん、良い感じ。
今日5件中4件目の営業先だがつつがなく営業終了。
それもこれもやはり、農家さんから仕入れたお茶と竹筆が効いている。
どこの雑貨屋行ってもお茶と竹筆である程度食いついてくれるからな。
しかも今日の営業、2件ほどが美術家。
おかげで竹筆のセットが良い感じに売れるんだ・・・。
それにお茶の試供品を渡して飲んでみれば、あら不思議。
いつの間にか商談がほわっとした、緩やかな空間に早変わりするじゃありませんか。
そしてそのお茶の苦みが良い感じにアクセントになる。
もう、美術家にはお茶も竹筆も絶好調。
本当に農家さんから仕入れたあの茶葉、全部仕入れて正解だったな。
竹筆もセットの販売なんだが、まとめて2、3セットくらい買ってくれる。
中には子供の遊び用に1本買ってくれる営業先もあった。
そういや雑貨屋の先輩にもお茶、凄く好評だったしな。
・・・ただ限度を超えて私から買い付けをしようとするのは止めて欲しかったが。
うるうるした上目遣い、先輩みたいな美人にされると中々効くんだ。
こう、もっと持ってるでしょ?と言わんばかりのあの感じ。
後輩という事もあって断りづらいんだ。
特に私の様な独身&フリーの魔術師にはああいう色仕掛けというか、美人や美少女特有の誘惑は凄く効く。
いやほんと、買ってくれるのは有難いんだが・・・。
ただ他のお客さんとの兼ね合いもあるんだ、勘弁してほしい。
それに私も今すぐ売りたいほどお金に困ってるわけでもないし。
そもそも魔術師の資格は取るのが難しい以上、どうしてもギルドとかだと高給どりだからな。
魔術師ギルドに入れば将来安泰は間違いなしだし。
そもそも魔術師ギルドが傾くなんてこと、ここ100年で1度もないんじゃないだろうか。
まぁ、その代わり激務だが。
人が少ない以上激務になるのも仕方ないね。
それにギルドという組織、どんな人が上司になるかもわからない。
偶にやっとの思いで魔術師の資格を取ったのに、上司との折り合いがつかないからギルドを止める。
そんな人もいると聞く。
そういう人は大体他の魔術師関係ないギルドへ行ったり、あるいは冒険者になったり。
でもそこでしっかり稼げてると聞くし・・・ま、良いのかな。
そんな中、私みたいなフリーの魔術師。
実はこういう個人営業の魔術師、この都市には中々いないらしい。
特に私の場合、もはや何でも屋に近いしな。
それ相応の知識が必要になってくる。
特に私の営業でも多い相談の冷暖房、しかしこれの修理の方法なんぞ魔術師の免許を取るときに教えてはもらえない。
だが、こういう事も出来ないとフリーでやっていくのは難しいんだ・・・。
ほんと、今思えば祭りの主催や和紙についてとか、良く私学んだなぁ。
でもそういう経験があるからこそ今に繋がってるとも言えるな。
恐らく私、この都市でフリーの魔術師をしているが。
他のフリーの魔術師よりかははるかに高給どりだと自負している。
いや、魔術師ギルドの部長クラスにはあるんじゃないか。
とは言いつつも全部今までの経験があってこそだし、ここまで安定したのも2、3年前くらいからだが。
あの時はどこ行っても門前払いだったし、今みたいに声がかかることもなかった。
と、そんなことを考えているうちに今日最後の営業先。
本日ラスト、気合を入れて頑張りますか!
