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ジントニックにフィッシュ、そしてチップス。

少し遅れました。ユルシテ。

ああ、起きた。

今起きた私、まだ少し頭が回ってない。

天気は・・・曇りか。


最近晴れが続いてたからな、曇りの日も偶にはいいだろう。

温度も寒くなく暑くなく。


さて、そんな今日の仕事だが・・・あった。

昨日まとめたこのリスト。


そう、祭りの参加者リスト。

これを冒険者ギルドに持っていくだけだ。

それが終われば今日はフリー。


クリーニングに出したローブを回収して、少し買い物をする予定だ。


良し、シャワー浴びて着替えて、今日も頑張るとしますか。


―――――――――――――――――――――――――


「どうも、お世話になってます。」


「いやいやこちらこそ。ま、座りたまえ。」


「失礼します。」


さて、リストを出して。


「どうぞ、これが参加者の一覧です。」


「どれ、見せてもらおう。・・・ふむ。」


内容に問題はないはずだが。

こう、書類のチェックをしてもらっている時って不思議とドキドキするよね。


「・・・ほう。成程。」


「問題のある店や屋台は出ないはずなので、大丈夫だとは思うんですが・・・。」


「うむ、大丈夫だろう。・・・と言っても、そもそも私じゃどの店が問題あるかなんてわからんからな。」


何だそりゃ。

じゃあ何故リストを見たんだ?


「いや、どこか良さそうな店を見つけておきたいと思ってな。妻と娘にお土産を買わんと。」


「でしたら、当日一緒に祭りへ参加すればどうです?当日なら仕事殆どありませんよね。」


「まぁ、そうなんだが・・・。仕事が事前に終わるとはいえ、当日家族と一緒に祭りへ参加というのは周りに、な・・・。」


あー、まぁ。

何となくわからんでもない。

部下が働いてる中、上司が遊んでたらそりゃ・・・嫌だよね。


自分の仕事を終わらせているとはいえ、部下から見たらちょっと複雑かも。


「まぁ、そうですね。」


「だろう?・・・ちなみにお勧めの店などはあるかね?」


「それでしたらアクセサリー系は・・・あった、この店ですかね。私の先輩の店でして。結構良いものありますよ。インテリア系ならここ、私の知り合いの店ですね。」


「なるほど、なるほど・・・。」


「あと食べ物系だとこちらのお店が個人的にはお勧めで・・・。」


―――――――――――――――――――――――――


「いやぁ、ありがとう魔術師君。良い情報を色々聞けた。」


「いえ、こちらも問題なさそうで良かったです。ではリスト、これで提出しますね。」


「ああ、確かに受け取った。ちなみにだが・・・祭りの開催日はいつなんだ?」


それが、まだ何も決まってないんだよな。

今回も何とかリストがまとまった形だし。


というか参加者、前の何倍もいるんだぞ。

それをこんな短期間でまとめただけ凄いと思う。


「あー・・・それはまだ未定でして・・・。」


「そうか。なるべく早めに教えてくれよ。」


「ええ、決まり次第ご報告させていただきます。」


「うむ、頼んだ。」


「では、これで失礼しますね。」


「ああ、また何かあったら来てくれ。」


さーて、祭りの準備第一段階終了だ。

しかし、祭りの開催いつにするかなぁ。

全く想像がつかないというか。


ここは思い切って、もうすぐ開催にしてしまおうか?

いや、それもなぁ・・・。


―――――――――――――――――――――――――


さて、クリーニングに出したローブも回収したし。

家で使う日用品の買い物も終わった。


しかし、本当にいつにしようか、祭り。

前開催してからもうそこそこ経ってるしなぁ。


というかこういうのって個人が決めるんじゃなくて、話し合いで決めるでしょ、普通。

ていうか、そういえばそもそも。


―――腹が、減ってる。


気づけば空腹。

胃の中が空っぽだ。


更に、こう。

酒も飲みたい気分。


うん、とりあえず飲食街へ向かうとしよう。

そこで店を探せば・・・あ。


久しぶりにあそこへ行こうかな・・・。




到着、飲食街。

今日は何を食べようか・・・という所だが。

行きたい店、もう考えてある。


そう、「Bar cleared up」。

あそこのジントニックを久々に飲みたくなったんだ。


あの美味しさ、中々飲めるもんじゃない。

という訳で、「Bar cleared up」へ向けて出発!



食堂。

スルー!


レストラン。

パス!


焼肉。

・・・パ、パス。


お、到着、「Bar cleared up」。

焼肉に少し後ろ髪を引かれたが・・・まぁいい。

今日は此処で美味い酒と肴を食うんだ。


では、入店!




