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イカ飯、イカ刺し、イカフライ、このイカの宴会よ。

感想新たに1件いただきました、ありがとうございます!


もっと感想くれても、いいんですよ・・・?(チラッ)

えーっと、次は・・・。


そうだ、宿屋だったな。

前に内装を担当した宿屋、あれから結構好評らしく。

それで今度、キャンペーンを行う、それに対して話し合いをしたいという内容だったな。


他の宿屋は花屋を営んでいるところもあって、花瓶などを勧めたが。

果たして今回はどんな感じになるんだろう。


とりあえず資料は持ってきたし、まぁ何とかなるか。


しかし今日は予定ぎっしり、少し疲れ気味だ。

次で最後のお客さんとはいえ・・・。


ここ2日ほど飲食街に行けていない。

それだけでどれだけ私が忙しかったか分かるだろう。


今回の話し合いの事も考えると・・・こりゃ終わるのは今日の夕方だな。


さ、気合を入れて向かうとしますか。


―――――――――――――――――――――――――


「どうも!お久しぶりですね、魔術師さん。」


「ご無沙汰しております。・・・中々繁盛していると聞いていますが。」


「ええ、かなり評判が良くて!魔術師さんのおかげですよ!」


「いえいえ、そんなことはありませんよ。ご主人と奥様の頑張りがあってこそです。」


確かに内装を担当はしたが。

その後人気が出るかどうかはそこにいる人の働き具合で変わってくる。


ここまで人気が出たのもやはり夫婦の頑張りが報われた、そういう事だろう。

私はそれの後押しをしただけに過ぎない。


「それでも、ですよ。特に最近女性のリピーター様が増えてきて。嬉しい限りです。」


確かにここの内装、一気にお洒落になったからな。

女性客が増えるのも納得。

まぁ、私が手掛けたんですけどね、はは。


「そう言っていただけると私も嬉しいですよ。・・・それで、今回はキャンペーンの話と伺っておりますが。」


「あ、そうなんですよ。実はですね・・・。」


成程、ここで更に新規のお客さんを呼び込みたいと。

それにいつも泊っている常連客の人にも何か恩返しをしたい。


その為にキャンペーンを考えているが、何も思い浮かばない、か・・・。


「成程・・・。」


「中々私達では思い浮かばなくて・・・。魔術師さんなら何かないかな、と思って。」


これは、中々。

難しい案件だな。

私ができるのは何か商品を提供することくらいだし。


「そうですね・・・私としては、何か記念品の贈呈くらいしか思いつきませんが・・・。」


「記念品、ですか。例えばどんな?」


「それはもう、色々と。例えば腕時計とか。あとは宿屋に泊まる人向けなので、枕とかも喜ばれるかもしれないですね。」


高い枕なら宿屋に泊まる人が使えるからな。


「成程、成程。」


「他にはもう、現金のキャッシュバックなどもいいかもしれません。特に新規のお客さんには喜ばれるのでは?」


連泊で一日サービス、とか。

これなら新規客も呼び込めるだろう。


「ほー、それ中々良いかもしれませんね・・・。」


「あとはこれらを組み合わせたり。・・・一応、記念品によさそうなもののカタログをお持ちしました。」


こちらです、と言ってカタログを差し出す。

中々良い品が載っているこのカタログ。

結構コスパが良いんだよな。


しかも顔なじみの店の工房だから、私も安く仕入れができる。


その分お店にも安く卸せる、正に安く仕入れて高く売る、商売の理想形だ。


「すいません、見せていただきます・・・。おお、色々ありますね。」


「ええ、なのできっと気に入っていただける商品もあるかと。」


「しかしこれは・・・悩みますね・・・。」


まぁ、そうなるよな。

商品が多い分、悩むのも仕方ない。


多分、一回では決まらないだろうし。

ここは1つ。


「もしよろしければ、そのカタログ置いていきますので・・・。また後日伺いましょうか。」


「いいんですか?すいませんねぇ・・・。では、そうさせてもらいます。」


「ええ、色々と見てください。では、失礼しますね。」


―――――――――――――――――――――――――


ふぅ、今日の仕事は終了。

気づけば時間はもう夕方だ。


しかし、本当に最近は忙しかった。

昨日なんてこの時間から後3件あったし。


でも、その分儲かってるのも事実だし。

何というか、私昔に比べて成長したなぁ・・・。