―――――――――――――――――――――――――
「いやー、良いお茶をどうもありがとうございました。これ、明日から早速売れると思いますよ。」
「あはは、ありがとうございます。ただ次の仕入れがいつになるかは分からないので・・・。」
「ええ、勿論承知していますとも。その分プレミアで販売することにします。」
「おや、お上手で・・・。では、これで失礼します。」
「本日はありがとうございました。また何かありましたら寄ってくださいね。」
「はい、是非。では。」
良し、今日最後の営業もしっかり終了。
お茶もかなり大量に販売できた。
竹筆は少し残ったが・・・それでも利益率が高いからな、この筆。
今日販売した分でしっかり元が取れた。
うーむ、順調順調。
あとは帰って加工依頼をいくつかこなすだけだが・・・。
こんな日は、そうだな。
―――やはりここは、美味い飯を食って帰らないと。
無事営業が終了して、無事私の腹も減った。
ならばこの空腹、美味い飯で埋めずして何で埋めようか。
営業が上手くいったからにはやはり、美味い飯を食わないと。
それでこの後の加工依頼への活力。
引いては明日の営業や加工につながるんだ。
と思ってるうちに空腹で胃袋が騒ぎ出したし。
とっとと飲食街へ向かうとしよう。
という訳でやってきました飲食街。
さぁ、今日はここでどんな美味い飯を食べようか。
最近麺は行ったし、今回はパスだな。
それに焼肉とか海鮮系も・・・なんか違う。
もっと然るべきタイミングで食いたい所存。
となれば・・・やはり定食だろうか。
いや、上品にレストランのセットも良いかもしれない。
何はともあれ飲食街。
ここで立ち止まってちゃ何も決まる事は無い。
とりあえず移動して、良さそうな店を探すとしよう。
レストラン。
・・・無念。
今日は臨時休業らしい。
あー、店先のこの食品サンプルが私の空腹を煽ってくる。
くぅー、残酷。
居酒屋。
酒を飲む気になれないが、ランチや定食とかあるんだろうか。
それがあれば入店しようと思ったが、残念。
ここ通し営業だ。
パス。
カフェ。
軽食って気分でもないんだよなぁ。
こう、カフェでがっつり飯食うのは何か違う気がする。
とか言いつつ、過去にがっつり飯食ってる魔術師がここにいます。
まぁ、今日は気分じゃないからパスだ。
と、こうなれば。
私が行く先は1つ。
食堂、そこで定食を掻き込もうじゃないか。
どこかに良さそうな店は・・・あった。
「丼・定食 食堂グレイル」、丼に更に定食の文字。
これはもう、外れないでしょう。
今求めてる定食の文字が店の名前に出てるんだ。
今日はここ、ここに決定!
「いらっしゃいませ!御一人様ですか?」
「ええ。」
「かしこまりました!こちらへどうぞ!」
お、美少女と美人の間くらいの給仕さん。
こう、雑貨屋の先輩がもっと若くて髪が短かったらこんな感じなんだろうな。
・・・いや、他人と比べるのは失礼だな。
魔術師、反省。
とりあえず案内された席へ着席、と。
ふぅ、とりあえず座れて一安心だ。
「こちらメニューとお冷になります!」
そう言いつつ営業スマイル完璧な給仕さん。
どうしてこうも美人や美少女には笑顔が似合うんだろう。
特にそれが営業スマイルとわかっていても、男はときめいてしまうんだ。
最も、私が真にときめくのは料理の味だが。
美味い飯を求めて私はこの店に入ったんだ。
中にはこの看板娘にハートをキャッチされて入店する人もいるかもしれないが・・・私はそうは行かんぞ。
さ、早速メニューを見てみよう。
・カツ丼
・親子丼
・他人丼
・卵丼
おお、丼、丼、丼。
丼もののオンパレード。
しかし今日はこう、何となく定食を食いたい気分なんだ。
丼のメニュー、スルー!
・ロースかつ定食
・ミックスグリル定食
・ジャンボ定食
なに、ジャンボ、ジャンボとな。
これ、凄く気になる。
・肉野菜炒め定食
・唐揚げ定食
・メンチカツ定食
・・・メンチカツ、定食。
あー、これ、ビビッと来たぞ。
メンチカツ定食、こいつにしようかな。
いやでも、ジャンボ定食ってのも気になるんだよな。
ジャンボか、メンチか、ジャンボ・・・メンチ・・・。
いかん、いかんぞ。
仕事は順調なのに、まさか飯で悩むなんて。
ここはスパッと・・・こっちだ!
後編へ続く。