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うん、ドーサとナン&カレー。

昨日ブクマ99人とか言ってたらありがたい事に101人!


ブクマ101人ありがとうございます!



今日も天気は快晴。

しかし少し肌寒いような、そんな感じの天気だ。

スポーツするにはぴったりの天気化も。


こう、風も冷たい感じだし。

運動して熱くなった体を冷ますにはちょうどいいんじゃないか?


そんな中、今日向かう営業先。

それは何と・・・銭湯。

更に今回行く銭湯、この街で一番最初にできた銭湯だからな。


確かテンセイシャが作って、他の人に営業を委託してるんだったか。

最初は閑古鳥が鳴いていたらしいが最近ではじわじわと人気が出てる。


私も1度行ったことあるが、大きい風呂は最高だった。

とくに風呂上がりのエールは、もう・・・控えめに言って最高。


ただ最近は全く行ってないな。

・・・今度行ってみようか?

休日に昼から暑い風呂、そして湯上りの酒・・・良いじゃないか。


特に最近できたサウナ、何でも凄く良いらしい。

寒い日にサウナは最高だぞて知り合いが言ってたからな。


さて、もうすぐ着くな。

果たして、どんな依頼なんだろうか。


―――――――――――――――――――――――――


「いやぁ、つい最近知り合ったばかりなのに・・・いきなりお仕事をいただけるとは。」


「ええ、私達も驚いてます。従業員とも話し合ったんですが、折角なら魔術師さんにお願いしたらどうかという話になって。」


「そう言っていただけて嬉しい限りです。」


そう、その通り。

何とここのオーナー、私の行きつけのバー「Bar cleared up」でこの前知り合ったばかり。

その時に私も談笑がてら軽く営業してみたんだが・・・まさかこんなに早く実を結ぶとは。


「あ、そうそう。今度のお祭り期待してますよ。確か明日からでしたよね?」


「ええ、明日からです。私もこの後祭りの会場に行かないといけなくて・・・。」


「ああ、主催者ですもんね、大変そうで・・・。」


というか、私会場に行っても何もすることないぞ。

間違いなくない。


そもそもこの前の会議でも私場違い感半端なかったからな。

殆ど喋ることもなかったし。


「いえ、名ばかりの主催者なので・・・。実際は冒険者ギルドや商人ギルドが殆ど動かしてます。それより、今回の仕事の内容をお伺いしても?」


「あ、そうですね。実は魔術師さんに入浴剤を作っていただきたくて・・・。」


「入浴剤ですか。」


「ええ、実はこの銭湯、もうすぐ周年イベントがありまして。折角ならその時に何か楽しんでいただけることをしたいと思ってですね。だったら銭湯だし、面白い風呂なんかどうだって話になりまして。」


「成程。大丈夫ですよ。どんな入浴剤が良いでしょうか?」


「アバウトで申し訳ないんですが・・・薬草系が1つ。あとは面白い物と珍しい物、この2つを考えてるんです。」


「面白い物と珍しい物、ですか・・・。」


面白い物と珍しい物、ね・・・。


「そうですね・・・お酒の入浴剤と魔術の触媒を使用した入浴剤はいかがでしょう?」


「お、いいですね、それ。」


食いついたか。

この2つならそんなに作るのが難しくはない。


「でしたらその方向で行きましょうか。あと薬草の入浴剤はどのくらいにします?」


「どのくらい、とは?」


「いえ、かなり高くはつきますが、何ならポーションレベルの湯にもできますよ。」


もっとも、本当に高くつくが。


「そうなんですか!周年イベントですし・・・はい、それでお願いします。」


「大丈夫ですか?結構高くなりますが。」


「ええ、大丈夫です。その3つでよろしくお願いします。」


「かしこまりました。では手配させていただきます。」


―――――――――――――――――――――――――


「では、失礼します。」


「よろしくお願いします。」


うん、良い感じに営業終了。

しかも入浴剤は作るのそんなに難しくないからな。


お酒は・・・エールにするか。

触媒は何か適当な物でいいだろう。


さて、家に・・・帰る前に、会場の下見か、はぁ。


何というか、気が乗らないというか。


―――腹が、減ったなぁ。


・・・そうだな、腹が減ってちゃ戦はできんし。

飯を先に食いに行くか。


別に何時に会場に入るとかも決まってない。

なら飯を食って気合を入れてから会場へ行こうじゃないか。


良し、飲食街へ行こうか。

今日は何を食おうかな・・・。




という訳で到着、飲食街。

今日は何を食うか・・・決まりませんでした。


毎度のことですね、はい。


しかしこれでいいんだ。

何が食いたいか分からぬまま店を探し、フラッと入る。

私はこの方法で、今まで当たりの店ばかり入店してきた。


後は完全に空腹になる前に。

どこかの店に入るだけだ。


さぁ、歩き出そう。



食堂。

お、いきなりピンときた、が・・・。

凄く混んでるな。


ウドン屋。

ここも混んでる。

この時間帯に珍しいな。


ラーメン。

ここに至っては準備中か。


参ったな。

良さそうな店が混んでたり、あるいは準備中だったり。

そろそろ私の腹も限界を迎えそうだぞ・・・。


あ、お腹が鳴った・・・。

落ち着くんだ、私の腹。

後で何か入れてやるから、今は静かにしてなさい。


しかし、うーん。

どうする、もう少し奥へ踏み込んでみるか。


いやでも、奥へ踏み込んでどこも入れなかったら私路上で倒れるぞ。

落ち着け、落ち着いて、冷静に考え・・・お?