いかん、そんな気分に浸っていたら。


私は今、猛烈に。


―――腹が減っている、それに気づいてしまった。


・・・昼も抜いて頑張ってたし、そりゃ腹も減る。

しかも昨日、一昨日、飲食街で美味い飯を食えてない。


そうとなれば、今日は飲食街へ行くしかない。

美味い飯を食わないと、もうこの腹の行き場が無いんだ。


良し、さっさと向かおう。

目指せ、飲食街。




さて、飲食街にやって来た私。

今日は何を食べようかな。


2日ほど来てなかったし。

居酒屋で酒を入れるのも良いかもな。


あー、ガッツリ焼肉なんてのも良いかも。

男は焼肉、この二文字。

こいつに中々逆らえないからな。(魔術師調べ)


ま、取り敢えず歩いて店を探そうじゃないの。

今日も良い店が見つかります様に。



食堂。

今日は・・・やめだ。

もっとこう、特別感が欲しい。


レストラン。

お洒落な料理か・・・うーん。

パス、だな。


焼肉。

あ、この香り、美味い肉だ。

・・・が、並んでるよ、パスだ。

無念。


本命の片方、焼肉屋がダメだったか。

となれば残りは・・・居酒屋。

酒を飲みつつ美味い肴を食べる。


うん、想像しただけで腹が減ってきた。

良さそうな居酒屋見つけて、とっとと入ろう。




「いらっしゃい。お一人?」


「ええ。大丈夫ですか?」


「勿論。さ、こちらにどうぞ。」


おお、どことなく品の良い女将さん。

割烹着だったか、ナチュラルビューティーな黒い髪の毛と似合ってる。


今回入った店、それは「居酒屋 フクイ」。

こう、内装の節々に歴史を感じる。

フクイだけに福も来そうな感じがする。


椅子やテーブルもモダンな感じ、これは新しくて落ち着く様な、不思議な感覚だ。


そんな中案内されたのは、おっと。

まさかまさかの4人席。


「えっと、1人ですが・・・。」


「今なら大丈夫ですよ。どうぞお寛ぎ下さい。」


「ありがとうございます。」


ありがたい気遣いに感謝。

ならばじっくりと休ませてもらおう。


・・・いや、違う、私は飯を食いに来たんだ。

ついでに酒も。

リラックスするのも良いが、飯を食わねば。


一瞬でリラックスさせてしまうこの店、そして内装。

恐るべし。


さてさて、メニューは。


お、魚系が多めだ。

しかも酒の肴にもなりそうな物が沢山。

これは良い、凄く良い。


刺身もあるのか。

最近生魚食べてなかったな・・・。


他のページは、何。


・イカ飯


イカ飯、とな?


イカとライス、この組み合わせ。

イカ、たしかスクウィードだったよな。

それとライスがどう組み合わさっているんだ?


気になる、これは食わなきゃ、使命感が燃えたぎって来た。


よく見れば刺身にもイカがあるじゃないか。


これはもう、決まりだな。

運命の神様は、ここでイカを食えと言っている。


酒は・・・そうだな。

ウイスキーがあるし、コイツで良いだろう。


酒、そしてイカ。

4人席を広々と使うイカ&酒の1人宴会、開催だ。

となれば、他のメニューもイカで統合してだな・・・。




「お待たせ致しました。イカ刺しとウイスキーのロックになります。」


お、透き通る様な純白の身。

・・・いや、透き通ってはいないか。

まあ、とにかく美味しそうだ。


・イカ刺し

美しく並べられたイカの身、こいつをワサビとショウユで頂く。しかしこの白さ、ライスに負けない美しさだ。


・ウイスキーのロック

私がよく飲むウイスキー、それがあったから頼んでしまった。ニホンシュと悩んだんだが…まあ、大丈夫だろう。


では、いただきます。



さあ、先ずはワサビ。

こいつを適量とって、ショウユに溶かす。


・・・うん、大体こんなもんだろう。

そしたらイカ刺しを箸で取って、おお。

凄い、綺麗なイカ刺しだ。


こう、輝いてるぞ、コイツ。


それをショウユに付けて、パクリとな。


―――見た目だけじゃない、味も輝いてる!ねっとりした甘さ、ショウユと抜群のコンビネーション。そしてワサビのツンと来る感じでフィニッシュだ。


しかも最初の歯応え、こいつはコリコリしてる。

食べると楽しく、その後からとんでもない美味しさが追いかけて来る。


これは鮮度抜群、当たりの刺身だ。


寿司で食べるイカ、コイツも良いが。

イカの身だけで食べて初めて分かるこの美味しさ。


ライスが無い、それをここまで上手くならぬ、美味く生かすなんて!


