今日は肩ロースステーキ、ガーリックライスで決まり!
感想、評価、ありがとうございます!
凄く嬉しいです・・・ありがとう・・・。
そして遅れてすいませんでした。
ア・ツーイ。
・・・どこかの人名みたいだな、これ。
間違いなくその名前の人、情熱的な人だろう。
しかし今日も快晴だな。
でも気温は昨日よりちょっと低いから、まだマシか。
というのも祭り2日目、何と学習しない私。
昨日と同じフル装備で見回り中。
いや、違うんだよ。
本当は今日、薄着でいる予定だったんだ。
ただ、こう・・・あの。
家を出る瞬間に少し不安になったというか。
昨日は大丈夫だったけど、今日もそうとは限らないというか。
ほら、最終日だからこそ気合を入れないといけないじゃん?
それで、まぁ、昨日と同じ装備なわけだ。
さて、巡回の続きと行きますか。
・・・どこも平和で、私がいる意味ないと思うが。
いや、私がいることが犯罪への抑止力になるんだ。
頑張れ、私・・・!
―――――――――――――――――――――――――
「ははっ、お前、その恰好はねぇだろ・・・!」
「うるさいな、何かあってからじゃ遅いだろう。」
「いやでもよ、やばい、お前が不審者みたいだ、ははは・・・!」
折角だから顔なじみのインテリアの店。
そこを覗いてみたんだが。
店員におびえられて、その後やってきた顔なじみが爆笑。
これはあれか。
私にこの店を燃やせという事か?
そうか、私が犯罪者を見つけるんじゃない。
私自身が犯罪者になることが大切だったんだ・・・!
というおふざけは置いといて。
「いやでも、気合入ってんな、お前。」
「そっちもな。中々良いインテリアばかりじゃないか。売れ行きも良いんじゃないか?」
「ま、ぼちぼちだな。」
「お前がぼちぼちって言うんなら、かなり儲かってるってことだな。」
「おいおい。」
コイツの事だ、きっと売れてる。
しかし本当に良いインテリアばかりじゃないか。
お、この花瓶とか特に良い。
「この花瓶、新作か?」
「ああ、うちの工房に最近入ったやつが作ったんだが、それがまた中々良い作品作るんだわ。昨日と今日の売れ筋も良いし、もしかしたら今後目玉になるかもな。」
「へぇ・・・じゃあ1つ貰おう。」
「毎度あり。なんだ、家で花でも飾るのか?」
「そんな訳ないだろう。少し加工をしてみようと思ってな。上手くいけば一品物で他のお客に勧めてみる。」
「そりゃいいな。上手く加工してくれりゃこの花瓶も良く売れる。・・・ちょっとまけといてやるよ。」
「お、そうか。悪いな。」
「良いんだよ、一応お前もお得意様だからな。」
こいつ、こっちが素直にお礼を言えば皮肉で返しやがって。
・・・ちょうどいい。
今度の大きい仕事、こいつも巻き込む代わりにもっと値段を下げてもらうか。
「じゃあ半額まけといてくれ。お得意様だからな。」
「そりゃ勘弁してくれ、商売あがったりだ。」
「いや、実は今度大きい仕事があってな。半額にしてくれたらその内容を話す様な気がする・・・。」
「・・・。」
「あー、結構大きい仕事なんだけどなー。知名度も上がりそうな気がするんだけどなー。」
「・・・ちっ、分かったよ。半額にしてやる。」
「んじゃ、とりあえずここで話すか。お茶くれ、お茶。」
「こいついきなり図に乗りやがった・・・!」
「あ、なるべく高い奴で頼むよ。」
さて、ゆっくり話をするとしようか。
あ、ローブ脱ぐと涼しい・・・。
―――――――――――――――――――――――――
「・・・ではこれにて栄えある第一回、魔道学院中心街祭りを閉会といたします!」
おお、凄い拍手の量。
というか凄い人だらけだ。
わざわざ閉会式にこんなに人集まらなくても良いと思うんだが。
というかこの祭り、いまこうやって聞くと名前の祭りがそのまま過ぎるな。
いや、他に付ける名前もないからそれでいいんだが。
さて、閉会の挨拶が終わった中。
私と言えばこの祭りのスタッフや警備が集まるテント、その下にいる。
今日の祭りはあの後インテリア工房で時間をつぶして終わった。
しかし、本当に大きなトラブルや問題が無くて良かった。
一応トラブル等は起きたらしいが、その内容も迷子や道が分からない、酔っ払いが倒れた等。
犯罪に当たる行為は何も起こらなかったとの事だ。
この後は撤収作業をして、そのまま解散だったな。
まぁ私の場合、撤収作業でもやることないんだが。
無事に終わって安心感。
気づけば、なんだか。
―――無性に、腹が減ってきた。
そうだ、今回の反省点やまとめの会議はまた今度なんだし。
これで閉会の挨拶も終わったし。
だったら、飯食いに行こう。
祭りも無事に終わったし、昨日は酒飲んでないし。
だったら今日はぱーっと行こうよ。
うん、そうだ、それが良い。
良し、早めに挨拶回りしてとっとと飯食いに行こう。
到着、飲食街!
