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じゃ、早速豚汁をいただこうか。 前編

今回試験的に2つに分けてみました。

こっちの方が読みやすい・・・?


後編はいつも通り0時に更新予定です。


あと活動報告にも書きましたが、手羽先の回内容を修正しました。

あー、今日は雨か。

ベッドの横、窓から雨音がしとしと聞こえる。

ま、土砂降りじゃ無いだけマシだな。


ただ・・・少しジメジメした暑さ。

こういった日は雨具を着るのが嫌になる。

でも魔術師だしな・・・傘さすのも何か違うし。


魔術師の資格取った際には延々とローブについて語られたからなぁ。

・・・あの爺さん、まだ元気なんだろうか。

今でも魔術師資格の担当してるのかな?


爺さんには色々と世話になった。

そうだな、今度酒でも持って様子見に行こう。


今は取り敢えず目先の事、今日の営業を頑張らないと。

雨の日にしちゃ幸いな事に、午前中だけだからな。

しっかり頑張って手土産の酒代を稼がなきゃ。


良し、シャワー浴びて来るか。

寝汗を流して、水分補給と眠気覚ましにコーヒーと洒落込もうぞ。




「今日は本当にありがとうございました。」


「いえいえ、此方こそ。しっかり準備させて頂きますので。」


「はは、頼もしいですな。」


所かわり、現在今日最後の営業先。

私が来たのは煙草屋だ。

この街でも1、2位を争う程の品揃え、そして店主の煙草に対する知識が人気の店。


夜はシガーバーならぬシガーカフェも営業していて、コーヒーも凄く美味しい。

店の常連には魔道学院のお偉いさんも居るとか居ないとか。


此処の店主とは長い付き合いなんだよな。

そもそも私が最初に煙草を買ったのもこの店だ。


思えば私、結構長く煙草吸ってるなぁ。

最初は確か学院で舐められない様にする為だっけ。

その後先輩達と煙草を吸うと色んな情報が貰えるから吸い続けて、いつの間にか煙草が趣味になって。


社会に出てからも付き合いで吸って、今に至る。


まぁ、昔の煙草は体に凄く悪かったらしいが。

確かテンセイシャ達の1人がヘビースモーカーで、体に害がない煙草を開発したとの事。

ただいくら害がないといっても、煙やにおいが嫌いな人はいるのでそこは気を付けているが。


あれ・・・そうすると私本物の煙草吸った事がない?

・・・別に良いか、今の煙草で満足してるし。


「あ、そう言えば魔術師さん。葉巻は吸ったことありますか?」


「葉巻ですか?いえ、無いですね。」


「そうなんですか。いや、実は最近良い葉巻が入りましてね。どうです?一本。」


「へぇ・・・じゃあ、貰いましょうかね。いくらです?」


「ああいや、お代は結構ですよ。いつもお世話になってますし。」


「え、そんな、悪いですよ。」


「いえいえ、今回の依頼の駄賃みたいなものですから。・・・っと、あった。これです。どうぞ。」


おお、凄く太い。

これは中々吸い応えがありそうじゃないか。


葉巻、何度か見かけたことはあるが吸うことは無かった。

何というか・・・お金持ちが吸いそうな物?

そんなイメージさえある。


「そうですか・・・では遠慮なく。あ、吸い方はどうすれば?」


「ええ、先ずは吸口のカットからですが・・・。」




「・・・ふぅー。良いですね、葉巻。凄く上品な気分というか。」


「あはは。まぁ味が普通の煙草よりも強いですからね。その分一本の値段も高いですが。」


「あ、やっぱり高いんですね。ちなみにこの葉巻、一本お幾らくらいで・・・?」


「ええ、大体・・・。」


え、嘘。

それ本当?