こんなに美味しい刺身、それを食える居酒屋。

間違いない、この居酒屋。

大当たりの居酒屋だ。



シンプルな刺身と言う料理、コイツを味わいながら。

ウイスキー、酒を飲めるこの幸せ。


さあ、早速行ってみようじゃないか。


あ、ウイスキーのグラス。

よく見たら結構高い奴だ。

確か薄いグラスは飲み口が良くなるんだったか。


確かバーのマスターがそんな事言ってたな。

ま、取り敢えず一口。


―――あー、ウイスキー、この深みよ。舌で転がせば膨らむこの酒精。これぞウイスキーだ。


ああ、この美味しさ。

そしてグッとくる酒精の強さ。

これぞウイスキー、この飲み応え。


そんな飲み応えから、華やかな香りがぶわっと広がって。

これだよこれ、凄い酒精からのこの香り。

こんな感じのウイスキーが私は好きなんだ。


そしてコイツを飲みながら。

イカ刺し、コイツを食べれば・・・。


―――あー、またねっとりした甘さが堪らない。ウイスキーとイカ刺し、意外にも有りな組み合わせだ。


美味い、美味いぞイカ刺しとウイスキー。

これはじっくり、楽しみながら食べられる。


ゆっくり、思う存分楽しもう。



「お待たせ致しました。イカフライになります。」


お、イカ刺しを楽しんでたら次のイカが来た。

果たしてコイツはイカがなものか、なんちゃって。


・イカフライ

輪切りになったイカ、それをこんがり揚げた料理。横にタルタルソースが添え付けてある。イカ刺しとは又違った魅力が、ここにある。


よしよし、頂こうか。



最初は・・・そのままで頂くか。

イカフライ、その味のみで食べてからタルタルソースを付けるとしよう。


このサクサクそうなイカフライ、コイツを箸で持って、いただきます。


―――サクサク、コリコリ。あー、これは美味いイカフライ。これ、この美味しさは最早罪だ。


判決、美味しくて有罪。

こんがり揚がったイカフライ、その美味しさは最早凶器。

私、死ぬならこんなイカフライに殴られて死にたい。


・・・意味わからない事を口走ったが、それほどこのイカフライは美味しいんだ。


こう、食べた瞬間のサクっとした揚げ加減。

そこからイカ特有の食感が私を襲う。


極め付けはこのイカフライの味付け。

食べてから分かったが、このシンプルな塩味が素晴らしい。


何というか、店の自信、これを食って満足しろ、そんな力強さ。

それがこのイカフライには凝縮されている。


イカフライ、このリング。

エンゲージリングさえかすむような、この美味しさ。


しかし、ここにまだ。

タルタルソース、こいつが残っているんだ・・・!


さぁ、この美味しさのイカフライ。

こいつにタルタルソースをつけて。


いざ、いざ!


―――タルタルソースの絶妙な味わい、サクッとしたイカフライに抜群に合う。こう、気持ちのこもった美味しさ、少し懐かしささえ思い出してくる。


これは美味い、美味い組み合わせ。

とんでもないこの組み合わせ、流石はイカフライとタルタルソース。

美味いものと美味いもの、それを足したらそりゃ美味しくなるか。


イカフライ、そしてタルタルソース。

この猛攻に、私の胃袋は失神寸前だ。


ああしかし。


イカフライとイカ刺し、こいつらで酒がどんどん進んでいく。

ほら、もう酒が無くなってしまった。


ウイスキー、結構度数高いからパカパカ行くのは危ないんだが。


でもこの料理の美味さ、こいつらを前にしちゃあ、お代わりしてしまうというもの。


「すいません、ウイスキーお代わり。」


「はい、かしこまりました。」



「お待たせいたしました。イカ飯とウイスキーのお代わりです。どうぞごゆっくり。」


おお、来たか、イカ飯。

・・・まるきり、イカだな。


・イカ飯

丸くパンパンに膨れたイカ、その中にはライスが潜んでいる。輪切りにしたそこから見える、このライスの色よ。茶色いその姿、イカのうま味を吸い込んでるんだろう。しかし・・・全体の見た目のインパクト、凄い。