なんだ、このいい香りは・・・。

これは、こっちからだろうか。


どれどれ・・・。




「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ。」


お、ロングヘアーのストレート。

赤い髪、赤い瞳が情熱的。

こう、お姉さん的な給仕。


やはり飲食街、どこに行っても美男美女ばかり。

私もあれくらいカッコいい容姿だったら・・・!


そして、ああ、たまらんこの香り。

あの後匂いに惹かれてたどり着いたこの店、「ナン&カレー マルシャメーラ」。

ドアの前に立った時から強烈なカレーの香り、店に入るともう、凄い。


空腹の私にとってはもはや拷問の様な。

そんなレベルのこの香り。


店内は赤いタペストリー、何というか幾何学的な模様が描かれて。

木でできた机に椅子。

こう、うす暗い感じの証明がまた良い味を出してる。


カレーの香りも刺激的だが、この内装もちょっぴり刺激的。

どこかワクワクするそんな店、お好きなお席といわれたし・・・。


窓の近くの4人席、贅沢に借りちゃおう。

カウンターでもよかったが、偶にはテーブルに座っても罰は当たらんだろう。


「どうぞ、お水とメニューです。」


席に着いた瞬間すかさず出てくるメニューとお冷。

ありがたい、喉渇いてたんだ。


水をグイっと、喉が潤う。


・・・ふぅ、じゃあ改めてメニューを見るとするか。


どれ。


~ナン&カレーのセットメニュー~


・レディースランチ


・日替わり3種セット


・日替わり2種セット


・デラックスセット


お、やはりナンとカレーの店。

ここは・・・そうだな。

日替わり2種のセットにしようか。


このセットメニュー、ナンが食べ放題ってのが嬉しいポイント。


ちなみに、他には何かメニューは・・・。


~サイドメニュー~


・マサラドーサ


・チーズドーサ


・プレーンドーサ


・タンドリーチキン


・野菜スープ


・シークカバブ


おお、まだまだある。

ナンとカレーのセットメニューの倍以上あるぞ。


しかし、ドーサか。

なんだかんだ食べたことないな。


これは1つ、ドーサ行ってみようか。


うん、ドーサとナン&カレー。

良いじゃないか、充実した昼飯になりそうだ。


「すいません。」


「はい。」




「お待たせいたしました。チーズドーサと日替わり2種セットです。ナンはお代わりし放題なので、お気軽にお声かけくださいね。」


「わかりました。」


この強烈な、美味しそうな香り。

ナン、絶対にお代わりします。


・日替わり2種セット

焼きたてアツアツのナン、そして日替わりのカレーが2種類。今日はマトンカレー&バターチキンカレー。ああ、カレーの香りが私の胃袋を揺さぶってくる・・・!


・チーズドーサ

チーズが入ったドーサ。これもナンみたいにカレーに付けるんだったよな。結構パリパリしてて、ナンとは結構違う感じ。


では、いただきます。



まずは・・・ドーサ。

初めて食べるからな。

最初にドーサ行っちゃおう。


さて、手でちぎると・・・うん。

やっぱり結構パリパリしてる。


そしてその間に挟まったチーズが、伸びる伸びる・・・。

これを、そうだな。


バターチキンカレーに付けて。

そのままパクっと食べてみれば。


―――お、美味い、良い味してるじゃないかこれ。パリッとしたドーサ、チーズの風味、何といってもカレーが美味い。


何というか、そう。

クレープ。

カレー屋のクレープだ、ドーサ。


そのクレープ、生クリームの代わりにカレーをつけて食べる。

カレーとパリパリの生地、そしてチーズのトライアングル、最高。


というかこのカレー、凄く美味しい。

バターチキンカレー、見事に私好みだ。


最初に食べると甘い、そんな風味なのに。

そこからじっくり辛さが出てくる。

まさに甘辛いカレー、それがこのバターチキンカレー。


そしてその辛さが頂点に達するとき。

このドーサがそれを優しく受け止めるんだ。


特にとろけたチーズ、こいつがたっぷり入ってて。

うーむ、美味い。


そのまま食べても・・・うん、美味い。

生地にチーズを挟んで焼いた料理だよな、これ。

なのにそのままでも凄く美味しい。


シンプルながら奥深いドーサ。

カレーも奥深いが、きっとドーサも奥深いんだろう。


またちぎって、カレーに付けて・・・。

そのままパクっと。


―――うん、うん、美味しい。なんというか、食べるほどクセになってくる旨辛さ。


これ、パクパク行ける。

パリパリした生地、チーズ、カレー、最高。


ドーサ、頼んで大正解だったな。


またちぎって、食べて、ちぎって、食べて・・・。

止められん、止まらないこの美味しさ。


仕方ない、もうここまで来たら。

ドーサとチキンカレー、ここで食いつくしてしまおう。

・・・いや、チキンカレーはやっぱり少しは残しておきたい。


ナンとチキンカレーで食べたいし。


とりあえずドーサをパリパリっと、そんで。

バクっと。


―――そのままでも美味しいドーサ、チーズと生地だけなのに。店主の愛情がここまでドーサを美味しく仕上げているんだろうか。


もしくはただ単に腹が減ってるからか?