「いらっしゃいませ・・・おや、魔術師さん。」


「どうも、マスター。」


「どうも。お好きなお席にどうぞ。」


ここ、「Bar cleared up」。

結構小さい店なんだよな。


6人くらい座れるカウンター席、そしてテーブル席が2つほど。

店内は青色で統一されていて、クラシックの音楽が流れてる。

凄く落ち着く雰囲気の店だ。


そんなバー、ここで今日食べるべきメニューは・・・。


とりあえずジントニックは確定だろう。

フードメニューは、どれ。


・チキン&チップス


・フィッシュ&チップス


・ベジタブルチップス


おお、チップス軍が3種揃い踏み。

他には・・・。


・ジャーキー


・カレーライス


・ペペロンチーノ


・ピザトースト


うん、ここら辺の充実したメニュー。

これも捨てがたいんだよな。


とりあえず、そうだな・・・。

ジントニックに合わせるんだから、良し。


メインはフィッシュ&チップス。

サブにピザトースト。


この組み合わせで行こう。


これなら酒にも合うし、腹が減った私の食欲も文句は言うまい。


「マスター、ジントニックと・・・フィッシュ&チップス、ピザトーストをお願いします。」


「かしこまりました。」





「お待たせ致しました。フィッシュ&チップスとピザトースト、ジントニックになります。」


さあ、酒だ、酒の時間だ。


・フィッシュ&チップス

魚のフライ、そしてフライドポテトの2大コンビ。両方ともからっと揚がって凄く美味そうだ。ジントニックに揚げ物、良い感じがする。


・ピザトースト

ピザじゃ無くてピザトースト。四角いパンの上に、鮮やかな赤色、黄色、そして野菜の緑色。見ていて楽しい、そしてきっと食べれば美味しい。


・ジントニック

久々に飲む気がする、此処のジントニック。マスターの腕から作り出されたこのジントニック、凄く美味しいんだよな。


では、いただきます。



さ、今日のメイン、フィッシュ&チップス。

これから行こう。


ここで重要なのは、このフィッシュ。

これに何をかけるか、だ。


定番の塩、あるいはソース、はたまた酢か、そのままか。

落ち着いて考えろ、私。

ここを間違えるのはフィッシュに失礼だ。


悩んだ末に選んだのは。

うん、塩だ。

こいつで行こう。


迷った時の塩、コイツを振りかけて・・・。


フォークでプスリ、いただきます。


―――おお、広がる塩味、魚のフライにベストマッチ。サクサクの衣と淡白な魚の身がまた美味い。


見事に美味しい、フィッシュ&チップスのフィッシュ。

これは塩を選んで大正解。


噛んだ瞬間、揚げ物特有のあの歯応え。

そこから柔らかい魚の白身がお出迎え。

そしてその後広がる塩の味。


シンプルながら、これは凄く美味しいフィッシュ&チップス。

・・・まだチップスを食べてはいないが。


それにしてもこのフィッシュ。

噛んだ瞬間に魚のエキス?魚汁?

何と呼べばいいか分からないが。


とにかく、そんな魚の汁が滲み出るんだ。

これ、素晴らしい揚げ加減の証拠也。


こう、ライスのおかずじゃない魚料理。

酒にピッタリ合う様な、そんな感じに仕上がってる。

いや、この美味さならライスとも合うかもしれん。


ああ、衣を纏った魚が。

私の口の中で泳ぎ回っている。

パワフルなこの泳ぎ、揚げ物特有の力強さ。


とにかくそんな完璧に美味しいこのフィッシュ。

これを食べたら、その次は。



酒、飲まずにはいられないってもんよ。


ジントニック、ここで一口。


―――っくぅー!エールとは違うこの爽やかさ。鼻を突き抜ける爽快感とさっぱりしたこの味。これぞ美味いジントニック!


