スタミナ炒め、その永久機関。
ブクマ増えてました、ありがとうございます!
飯テロになってると嬉しいです。
うーん、良い天気。
私の体調も何だか気合が入ったというか。
やはり昨日の麻婆豆腐。
あれが効いてるんだろうか。
やはり体に活を入れるときは辛いもの、これだな。
まぁ、あまり辛すぎるのも問題だが。
しかし昨日のあれは辛くてうまい、正にスタミナメニュー。
二日酔いの体にびしっと決まった。
・・・とはいっても、本当は消化しやすいものとかが良かったんだろうな。
いや、元気が出たからOKなんだ、うん。
今日は家で加工、そして明日できたものを納品だ。
がんばるとしますか。
―――――――――――――――――――――――――
・・・おお。
もうこんな時間か。
久しぶりの加工、中々に熱中してしまった。
だがおかげでかなりの効率で加工が進んだ。
しかし、夢中になって加工依頼を進めたからか。
少し疲れてきた。
うん、結構進んだしいったんリラックス。
「コーヒー グラウ」へ向かうとしよう。
「いらっしゃい・・・あら、魔術師さん。」
「どうも。適当に座ってるよ。」
「わかりました。」
うん、いつ来てもこのコーヒーの良い香り。
コーヒーショップならではのロケーション、最高だな。
この香りで心が安らぐようだ・・・。
「はい、お冷です。注文決まったら呼んでね。」
さて、メニューを見てみるとするか。
やはりホットコーヒー、こいつは鉄板だが。
スイーツはどれにするかなっと。
・ショートケーキ
・モンブラン
・チョコブラウニー
うん、この辺りの鉄板スイーツも良いが。
もう少しこう、何か別のものが良い。
・・・お。
・イチゴダイフク
イチゴって確か、ストロベリーだよな。
そしてダイフクとは・・・何だろう。
まぁいい、この文字にピンと来たんだ。
今日はホットコーヒーとイチゴダイフク、こいつらに決定!
「お待たせいたしました。イチゴダイフクとホットコーヒーになります。」
おお、これがイチゴダイフク・・・!
・イチゴダイフク
真ん丸ダイフク、中にはストロベリーと餡子が入ってる。白くて丸くて美味しそうじゃない・・・!
・ホットコーヒー
いつものコーヒー、ホットコーヒー。いつもの苦み、いつもの味がリラックさせてくれる。
では、いただきます。
さ、この真ん丸ダイフク。
流石ストロベリーが入っているせいか、少し大きい。
これを手で持って、さぁ齧り付けば・・・!
―――美味い。甘くてうまくて、そこからまた酸味の甘さがやってくる。イチゴとダイフク、この見事なコラボレーション、素晴らしい。
これはまた、凄く美味しいスイーツ。
この甘さ、美味しさ。
うん美味い、これなら疲れも吹っ飛ぶぞ。
こう、噛んだ瞬間のもちっとした美味しさ。
そこからふわっと響く、優しい甘さ。
その後いきなり、ストロベリー。
イチゴダイフクのイチゴが思い切り顔を出す。
そしてモチモチ、優しい甘さ、イチゴの甘酸っぱい感じ。
何だろう、こう、青春の味みたい。
そしてそこに合わせて飲むのは。
定番、いつものほっとするホットコーヒー。
これを甘いものと一緒に飲める幸せ、最高。
―――ほら、苦みが甘みを覆いつくして、より深い苦みになる。青春には甘いもあるが、苦いもあるんだよな。
私も昔の頃は・・・いや、どうでもいいな。
思わずこの甘苦さに自分語りをしてしまうところだった。
何だっけ、こういうのを隙あらば自語りというんだったか?
ああ、でも、本当に。
この苦み、いつもの味だ。
香りも良くて、リラックスに最適なコーヒー。
仕事の合間にカフェでコーヒー。
うん、仕事のできる人間って気になってくる。
さて、ゆっくり休んで残りの仕事も頑張ろう。
―――――――――――――――――――――――――
ふぅ、疲れた。
加工が早く終わって、納品まで行ったんだが。
かなりのハイペース、やはりリラックスの効果は偉大だな。
でも、結構疲れたのも事実。
加工依頼、やり始めると止まらないんだよな。
しかも納品まで行ったから、体も疲れて。
―――腹の中も、すっからかんだ。
うん、腹の中のイチゴダイフク、完全に消滅。
ホットコーヒーもすっかりなくなってしまった。
良し、ここは何か美味い飯でも食って帰ろう。
このまま立ち止まってても、じりじりと体力を奪われるだけだ。
この疲れて腹も減った私、そこに入れるは・・・スタミナ系か?
まぁいい、とっとと飲食街へ向かうとしよう。
さて、飲食街にやってきたが。
スタミナ系とは言いつつ、何を食うかは全く決まっていない。
・・・結構歩いて、考える時間もあったんだが。
しかしまぁ、決まらなかったものは仕方ないか。
ここはいつも通り、歩いて店を探すしかない。
持ってくれよ、私の体力・・・!