・ウイスキーのロック

お代わり。飲みすぎ注意。


では、イカ飯、早速いただこう。



さ、輪切りにされたイカ飯。

その真ん中、ここを箸で持って・・・。


おお、ライスがふっくら、良い茶色。

そこから漂う良い香り。


これは、また、凄い美味しそうじゃないか。


イカ飯、その名の通りイカと飯。

さぁ、いただこうか。


―――美味い、美味いぞこのイカ飯。主食にもなるし、酒のアテにもなりそうなこの味。イカの味、ふっくらしたライスの味、とんでもなく素晴らしい・・・!


この美味しさ、たまらない美味しさ。


主食として一応頼んだイカ飯だが、これはもう。

イカ飯と酒、それだけで満足しそう。


しかし、イカ飯の中、モチモチのライス。

これ、普段食べてるライスとは少し違うな。

モチモチ感が凄い。


そしてそんなライスにイカのうま味と出汁、こいつらが思い切り染み込んでる。

なんせ見た目がもう茶色だし。

そしてそこには確かな美味さ、見た目通りの奥深さがあるんだ・・・!


ああ、優しくてどこか懐かしい味。

イカとライス、このシンクロ具合。


イカの柔らかさ、ライスのモチモチさ。

この美味さ、何と表現すればいいか・・・。


ダメだ、もう笑うしかない美味さ。

思わず笑顔になる、そんなイカ飯。



こいつをつまみながら、私はここで。

ウイスキー、こいつを飲む。


―――うん、中々この組み合わせもいけるじゃないか。イカ、ライス、そして酒。最強の三つ巴だ。


ウイスキーが少し浮いてるような感じだが、これもまた悪くない。

むしろこの浮き具合、好きな人もいるんじゃないだろうか。


イカ刺しともイカフライとも違う、このイカ飯。

それが嬉しい2尾、食べ応えもしっかり確保。


さぁ、食べ進めようか。



イカ刺しは・・・うん、残り全部行っちゃえ。

少し贅沢だが、イカフライもイカ飯もあるんだ。

ガバっととって、ショウユに付けて・・・。


―――ああ、ねっとり感、最高。


そして、これを食べたらその後飲むウイスキー。

これがまた、止められないんだ。


というか刺身、いやイカ。

合わせるならニホンシュかと思っていたが。


ウイスキーでも結構合うじゃないか。


イカ刺し、こいつを食べたらイカフライ。

これにタルタルソースをつけて、パクリ。


―――コイツ、少し冷めても尚美味い。さすがイカフライ、私の予想を超えてくる・・・!


うん、美味しい。

イカフライも酒に合ってまた美味い。


このイカフライ、ライスがあればそのおかずとして食べれる、そんな美味しさを秘めている。


まぁ、今回はこのイカ飯があるんだが。

イカ飯、イカ刺し、イカフライ、このイカの宴会よ。


改めてイカ飯を食べてみれば。


―――ふっくらライス、もっちもち。イカの感触がまたたまらなく美味しい。


イカ飯、美味し。

今日ここでイカ飯に出会えたこの喜び、まさに運命だ。

私は今日、イカ飯とこの店に感謝せねばなるまい。


ああ、酒も飯も美味い。

これ以上、酒飲みにとって嬉しいことがあるだろうか。

いや、ない・・・!!




「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」


ああ、美味しかった・・・おっと。

少し千鳥足気味、しかしそれも仕方ないか。

結局ウイスキー、4杯か?5杯か?


調子に乗って飲みすぎてしまった。

しかし、それほどにイカとウイスキー、この組み合わせが最高だった。

中でもイカフライとウイスキーの相性の良さと言ったら、もう・・・!


ふぅ、落ち着こう、その為にも。

煙草を取り出し、さぁ一服。


・・・はぁー、この煙、良い煙。


煙草のパッケージのこの青色がまたかっこいいんだよな。

ハトのマークも良い感じにかっこいい。


さて、帰るか。

今日は早めに寝て、明日に備えよう。


願わくば、次も美味い店に会えるように。


主人公(男)・魔術師。イカの宴会、最高にイカしてる、そんなギャグを思いついてしまう20代。


「居酒屋 フクイ」・色々な魚を取り扱う居酒屋。特に焼き魚は絶品。魚が好きな獣人系の人が良く来るとか。

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