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居酒屋での昼定食

ザ・少な目。

さて、魔道学院の立ち合いも終わってフリーな今日。

今日は依頼も何もないし休みにしようと思っている。


思えば最近は休みなし、働きづめだった。

たまには街をぶらぶらする、あるいは調合に使う薬草を取りに行ってもいい。


ゆっくりゆったり、そんな日も人生には必要だろう。


とりあえず・・・外に出ようか。



さて、外に出たはいいものの・・・結局何をするか決まっていないな。

・・・中心街へでも行くとするかね。


――――――――――――――――――――――――――――――


「可愛いなぁ・・・よしよし。」


ニャーン。ニャーオ。ゴロゴロ。


「おっと、ダメだよ。それはコーヒーだ。君たちは飲めないよ。」


ニャーン。


「おーよしよし・・・。」


あー可愛い。

あの後、中心街へ移動した私だがそこで気になる建物を見つけた。


その名も猫カフェ、なるものだ。


カフェ自体は知っている。

わたしもコーヒーはよく飲むからな。

しかしそこに猫、なぜ猫?と思い入ってみたところ・・・。


ここは天国だということを学んだ。


ニャーン。


「おーよしよし・・・!ああ、かわいい・・・。」


まさか猫がこんなにも癒されるものだとは。

しかも餌やりもできる。


この餌を欲しそうにする雰囲気、甘えてくる感じ。

これがまたいい。


あー、素晴らしい。


――――――――――――――――――――――――――――――


いやー癒された。

何だろう、今日は素晴らしい休みの使い方をできたのではないだろうか。

まさか猫があそこまで癒しの波動を放てるとは・・・。


これは私も猫カフェに関する何かを開発するべきだろうか。

猫じゃらしとか・・・もしくはブラシとか・・・。


いや、こうなれば私が猫カフェを・・・!?(錯乱)