レストラン。
コース料理のみか。
スタミナ系は・・・なさそうだな、パス。
ピザ屋。
お、ピザか。
・・・なんだ、持ち帰りしかやっていないじゃないか。
居酒屋。
酒を入れるって気分じゃない。
こう、ガツガツもりもりと飯を食いたい気分なんだ。
さて、こうなってくると。
やっぱり候補に挙がるのは・・・食堂。
どこか良い感じに食堂は無いものか。
お、ここは・・・。
「食堂 エスカンダル」、おお。
何ともこう、偉大風な名前の店。
看板に文字、そのさっぱりとした感じもまた良い。
うん、ここだな。
ピンと来たし、ここに決定だ。
「いらっしゃいませー!お好きなお席にどうぞー!」
お、なんだ。
無骨な外観とは裏腹、中に入れば元気の良い給仕が歩き回っている。
しかも結構美人じゃないか。
お好きな席って言ってたし・・・そうだな。
端よりのこの2人掛け席、ここで良いか。
此処なら1人で食べていても不自然じゃないだろう。
しかし、ここ。
外で見たよりも結構広いなぁ。
奥に広いのか。
そして何より、壁に貼られまくった短冊メニュー。
これ、壁のメニューだけで70種類以上はあるんじゃないか?
しかも全部安いし。
うーん、どのメニューにしようか。
店はある程度スパッと決まったが。
食べるメニューが中々決まらないぞ。
この押し寄せる黄色い短冊のメニュー軍。
これを上手く捌ききらないと・・・。
そうだ。
スタミナ系のメニュー。
それを求めて私は食堂に来たんだ。
となれば、そういうメニューを見ていけばいい。
さて、何がある・・・?
・ステーキ
おお、街の食堂の、ステーキ。
そういう選択もあるか。
・麻婆ラーメン
麻婆にラーメン・・・?
想像がつかないが、インパクトは凄そうだな。
・餃子定食
ああ、シンプルにそれも良いな。
うーん、このまま見ていても尚更迷いそうな・・・。
どうする、何のメニューに・・・お。
・スタミナ炒め定食
来た、ガツンと来た。
スタミナ炒め、その名前から漂うがっつり感。
何より求めていたスタミナ、この4文字。
これがあるだけで迷いの霧も晴れたというもの。
決定、今日はスタミナ炒め定食だ!
「お待たせ致しましたー!スタミナ炒め定食です!」
おお。
これが今日の元気飯、スタミナ炒めか・・・!
・スタミナ炒め
ボリューム満点、薄切りの豚肉、オニオン、そして細切りキャロット。そいつらが良い感じにタレと絡まって茶色い宝石の様だ。あーこの香り、たまらん。
・ライス
茶色い宝石の山、それを迎え撃つは白いライスの山。定食にはライスが無いと始まらない。
・コンソメスープ
シンプルなコンソメスープ。きっと優しくて温かい味なんだろう。美味しそうな香りがそう、私に囁いている。
さあ、気合いを入れる元気飯。
今日も美味しくいただこう。
そんな訳で、スタミナ炒め。
肉炒めでも野菜炒めでもないそのネーミング。
ガッツリ食らってモリモリ元気を出そうじゃないか。
箸で肉と野菜、こいつを掴めば。
そのまま口へ、いただきます!
―――シャキシャキ野菜にガッツリ豚肉。こいつはもう、食べれば元気が出ちゃう美味しさ。
スタミナ炒め、正にその名の通り。
この間違いのない美味しさ、味。
肉と野菜を甘辛く炒めたこの料理、私にとって元気のでるご馳走だ。
こう、ガツガツ行けるこの感じも良い。
スタミナの塊、皿の上の料理。
これをガツガツ行ってこそスタミナがつく。
シンプルに二つの野菜、そして肉。
なのにどうしてここまで美味いのか。
・・・味付けと料理人の腕か、そりゃそうだよな。
オニオンは良い感じにシャキシャキだし、細切りのキャロットはコリッと。
豚肉はしっかりジューシー。
それを一回の炒めで実現している。
本当だよ?カウンターで私見てたから。
高い火力で一気に炒めた、それだけで全ての具材が良い火加減。
これ、本当に凄いことだよな。
そしてこの甘辛い味付け、これがまた美味いんだ・・・。
このスタミナ炒め、その名前を担当する、タレの味。
甘過ぎず、辛過ぎないこの絶妙な塩梅。
甘辛いこの味こそが、この料理をスタミナ炒めに仕上げている。
ああ、なんだろう。
食べれば食べるほど、オニオン、キャロット、そして豚肉。
こいつらが脳裏に浮かんでは消えていく。
これはスタミナ、絶対つくぞ。
モリモリ食べてスタミナつけよう。
その為にも、追いかけライスは必須ですな。
野菜と肉を掻っ込んで、ライスを思い切り頬張れば。
―――はい、スタミナ丼一丁!甘辛い肉と野菜、ライスで楽しんでいってくれ!