フィッシュの油、それを爽やかに流して行くジントニック。

揚げ物感満載の私の口の中、それを一瞬で洗い流した。

流石マスター、良い腕してる。


飲んだ瞬間の弾ける炭酸。

その炭酸が弾けると、豊かなジンの華やかな香り。

そしてジントニックとして完成された味が、口の中に広がっていく。


まるで、そう。

爽やかな風だ。

広い草原、そこに吹く爽やかな風の様な美味しさ。


そんな草原で私は空を見ながら、このジントニックを飲んでいる。

・・・私の口の中、魚が泳ぎ回ったと思ったら草原に行くなんて、何だか忙しいな。


しかし、本当に美味しい。

久しぶりに飲む事もあって、期待は凄かったんだが。

見事にそれを上回るこのマスターの腕よ。


美味い魚に美味い酒。

酒飲み冥利に尽きるな、これは。



ここいらで、そうだな。

うん、ピザトーストは最後に残そう。

次はフライドポテト、フィッシュ&チップスのチップス、コイツだ。


魚の揚げ加減が抜群。

となれば、このポテトの揚げ加減も抜群だろう。


というか前食べたし、その時も美味しかったよな。

フォーク・・・いや、手で行っちゃえ。


―――あ、ホクホクポテト、充実感が凄い。フライドポテトはいつも私を裏切らない美味しさだ。


うんうん、普通に美味しいこのポテト。

ホクホク感があって、食べ応えもある。

酒の肴、やはり定番はフライドポテトだ。


この厚切りの大きさがまた良い。

細くても好きだが、フィッシュ&チップスのチップス。

それならこの大きさが無いと、少し物悲しい。


そして食べるほど、この、何だ。

ポテトが口の中で崩れて行く感触。

今私は確かにポテトを食べている、そう自覚させてくれると同時に。


口の中の水分をじわじわと失っていく。

そうすると、また。


ジントニックに戻る訳だ。


―――あー、美味い。ジントニックとフライドポテト、この組み合わせは永久機関。


水分を取り戻した私の口。

するとほら、不思議な事に。

またフライドポテトを求め出す・・・!


もしかしたら、酒飲みとポテト。

ここには切っても切り離せない何かがあるのかも知れない。



さて、そんな酒飲みの至福を味わっている私だが。

ここいらでピザトースト、行って見よう。

しかしいつ見ても美味しいそうな色合いだな、コイツ。


さあピザトースト、これを食う時は。

手で持ち。

大きく口を開けて。


思い切り齧りつくべし!


―――うわあ、美味しい。ガブッと行って大正解。パン、トマトソース、チーズ、野菜。その全てがこの一枚に詰まっている。


この美味しさ、まるで。

そう、キャンパスだ。

美味い芸術品、それを思い切り頬張ったかの様な満足感。


白いパン、そこに赤色のトマトソースが塗られ。

その上から黄色いチーズ。

そして野菜の緑色、美術館に飾られたかの様なピザトースト。


絵画的美味しさ、新しい発見。

ピザとは違うピザトーストの美味しさ。

こんなの、ガッツリ行っちゃうに決まってる。


このピザトーストの端の部分。

ここがまた、カリッとしてて香ばしい。

色だけじゃなく、香りまで良いなんて。


この美味しさ、酒の席で味わっても良いんだろうか?

これは素面でもお代わりしたくなる美味しさだぞ。


いや、したくなるじゃないな。

お代わりする、決定!

だからこの一枚は、思い切り食べ切ってしまえ!


ガツガツ、ガブリ、モグ。

うん、ぱっと1枚無くなってしまった。


「すいません、マスター。ピザトーストもう1枚ください。」


「かしこまりました。」



さて、その間に私はフィッシュ&チップス、そしてジントニックを味わうとしよう。

フィッシュ、こいつをまたフォークで刺して、ガブリ。


―――ああ、美味しい。この魚のフライ、塩味で美味しい。


美味い、まだ魚の汁が染み出る白身。

この染み出る美味しさ、魚、万歳。


そのままチップスにも手を付ける私。

フィッシュもチップスも、両方食べたいんだ。

フィッシュを食い、チップスを食い、そして。


ジントニックに帰ってくる私。


―――美味い、さわやか、もう1杯!この味、私に効果抜群!


ああ、素晴らしい。

酒が美味く、魚も美味く、肴も美味い。

何という僥倖、やはりこの店は当たりだ・・・!


あ、ジントニックが無くなってしまった・・・。


「お待たせいたしました、ピザトーストです。」


「あ、マスター。ジントニックもお代わりで。」


「かしこまりました。」


お代わりのピザトーストも来たし。

もうすぐジントニックのお代わりも来る。


さぁ、欲望のままに、思うがままに。

酒と飯、こいつらを食らうとしよう。




「ありがとうございました。」


うーん、大満足。

美味い酒に美味い魚、美味い肴。

ジントニックにフィッシュ、そしてチップス。


思い切り堪能した。


しかもそこにピザトーストが来るんだ。

食欲もしっかり満足、美味しかったです。


さて、煙草で一服・・・。


ふぅ、落ち着く・・・おっと。

少しふらついてしまった。


なんだかんだでジントニック、飲みまくったからな。

しかし本当に美味しくて止められないんだよな、ここのカクテル。


さ、家に帰ろう。


願わくば、次も美味い店に会えるように。

主人公(男)・魔術師。二日酔い直前で酒を止めることに成功。


「Bar cleared up」のマスター(男)・普通のカクテル、更にはオリジナルカクテルも作れる。酒豪。

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