良かった、挨拶回りも何の問題もなく終わった。
しかしその途中にかなり腹が減った。
今日は豪勢に・・・あ、そういえば。
前の祭り、その最終準備。
ステーキ食ったんだよな、私。
・・・良いじゃないか、ステーキ。
この前ステーキ丼食った様な気がするが。
ああ、もう、決まりだ。
ステーキを思い出したら、唐突に腹がステーキを求めだした。
早速ステーキ屋を探して歩くか。
居酒屋。
酒は飲みたいが・・・パス。
今は肉を食いたい気分。
食堂。
お、こんなところに食堂。
でも食堂でステーキは出してないだろうし・・・パス。
レストラン。
あ、ステーキありそうだし、ここ良さそう、だが。
え、この時間で満席?
そんな、殺生な。
待つ間にも腹が減りそうだし、ここは別の店しかないか・・・あ。
「ステーキハウス リブ&サーロイン」。
レストランの近くにこんな店があるなんて。
しかもリブ&サーロインだぞ。
ステーキ肉の王道と王道じゃないか。
これは、決まりだ。
もうこの店しかない。
肉の引力に惹かれて、いざ入店!
「いらっしゃいませ!」
お、結構遅い時間だが。
サラッとしたロングヘアー、緑髪オッドアイの美少女、君帰るとき大丈夫?
この時間だよ?
・・・と、そんなこと私が気にすることじゃないか。
しかも良く見ると耳が長い。
エルフか、もしくはハーフエルフか。
見た目同様の年じゃないな、この子は。
ま、ここはとりあえず。
「1人なんですが。」
「かしこまりました!只今お席へご案内しますね!」
何も気にせず1人だという事を伝えよう。
エルフないしハーフエルフの子なら大体が強いし、私が心配することもない。
さて、案内されたのは・・・おいおい、6人掛けのテーブルか。
「こちらのお席へどうぞ!」
いいのか、こんなに大きい席使っちゃって。
・・・いや、案内されたんだし良いんだろう。
それに私以外の客、他の席に2組くらいしかいないし。
豪勢に行くんだ、なら席も豪勢に行かないと。
ここでひるんでじゃ男が廃る。
そんな訳で、ありがたく6人席へ。
「こちら、メニューになります!お冷今お持ちしますね!」
ニコッと笑顔。
まるで天使の笑顔だ。
この笑顔なら仕方ない。
私も思い切りステーキを食わないと。
さて、注文するべきステーキは・・・。
・サーロインステーキ
・リブロースステーキ
お、ステーキの王道。
この店の名前にもなってたな。
ただ・・・前ステーキ食ったときはリブロースだったっけ。
となれば今回はほかの部位を食べたい気分。
うん、こいつらはパス。
・・・決して値段におびえたわけじゃないぞ。
他の部位はっと。
・肩ロースステーキ
・ヒレステーキ
・ランプステーキ
お、前に食べてない部位のステーキじゃないか。
いいね、ステーキはこの中から選ぼう。
量は・・・うん、300gだ。
祭りも終わったんだ、思い切りステーキ食わないと。
あとは、あったあった、ありました。
・ガーリックライス
コイツは前食ったけど、美味しかったんだよな。
あれ、前のはガーリックバターライスだったか。
まぁ、美味しそうだし問題ない。
今日は肩ロースステーキ、ガーリックライスで決まり!