はい、楽しみます!
・・・じゃなくて、まあ、美味い。
というか楽しんで行ってくれって、誰目線だよ。
しかし、本当に最高だ。
美味いおかずを白いライスで追いかける幸せ。
その幸せが、ここには十二分にある。
こう、野菜のシャキシャキ感、肉のジューシーさ、そしてライスの主食たるこの感じ。
それを思い切り、好きなだけ楽しめる。
しかもライスお代わりし放題なんでしょ?
絶対しちゃう、ライス一杯じゃ絶対足りないよ、これ。
ああ、甘辛いこのタレ、コイツもライスとバッチリだ。
肉と野菜を一度ライスの上でバウンドさせる。
その後野菜と肉を追いかけて食べるライスの美味さ、また格別。
タレがね、良い感じにライスに染み込むの。
白いライスを自分色に染めるスタミナ炒めのタレ、凄い。
美味しくて堪らない、美味しさが止まらない。
食べれば食べるほど加速していく、私の食欲。
うん、間違いない、こりゃスタミナモリモリつくわ。
こう、ガツガツモリモリ行けるそんな幸せ。
定食特有の幸せだよね。
ここにおかずとライス、それがある。
それだけで、それだけで・・・。
そんな訳でモリモリ食べ続ける私。
しかし、そんな私の鼻腔をくすぐる存在がいる。
そう、コンソメスープ、君の事だ。
食べる前から良い香り漂わせちゃって。
おかげさまで腹が減ってしょうがない。
取り敢えず、そうだな。
此処で箸休めも悪くない。
カップを持って、いただきます。
―――あー、やっぱり。想像通りに凄く美味しい。優しい香り、そして優しくて力強いこの味。これはお代わりしちゃうコンソメスープだ。
コンソメスープ。
字を読んでそのまま、コンソメのスープ。
なのにこの味、この香りが私を魅了して止まない。
何というか、こう。
不思議な奥深さがある。
錬金台の鍋、まるでそこから出てきた様なこの旨味。
明らかに普通ではない、凄く美味しいスープなんだ。
飲めば飲むほど、また分かる、分からされる。
あー、これは良い、素晴らしいスープ。
きっとこう、手間かけてるスープなんだろうな。
こんな美味しいスープ、それを定食の汁物としてポンと出せるこの店の懐の深さよ。
お、よく見たらオニオンが溶け込んでる。
スタミナ炒めとはまた違ったオニオンのこの姿。
あちらが元気もりもりな元気ちゃん。
とすればこっちはひっそりたたずむクールちゃん。
そんな感じだろうか?
しかしこのオニオン。
スタミナ炒めでも、コンソメスープでも。
どっちでも美味しいんだよなぁ。
こう、なんていうのか。
スープにとろけてる感じが好きなんだよな。
しみじみと美味い、黄金のスープ。
素晴らしきかな、コンソメパワー。
さぁ、汁物で口の中をすっきりさせたら。
あとはまた、ガツガツスタミナ飯を、食うべし食うべし。
今日の為に、明日の為に。
魔術師、その仕事の為に。
スタミナ炒めを食べて、ガツンと元気をもらうんだ。
ガツ、ガツ。
むしゃむしゃ。
そんな擬音が出てきそうなほど、私は今思い切りこの定食を味わっている。
食べれば食べるほど元気が沸く。
そしてその沸いた元気が、また飯を食えと騒ぎ出す。
スタミナ炒め、その永久機関。
食べて回り続ける、食卓の歯車。
今の私は、きっとそう。
たまにコンソメスープという名のオイルを歯車に注ぎ、また回り続ける。
美味い、美味い。
唯々それを考えながら食べ勧める。
ああ、間違いない。
これはスタミナ、がっつりつくぞ・・・!
「すいません!ライスお代わりお願いします!」
「はーい!」
「ありがとうございましたー!」
あー、美味しかった。
ライス、結局3杯も食べてしまった。
コンソメスープもお代わりできるとの事でお代わりしちゃったし。
ああ、満腹だ、もう食えない。
でも、なんかこう、元気が湧いてきた。
やはり美味い飯、そこから元気をもらったんだろう。
今日は早めに寝ようか?
そんなことを考えながら、煙草を一服・・・。
ふぅ、良い余韻。
とりあえず、帰るか。
この後の事は帰ってから考えよう。
願わくば、次も美味い店に会えるように。
主人公(男)・魔術師。スタミナ炒めで元気が出て、家で残りの仕事も終わらせた。スタミナ炒め、万歳。
元気ちゃん&クールちゃん(女性)・学院の生徒。優等生。実は成績学年1位と2位。