というか・・・このピザ、とんでもなくでかい。 前編
今後編作ってます。
今日は晴れ、ところどころ曇り。
快晴とは言い難いが・・・それでも良い天気だろう。
ぽかぽかした陽気が過ごしやすい。
こういう日はピクニックとかしたい気分。
とりあえず起きて・・・ふぅ。
今日はいつもより少し早起きしたんだ。
それはこれ・・・葉巻。
ついつい買ってしまったコイツを朝から堪能しようと思ってな。
煙草屋でセット販売してたし、値段もお手頃なやつ。
目覚めの一服をこう、葉巻だと重厚な感じで体験できる。
普段は普通の煙草で、こう気合を入れるときは葉巻で特殊感を。
さ、早くシャワーを浴びて、コーヒー用意して。
葉巻片手に優雅な朝を楽しもう。
「ありがとうございました。」
「いえ、こちらこそ。では失礼します。」
良し良し。
今日も営業は順調、良い感じに進んでる。
進んでる、んだが・・・この後がなぁ。
今日最後の営業先、何と猫カフェならぬフェアリー喫茶。
フェアリーたちに癒されながらコーヒーやお酒を飲もうというコンセプト。
ちなみにフェアリーたちは店主が契約してる。
普段普通に楽しむようなときは別に良いんだが。
こう、商談のときになると・・・騒々しい。
しかもいたずらが好きだから髪の毛引っ張ってきたり、服の中に潜り込んできたり。
商談中に顔面に引っ付かれると払うのも大変なんだ。
という訳で、次の営業先へ行く前に。
お菓子屋へ行こう。
安い・・・といってもまぁ、そこそこ位のお菓子。
それを大量に買ってこないと。
これをばらまくことにより商談を速やかに済ませる作戦。
それにまぁ、フェアリー喫茶はその特性上、魔術を使ったインテリアとかが多いしな。
素材も木だし、何なら店の中にツタが張ってるし。
なので結構良い金になる。
その分を考えればお菓子くらいは安い物。
さ、とっととお菓子屋へ向かうとしよう。
その後フェアリー喫茶でフィニッシュ。
家に帰ったら加工依頼だ。
―――――――――――――――――――――――――
「あ、まじゅつしだー!」
「まじゅつしきたー!」
「おかし、おかしもってる!」
「「「うばえー!」」」
うわ、うるさい・・・。
そしてああ、こっちへ群がるんじゃない、フェアリーたち。
「こらこら、まずは店のマスターに渡すのが先でしょう?」
「おかしー!」
「おかし・・・。」
「おかしちょうだい!!」
あーだめだ、話が通じん。
・・・あ、こら、頭の上に乗って・・・イテテテ、髪を引っ張るんじゃない。
あー、早くマスターさん来てくれ・・・。
「すいませんねぇ、魔術師さんが来るとあの子たちも嬉しいらしくて。」
「いえいえ、あはは・・・。」
私というよりお菓子持ってくるから嬉しいんじゃないのか、フェアリーたち。
そんなフェアリーたちを束ねる・・・束ねる?