空腹は最高のスパイスというし。


カレーに付けても付けなくてもバクバクいける。


そして、最後の一切れ。

これを口に放り込んで、フィニッシュだ。


ドーサ、大変美味しゅうございました。



さて、ドーサを食いきった後は。

いよいよ本命、ナンのご登場だ。


・・・あ、ドーサ、マトンカレーに付けて食うの忘れてた。

いやでもしょうがない、バターチキンカレーとの相性が良すぎるのが悪いんだ。


まぁとにかく、ナンだナン。

ナンをちぎって・・・熱っ。

そんな、ドーサを食べたから冷めているかと思いきや。


ナンの膨らんでる部分、ここから一気に蒸気が出てきた。


・・・良し、ちぎれた。


あとはこれをマトンカレーに付けまして。

そのまま1口でいただきます!


―――モチモチナンが、ガツンと辛いカレーを纏い、口の中を総攻撃。でもその辛さの中に、確かな美味しさが潜んでいる。


この美味しさ、この香り。

バターチキンカレーとはまた違って、確かに美味しい。

特にスパイスの香り、響くような辛さがたまらない。


そしてそんなカレーをナンが纏ってるから、もう。

もちもちとしたナン、そこに染み込むカレー、この美味しさはマトンもびっくり。


いや、しかし。

ナンが凄くモチモチで美味しい。

引きちぎるときに少し伸びるというか、弾力があるというか。


それでいてしっかり焼けてる所はパリパリと、食べてて楽しい食感。


マトンカレーも勿論美味しい。

バターチキンカレーも凄く美味しかったが、このマトンも負けず劣らず。


チキンカレーとは違うガツンと来る辛さ。

じわじわとじゃない、最初から全力全快の辛さ、でもその辛さの中に確かに優しい美味しさがある。


そしてスパイスの香り。

こう、マトン独特のクセというか。


でも、これ全く持って嫌なクセじゃない。

むしろこのマトンカレー、こいつをより美味しくするクセだ。


そんなマトンカレーのマトン、肉。

こいつはフォークで刺して、1口で行こう。

きっと美味しい、間違いない・・・!


―――ほら、美味しい。しっかりとした肉の食感、しかしそれは柔らかく。隅々までカレーが染み込んでいて、噛めば噛むほど美味しいマトン。


良い、良いぞマトン。

カレーも美味しいが、その肉までしっかり美味しい。

日替わり2種、マトンとバターチキンで本当に良かった。


・・・おっと。

そういえばチキンのカレー。

その肉は食っていなかった。


これはいけない。

マトンを食った後のチキン、果たしてどんな美味しさなのか・・・!


―――美味い、悪魔的美味しさ。ほろっとした鶏肉、カレーの甘辛さが抜群に合ってる。


マトンとはまた違った肉の感触。

でも凄く美味しいのは両方とも共通。


両方ともカレーライスとかのカレーとは違うのに、凄く美味しいんだよな。


チキンカレーをナンに付けて・・・。

良し、いただきます。


―――あ、甘辛さがナンに抜群じゃないか。バターを加えたチキンがナンに乗って口の中を飛び回っている。


うん、美味い。

惜しいのはもうすぐバターチキンカレーが無くなる事だろうか。

ドーサで少し消費しすぎた・・・。


良し、ならば今食べているナン。

こいつはマトン中心で消費しよう。

お代わりのナンでチキンカレーを消費し、更にその後のお代わりナンでマトンを消費。


ふふ、我ながら完璧の作戦だ。

私の食欲も任せろと騒ぎ立てている。


さぁ、食えや食え、ナンを食え。

お代わりし放題、魅力の言葉。

美味いカレーに美味いナン、ガンガン行って元気をつけよう。




「ありがとうございました。」


うう、苦しい。

ナンを食べすぎた・・・。


しかも胃の中でこう、膨れ上がってる気がする。

満足は満足だが、苦しいほど大満足だ。


これは、いかんな。

一回落ち着くためにも煙草で一服だ。


・・・ふぅ。

うん、苦しい。


いや、でも美味しかったからオールOKだ。

何というか、元気が凄く出たような気がする。


さて、とりあえず会場へ向かうか。

私のすること何もないとは思うが・・・。


願わくば、次も美味い店に会えるように。

主人公(男)・魔術師。調子に乗ってナンをお代わりしまくる20代。カレーは大好物。


銭湯・テンセイシャ達が大きな風呂に入りたい、その欲望によって作られた施設。じわじわと広まりつつある。

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