あ、でも酒も飲みたいな。
酒のメニューは、どれどれ・・・。
「お待たせいたしました!ガーリックライス、赤ワインになります!」
おお、鉄板の上でライスが鳴いている・・・!
・ガーリックライス
凄い、じゅうじゅうと鉄板の上で鳴いている。いや、どちらかというとぱちぱち鳴いてる感じだろうか?何はともあれ美味しそうだ。
・赤ワイン
肉には赤ワイン、どこかの誰かがそんなことを言っていた・・・気がする。
「ステーキはもう少しお待ちください!」
いえいえ、このガーリック臭漂うライスだけでも十分です。
さぁ、いただこう。
という訳で、ガーリックライス。
じゅうじゅうぱちぱち鳴いているコイツを早速いただこうじゃないか。
程よく茶色いこいつをスプーンで掬って、ああ。
美味しそうな香り、香ばしい香り。
そいつらが思い切り私の食欲を殴ってくる。
食う前から分かる美味しさだ。
いかん、気を強く持て私。
今日のメインはステーキなんだ。
ここでガーリックライスに負けてどうする。
意を決して、ガーリックライスを口へ放り込めば・・・!
―――ああ、ガーリックとガーリックライスにかけられたソースのすさまじいパワー。もはや残酷なほど美味しいじゃないか。ガーリックと言う危険な香り、正にこいつは危険な美味しさ。
はふ、はふ。
鉄板の上だからか、やはり熱い。
でもこの熱さ、とんでもなく美味しい。
これは、危険だ。
ガーリック臭が凄いこのライス。
これ、もしかしたら明日誰にも会えないんじゃないか?
いや、そんなことを気にする必要はないか。
だってこんなに美味しいんだ。
程よく茶色い、鉄板の上で鳴き続けるライス。
立ち上る湯気、そしてガーリックの香り。
私の中の食欲が危険信号を発している。
だというのに、私のスプーンは止まることなく。
むしろどんどんと加速するレベルで食べ進めていく。
ほら、もう4口目のスプーンだ。
―――あー、美味い。今日の疲れを吹っ飛ばすようなガーリックの強さ。大胆な美味しさ。
しかも、ガーリックが強いだけじゃない。
そこにほんのり、甘さを感じる。
この優しさがまた・・・私に次の一口を誘導させるんだ。
前に食べたガーリックバターライスとは違う、けど美味しい。
いや、このガーリックライスも、前食べたガーリックバターライスも両方美味しかったんだ。
比べるのは失礼だろう。
いや、美味い、ああ美味い。
こんなライスを食わせられちゃ・・・次のステーキ、期待がとんでもなく高まるぞ。
ガーリック臭もなんのその。
明日なんて気にするな。
今、私は腹が減ってるんだ。
ならここでこのガーリックライスを掻き込んでこそ、男だろう。
と、ガーリックライスを掻き込み続けた私だが。
やはりライス単品では喉が渇いてくる。
ここで水を飲んでも良いが・・・折角ならこの赤ワインに行こうじゃないか。
本来はステーキと一緒に飲むつもりだった赤ワイン。
しかし、このガーリックライスを食べた後、普通の水を飲む気分にもならない。
なら、赤ワインでしょう。
ワイングラスに注がれたコイツ、それをくるくる回して・・・。
何だか、貴族っぽい。
いや、回す意味は良く分かってないんだが。
でも雰囲気は出る。
さ、とりあえず飲むか。
―――お、美味しい。果実味豊か、芳醇な香り。これぞワインだ。美味しくて良いじゃないの。
ザ・ワイン。
確かにこの味、肉に合うだろう。
でもガーリックライスを食べた後の余韻も良い感じに洗い流してくれる。
程よい酸味、芳醇な香り。
赤ワイン、皆がこの言葉を聞いて思い浮かべたその味を3割くらい増したような。
とりあえずこのワインを頼んでおけば肉料理に外れはない、そんなワインだ。
うん・・・うん。
飲めば飲むほど良いワインだ。
しかしワイングラスに注がれたワイン。
それを見るとこう、くるくる回したくなるのは何故だろうか。
良い香り、良い味、これはボトルで頼んだ方が良かったか?