私よじ登られたりしてるから束ねてはないか。
なんか今もフェアリー達が私の頭に羽を使わずに登り切れるかゲームされてるし。
ああ、フェアリーが肩まで来てしまった・・・。
まあとりあえずフェアリー達のボスともいえるここの店主、美人なエルフさん。
フェアリー喫茶に来る人の中には若い男性も多いらしいが。
確実に店主さんに会いに来てるんだろうな。
いてて、耳を引っ張るな・・・。
何でも森に棲んでた頃からフェアリーと凄く仲が良く。
今では自由自在にフェアリーを操るなんて言われているが。
この店の様子見てると、なんというか。
フェアリー、凄く自由だしなぁ。
ま、いいか。
「何はともあれ、お菓子気に入ってくれたようで良かったですよ。」
「ああ、毎回すいませんね、魔術師さん。あの子たちも凄く喜んでます。魔術師さんが来ないと次いつ来るのってごねだすんですよ。」
「あはは・・・気に入ってくれてるようで、なによりです。」
「おかしありがとー!」
「おいしかった!」
「ありがと、まじゅつし!」
こらこら、分かったから耳元で叫ぶんじゃない。
うるさいでしょうが。
そしてああ、皆頭の上に乗り出すんじゃない。
私の頭は100人乗れる物置じゃないんだぞ。
まだ商談にすら入ってないとか、ああ。
やはりフェアリー喫茶は大変だ・・・。
―――――――――――――――――――――――――
「では、ありがとうございました。」
「ええ、ありがとうね、魔術師さん。」
「もういくのー?」
「もっとゆっくりしようよー。」
「ねー、もっとあそびたいー!」
「ごめんね、お嬢さんたち。また今度来るからね。」
「「「うー・・・。」」」
こらこら、そんな揃ったようにウルウルするんじゃない。
帰りづらいでしょうが。
「こら、余り困らせてはいけませんよ。」
「「「はーい・・・。」」」
「ふふ、魔術師さん。今度はぜひお客さんとして来てくださいね。」
「あはは、まぁ時間がありましたら・・・では、失礼しますね。」
「ええ、花瓶とミニチュアハウスの件よろしくお願いします。」
「「「またねー!」」」
「ええ、また。」
さて、これで今日の営業は終了だ。
しかしミニチュアハウスか・・・。
フェアリーたちの休憩所に使うといっていたが。
そうだな、遊具なんかも付けておこうか。
その方があのフェアリーたちも喜ぶかもしれん。
見た目はお城っぽくしておこう。
そうとなれば、うん。
今のうちに材料を買いに行ってしまおう。
少し足らない材料があるからな。
そうだな、じゃ、その前に。
―――腹が減ったし、飯を食いに行こう。
今日最後の営業、フェアリーたちに囲まれて疲れたんだ。
この疲れを引きずったまま加工依頼・・・そんな気分にはなれない。
一旦うまい飯を食って体力を回復せねば。
という訳でレッツ飲食街だ。
到着、飲食街。
ポカポカ陽気で歩いてる間に少し暑くなってきた。
さて、何を食うか何だが。
結局何も決まりませんでした・・・。
ま、いつもの事なんですが。
しかし、本当に何を食おうか。
今日の気分は・・・うーん。
がっつりでも何でもいい気分だ。
とりあえず美味ければそれで。
うん、ここで悩んでても仕方ない。
とりあえず店を探すとしよう。
食堂。
あー、無難な選択。
でも今日はもう少し特徴が欲しい。
パスだ。
居酒屋。
居酒屋か。
酒飲んでも良いが、この後加工の依頼が待ってる。
うん、今回はパスだな。
焼肉。
昼間っから焼肉か・・・気合も入りそうだ。
だが酒飲んじゃいそうな気がするんだよな。
・・・自粛しよう。
焼肉はまた今度でもいい。
となると・・・おや。
良さそうな店があるじゃないか。
「レストラン オードル」か。
コース料理じゃないようだし・・・ここにしようかな。
席も空いてるようだ、ここで決定「まじゅつしー。」・・・え?
「ここひとおおいね!」
え、この子さっきのフェアリー喫茶の子だよな。
どうしてここに。
「えーと・・・お嬢さん、どうしてここに?」
「あのね。おようふくのなかにもぐってね。ついてきたの!」
おーう、これは・・・。
「ねーねーまじゅつしー。ここはいるの?」
「え、ええまぁ。ここでお昼ごはんをするんですよ。でもその前に一回フェアリー喫茶へ・・・」
「じゃあはいろー!」
ああ、こら!
魔法で扉を開けて入ってくんじゃない!
「こらこら、待ちなさい!」
君に何かあったら、私がフェアリー喫茶の店長に顔向けできないんだから!