・・・いかんいかん、冷静になろう。

私が猫カフェ何て経営しても無理に決まっているだろう。



・・・とかくだらないことを考えていたら。


何だろう、お腹が、減ってきた。


そうだ、そういえば朝から何も食べていないじゃないか。


ちょうどいい、お昼にしようか。

さて、今日は何を食べようか。




という訳で、飲食街。

毎度毎度お世話になります。


さてさて店探しだが・・・


カレー。

うーん、すこし違う。


中華。

ちょっと気分じゃない。


ステーキ。

そんな豪快な気分でもない。


何にしようか。

ここはひとつ・・・良し、定食にでもしよう。


そうと決まれば店探し。

食堂とかあればいいな。


さ、探索しよう。




「いらっしゃいませ!こちらへどうぞー!」


結局、良さそうな食堂を探しに探してみたが見つからず。

いや、あったにはあったが人が多かったり並んでいたりなどが多く入れなかった。


別に並ぶのは良い。

しかし後ろに人がいる、私が食べ終わるのを待っている、そういうのは好きじゃない。

こっちは静かにゆっくり食べたいんだ、勘弁してくれ、的な感じだ。


とまぁ、そんな感じだったんだが空腹も限界、こりゃ近くの店に入るかと決めた際にこの店があった。


「酒処 猫路地」


不思議なネーミング、そして居酒屋だったが今日癒しを与えてくれた猫、その名前が入っている。

しかも昼はランチメニューがある、これは入るしかない。


さてさて、何のメニューにするか。


お、魚。

なんだか良いじゃないか。

猫カフェ、猫路地、そこに転がってきた魚。

これは決まりだな。




「お待たせしました!こちら昼定食の☆セットです!ごゆっくりどうぞ!」


おお、これはこれは・・・。


・赤魚の煮つけ

ぶつ切りにされた赤魚が皿の上に1尾丸ごと乗っている。身が良い感じに色づいていて、何だろう、艶やかじゃないか。


・赤魚の燻製

小鉢ながらその香り、強烈に胃を誘ってくる。渋いその色、またたまらない。食卓のいぶし銀。


・小鉢のサラダ

細切りにされた野菜、そしてスライストマト。野菜は大事。


・味噌汁

前に食べたあら汁の違うバージョンか。海藻が入った茶色、これはこれで美味そうだ。


・ライス

定食ならこいつがないと。パンも好きだが私はライス派だ。



豪快な煮つけに目を引かれる定食。

ではでは早速、いただきます。


まずはメインディッシュ、赤魚の煮つけだろう。

大衆魚の赤魚、豪快な見た目、大きさ、素晴らしい。


箸を入れると・・・おお、ほぐれる。

ほぐれるのに、不思議な弾力がある。

では、いただきます。


―――うわぁ・・・美味い。


確かに赤魚なのに、私が今まで食べてきた赤魚と全然違う。

ふわふわなのに確かな味付け、ほんとにすごい。


豪快な煮つけを箸でほぐし、食べる。

まるで大海原をつついているようなそんな気分。

それほどまでに初めて食べる、そんな赤魚だ。


うーむ、美味い煮つけとライス、組み合わせ最強。


ここで味噌汁をいったん口へ、お口直しだ。


ずずっと・・・あー。


・・・優しい、お口直しのために生まれてきたような、そんな味噌汁。


中の海藻が、良い触感。

私の口をリフレッシュ、でも胃を刺激して空腹を誘ってくる。


いかん、全部飲んでしまいそうだ。


ここは・・・燻製、君に決めた。


刺身の様に1切れずつ取りやすい、これうれしい。

そして箸で口に近づける、その時の香り、また、プライスレス。


―――香り、脳天直撃。味、胃袋にストレート。


小さいのに強烈な味、その香り、ズドンとくる。

その見た目で侮ると強烈なボディーブローをくらう。


すかさずライスで防御。

煮つけとライスが最強の組み合わせなら、燻製とライスは良きライバルだ。


いかん、ライスが無くなってきた。

お代わりをしなければ。


「すいません、ライスのお代わりをお願いします。」


よし、これで大丈夫。

その間に箸休めと行こうじゃないか。


箸休め、それはサラダ。

定食の場合殆どサラダか小鉢が箸休めではなかろうか。


しかし、この定食の小鉢は強烈なストレートを放ってくる。

つまり小鉢のサラダ、君が箸休めなのだ。


・・・うん、うん、定食のミスター箸休め、その存在感ばっちり。


シャキシャキとした触感が、私の胃袋と食欲を回復してくれている、そんな感じ。

この定食の箸休め、重要な存在。

そして簡単に食べきれるちょうどいいサイズ。

あっという間になくなった。


さ、ライスのお代わりが来た。


ここからは魚と私の1対1、熱いライスをお供に魚の海へ飛び込もう。


頭までついて食べ応え抜群、豪快な煮つけ。

その存在、もはや今の私には美味しい宝石にしか見えない。


対するは小鉢の燻製。

小さいながらも強烈、私を刺激してくるその存在、同じ魚なのに煮つけとは全く違う、鋭い美味さ。


煮つけライス、煮つけライス、燻製ライス、煮つけライス。


そしてたまに挟む、味噌汁。

この口安めがまた私に食事をしている、美味いものを食べているという実感を与えてくれる。


猫に癒されて、猫の路地で出会った、魚。

今の私ももはや猫。

こんなにうまい魚に齧り付いているんだ、私ももはや猫なんだ。




「ありがとうございましたー。」


ああ、美味かった。

あの煮つけの豪快さ、ほんとに素晴らしい。

夜はあの魚をつまみに酒を飲めるのだろうか、そう考えるとまた行きたくなる。


居酒屋のランチ、案外素晴らしいものじゃないか。

これは良い発見をした。


もし私があの店へ酒を飲みに行ったら・・・エールは燻製、ウィスキーは煮つけだろうか。

いや、ほかの定食を食べてみてから考えてもいいかもしれない。


1度の発見で昼、夜両方楽しめそうな店、好き。


さて、今日はもう家へ帰ろうか。

一度猫たちが喜びそうなおもちゃを魔道具でつくってみてもいいかもしれん。


願わくば、次も美味い店に会えるように。

主人公(男)・魔術師。猫大好きになった。猫にかまうその姿、外から見ると気持ち悪い。


猫・猫です。よろしくお願いします。

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