まぁいい、足りなかったらお代わりすれば良いだけだ。
このくいっと赤ワインを呷る姿、傍から見れば上品な魔術師に見えるだろう。
さて、そろそろステーキが来ても良い頃なんだが。
「お待たせいたしました!肩ロースステーキ300gです!」
おや、ナイスタイミング。
あー、こいつは美味そうだ。
・肩ロースステーキ
じゅうじゅうと泣き続ける赤身肉。そんなに鳴かれちゃ・・・私の食欲が更にやる気を出しちゃうじゃないか。しかも300、思い切り齧り付けそう。
これはいかん。
もう、見た目で分かる。
絶対に美味しいぞ、このステーキ。
本当に、元気な赤子くらいじゅうじゅう鳴いてる。
いかん、いかんぞこいつは。
破壊力抜群なビジュアル、ワイルド系。
きっと私がどれだけワイルド系な服装にしたって、このステーキにはかなわないだろう。
いや、そもそも私がワイルド系な服装って似合わないか。
心はまだまだ20代なんだが、孤児院の子供におっさんて呼ばれるしな・・・。
と、いかんいかん。
ステーキを食う前に何故自分で自分の心を痛める必要がある。
しかも私はまだ20代なんだぞ。
ここはステーキが来たんだ、思い切り喜んで思い切り食べるだけで良い。
さぁ、早速ステーキを切って。
それをステーキソースに付けて、いただきます!
―――う、うおお・・・。やられた。牛の赤身肉、その美味しさに私の食欲がやられてしまった。美味い、美味いぞ肩ロース!
ナイフを入れた時からおや?と思っていたが。
実際に食べて分かるこのジューシーさ、そして柔らかさ。
程よい脂もまた美味しいポイント。
上から見ても、横から見ても。
何ならひっくり返しても肉、肉、美味い肉。
上下左右死角なし、凄く美味しいステーキだ。
しかも、本当に柔らかい。
なのに食感はしっかりジューシー。
こう、前食べた時もそうだったが、ステーキハウスのステーキってがっしりしてる感じだと思ってたんだが。
ここのステーキ、歯ごたえがあるのに柔らかい、矛盾の美味さを内包してる。
しかもそれでいて噛むほどに美味さがあふれ出てくるんだから・・・もう堪らん。
この程よい食感と濃厚な肉の旨味、正に私は今ステーキを食べていて、その幸せを思い切り堪能している!
ああ、素晴らしい。
祭りを終えて、わざわざステーキを求めた甲斐があったというもの。
暑い中、頑張ってフル装備をして。
意味のない見回りを、巡回を頑張った成果が。
―――今、目の前の鉄板に乗っている!
さぁ、攻めろ、攻めるんだ私。
ステーキ、ガーリックライス、そして赤ワイン。
この幸せな一時を、最も美味しくいただくんだ。
祭りが終わり、頑張った成果が今目の前にある。
ステーキをキコキコとナイフで切り、頬張る。
その合間にガーリックライスを食う。
すると、肉とライスの祭典が。
―――ほら、口の中で開園した。祭りが終わった後のライスと肉の大祭典、ここに実現。
これは美味い、とんでもなく美味い。
ガーリックライスのガーリックがまた、ステーキ肉と思い切りかみ合っている。
ああ、どうしてこうもステーキは。
そしてガーリックライス、赤ワインは。
私の心を揺さぶってくるんだろうか。
食べれば食べるほど、飲めば飲むほど私の食欲が癒されていく。
素晴らしい夕食、素晴らしい充実感。
ああ、私。
昨日と今日、頑張った甲斐があった・・・!
「ありがとうございました!」
あー、大満足。
腹も良い感じに膨れた。
ステーキ、いや、肉。
そして酒、やはりその働きは偉大なり。
・・・あ、もちろんライスもね。
ガーリックライス、凄く美味しゅうございました。
そして・・・おっと。
軽く足がふらついた。
合間合間のワイン、これがまたいい仕事してるんだ。
肉には赤ワイン、正にその通りなのかも知れん。
さて、煙草を一服・・・。
この時だけは、足もふらつかないんだよな。
不思議だ。
良し、一服したら家に帰ろう。
願わくば、次も美味い店に会えるように。
主人公(男)・魔術師。毎回外食しても懐が寒くならない程度に稼いでいる。羨ましい。
「ステーキハウス リブ&サーロイン」の給仕(女性)・見た目18歳くらいの実年齢76歳。若く見てもらえることに快感を感じる70代。