この葉巻一本で、私がいつも吸ってる煙草150本ほどになるんだが・・・。


「そ、そうなんですね、はは。・・・やっぱりお代お支払いします。」


まさかの出費、しかし。

これだけ美味いんだ、一介の喫煙者として味わった以上お金は支払わねばなるまい。


「いえいえ、大丈夫ですよ。これも偶々入っただけで、私しか吸いませんからね。」


「そ、そうですか?ではご厚意に甘えて・・・。」


成程、葉巻。

金持ちが吸ってるイメージがあったが、それは間違いじゃなかったな。

私は今の煙草が好きだし、これで満足しておこう。


―――――――――――――――――――――――――


「では、失礼します。・・・葉巻、本当にありがとうございました。」


「いえいえ。ではよろしくお願いしますね。」


ふぅ、今日の営業終了だ。

しかし葉巻、凄かったなぁ。


こう、ダイレクトに来る香りというか、華やかさ。

それが煙草と段違いだった。


・・・きっと高いからというのもあるんだろう。

あの後聞いたが葉巻の値段もピンキリ。

今回私が吸ったやつは中でもかなり高い奴。


あ、いかん。

美味かったとか、そんなことを想像してたら。


―――無性に、腹が減ってきた。


・・・そうだな。

いつもは美味い飯を食ったら煙草を吸ってたんだ。

煙草を吸ったら腹が減る、そんな日もあるだろう。


よし、そうと決まれば飲食街だ。

幸い葉巻で懐も痛まなかったし、その分思い切り食うとしようか。




さて、やってきました飲食街。

今日は何を食べるとしようか。


といつも自問自答しているが、答えが出たことは殆どない。

これでも営業では色々な提案とかしてるんだが、なぜか飯になると出ないんだよなぁ・・・。


しかしまだしとしとと雨が降り続いてるし、ここは早めに決めたい所。

雨具を着ているといっても雨に打たれ続けるのは嫌だからな。


どれ、とりあえずいつも通り歩いて店を決めるとしよう。



レストラン。

コース料理のみか。

うーん・・・違う。

がっつり思い切り食べたいが、高い料理を食べたい訳でもないんだ。


今回はパスだな。


焼肉。

あー、雨の日の焼肉。

うん、風情があって良いかも。

でも・・・暖簾が出てないな。


準備中か、仕方なし・・・。


居酒屋。

酒、酒かぁ。

そういや前に購入したニホンシュ、美味しかったなぁ。

あれ確かあの後飲んでなかったな。


うん、帰ったら酒あるし、今日は居酒屋はパス。

飯食ったら家で晩酌するか。


・・・って、今は夜の晩酌の話はどうでもいいんだ。

今はこの後食べる飯の事を考えないと。


だが、どうするか。

飯・・・飯・・・飯。

そうなるとやっぱり。


ほら、あった。


「食事処 アンザ」。

佇まいと言い、そこから漏れてくる香り、喧騒と言い。

すぐに食堂と分かる。


それにこの良い賑わいの喧噪。

間違いなく名店の証だ。

客が笑顔で飯を食える店、ならばどこに外れの要素があるだろうか。


さ、いざ入店。




「いらっしゃいませ!」


ニッコリ笑顔、元気な挨拶のお嬢さん。

うん、この挨拶。

思わずこっちも笑顔になりそうだ。


おっと、働いてるんだから給仕として扱わないと。


「1人なんですけど、大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です!えっと・・・えっと。あ、あちらのお席にどうぞ!」


おお、良くできました。

花丸・・・と行きたいところだが。

案内されたの、6人掛けのテーブルだぞ。


カウンターも空いてるし。


大丈夫かこれ。


「あ、1人なんでカウンターでも大丈夫ですよ?」


「え、あ・・・す、すいません!じゃあカウンターで・・・。お、お好きなお席にどうぞ!」


「あはは、謝らなくても大丈夫ですよ。では失礼しますね。」


あうぅ・・・と言いつつ厨房の方へ行く給仕ちゃん。

何だろう、あの様子見てると、こう。


魔道学院のあの女性教師を思い出す。


おかしいな、実年齢かなり離れてるはずなのに。

どう見ても同年代にしか見えない。


もしやあの教師も飛び級で卒業して教師に・・・?

な訳ないか。


「お冷です!あ、あとメニューになります、どうぞ!」


「ありがとうございます。」


さっきとは一転、無事メニューとお冷を出せたからかえへっと笑顔の給仕ちゃん。

うん、この子間違いなくこの店の看板娘だな。


あの子の雰囲気に充てられて他の客もわいわいと良い感じに盛り上がっているんだろうか?

それとも料理が美味いからか。

ま、どっちもなんだろうな、この場合。


良し、笑顔で少し癒されたところで食べるメニューも決めちゃいますか。

笑顔で心は癒されても腹は膨れないからな。


さーて、どんなメニューがあるのかなっと。


・メンチカツ定食


・炒飯


・カレーライス


お、いきなり食堂定番メニュー。

定食、炒飯、カレーのお出迎えだ。


しかし、その下が。


・焼き魚定食


・ビーフシチュー


・ハヤシライス


・焼肉定食


・ショートケーキ


何だこれ。

メニューの羅列がばらばらだ。


いや、よく見たらこれ字が幼いな。

まさか給仕ちゃんの手作り?


メニューの外側はしっかりしてたし、親御さん公認なんだろうか。

まぁ、メニューとしては機能してるしいいか。

偶にはこういうランダム性のあるものもいいだろう。


・・・お。


・豚汁定食

※おすすめです!ライスおかわりできます!


へぇ、豚汁の定食。

それがお勧めとな?


焼肉定食でも、メンチカツ定食でもなく、豚汁定食。

それがお勧めとは・・・。


良いだろう、ここはこの給仕ちゃんの「おすすめ」を信じて。

豚汁定食行ってみようじゃないか。

しかもライスお代わり無料。


うん、これだ。

今日は豚汁定食、これに決定。


「すいません、注文をお願いできますか?」


「はい!お任せください!」


お任せください・・・まぁ、可愛いからいいか。

後編へ続く。

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