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鉄板焼きのヤキソバとネギ焼

1日1話だと思っていたら昨日2話投稿してました。焼肉食べたい。

本日はちょい曇りだな。

明日は雨が降るかどうか微妙、明後日は良い感じに快晴の予報である。

この天気予報とやらも役立つもんだな。


さてさて本日3日目、今日は1日目と2日目の総復習だ。

というのも明日、明後日は私が授業を行うためとの事。

先生、何とか頑張ってください。


「いいですか、初級魔法はすべての基本、魔術にも通じるものがあります。この初級魔法を使いこなしてこそ大魔法使いや大魔術師になれるんですよ!」


「えー・・・。」

「もっと派手な魔法使いたいよな。」

「ていうか私、もう初級魔法万全だと思うんですけど。」


だから派手な魔法を使うためにも初級魔法が大事なんだよなぁ。

うーん・・・。


「あー、君たち、先生がおっしゃっているように初級魔法は非常に重要ですよ。」


「でも初級魔法ばっかり飽きちゃいますよー。」


まぁ、それには同意するが・・・。


「それでも、です。初級魔法が完全に万端になってからなら派手な魔法や中級魔法もいいかもしれませんね。」


おっとしかめっ面。


「・・・一応、初級魔法は万全だと思いますが。」


「おや。でしたら1問初級魔法の属性について問題です。ファイアとウォーターを連結した初級魔法、ファイアウォーターですが、この属性はなんでしょうか?」


「ファイアウォーターですよね?火でしょう?」


「理由は?」


「だってファイアウォーターって燃料とかになる燃える水じゃないですか。じゃあ火ですよね?」


「あー・・・残念。外れです。」


「え、じゃあ水?」


「残念、それも外れです。答えは無属性ですね。」


えー?と首をかしげる生徒。

残念無念、答えは「一応」無属性なのである。


「いいですか、魔法とはそもそもなんでしたか?」


「えーと、魔力を自分の力で何らかの現象を起こすものですよね。」


「ええ、その通り。ではファイアウォーターですが、これはどんな現象を起こしてます?」


「どんなって・・・燃えるじゃないですか。」


「ええ、燃えますよね、火をつければ。逆に言えば火をつけないと何も起こらないでしょ?」


そう、火をつけるという手段が必要な燃える水。しかし火をつけないと何も起こらない。


「あー・・・。でも火をつけなきゃ相手濡れますよ?じゃあ水属性でいいですよね?」


「水って燃えます?火を消すときに水を使いますよね?この点が矛盾しているということで水属性からは外されているんです。」


こうやって矛盾した現象を起こす魔法、そういったものはすべて無属性に吸収されていく。

だから無属性の魔法は非常に多く、多岐にわたる。

無属性の無は矛盾のム、もしくは無限大のムといわれるほどだ。


「えー、何だか卑怯な感じの問題ですね・・・。」


「卑怯ですが、初級魔法が万全じゃないことは証明できました。さ、しっかり授業を受けましょうね。」


はーい、と授業を受けなおす生徒。


・・・改めて考えると私、初めて授業の立ち合いでいい仕事をしたのでは?


――――――――――――――――――――――――――――――


さて、授業も終わり明日で4日。

仕込みの終わった5日目も明後日だ。

明日の授業についての打ち合わせで夜になってしまった。

事故なんぞ起きたら最悪だからな。


さて、気を緩めないためにも今日はもちろん明日も美味い飯で気を引き締めるとしよう。


今日は何を食べに行こうか。




毎度おなじみ飲食街。


来る途中にいろいろ悩んだが、今日は居酒屋にでもしようかと思う。

気合を入れるためだ、燃料の酒も多少入れなければ。


さてさて、居酒屋探し。

今日はどんな店が待っているだろうか。


鮮魚系。

昨日イカたべたからなぁ。


立ち飲み居酒屋。

お、いいなと思ったが、人が込みすぎている。

人込みはちょっとな・・・。


鉄板焼き・居酒屋

鉄板焼きに居酒屋とな。

良いじゃないか。

「鉄板居酒屋 ギン」、店の名前も渋くていい。今日はここだな。



「はいいらっしゃい!」


「すいません、1人ですが・・・。」


「大丈夫!カウンターどうぞ!」


おお、カウンター席ゲット。

鉄板焼きだとカウンターにいた方が楽しいと思うのは私だけではないはず。

目で楽しみ、その味を楽しめる、一石二鳥だ。


メニューは・・・壁か。


「お冷、どうぞ~。」


「あ、どうも。」


可愛らしい店員さんだ。

鉄板を焼いている店長みたいな人とは大違いだな。


そんなことはどうでもいい、メニューだメニュー。

しかし壁にかなりのメニューがある。


これは悩みどころだ・・・。


酒は・・・まずはエールでいい。


他はうーむ・・・良し、とりあえずヤキソバを頼もう。

残りは後で追加していけばいい。


「すいません、注文をお願いします。」


「は~い。エールはすぐにお持ちしますか~?」


「あ、お願いします。」



さすが鉄板焼き屋のカウンター。

目の前でソバが焼かれていく。具材が投入され、味付けされていく。

なぜだろう、なぜかこの光景が楽しいしワクワクする。

そしてワクワクする光景を見ながら飲む酒、これもまた乙なものだ。

まるで一種の芸術作品、その完成までの過程を見ているよう。


「お待ち!焼きそばです!」


・ヤキソバ

鉄板の上で炒められた具材、そしてソバと呼ばれる麺。その煽情的な香りがたまらない。


さてさて、早速いただこうじゃないか。

作る過程を見ていたんだ、もう我慢が出来ない。


―――美味い。甘辛ソース、麺、具材、まさに調和のとれた芸術品。


さすが料理のプロが目の前で演出してくれた芸術品。

目の前にある焼きそばから放たれる暴力的な香り、口に入ればたちまち高貴な香りに変化する。

シンプルな調理の裏に、この店の歴史を感じさせてくる。


いやはや、見ているだけで美味しいと思ったがここまで美味しいとは。

これは酒が進んでしまう。


ずぞっとすすった時の香り、口の中であふれ出る美味しさと楽しい感触、そしてそれを洗い流すがごとく冒涜的なエール。

更にこれ、麺の硬さもちょうどいい。

具材のキャロットやポークと相性抜群。

このヤキソバ、食ってなかったら後でへこむ奴。



おっと、エールが尽きた・・・。

早いペースで飲みすぎたな。

うーむ、ここはウィスキーのロックか、再度エールか、悩みどころだ。


いや、メニューに合わせて酒を選ぼう。

このヤキソバだけじゃ私の腹が物足りない。


さて、次に食べるメニューは・・・。

王道のステーキ、鉄板焼肉、お好み焼き、どれもいいじゃないか・・・。

だがまだ早い、そんな気もする。


お、なんだ、ネギ焼。

なんだ君。シンプルな名前のメニューだな。

気に入った。

私の直観によると、こいつはエールと合いそうな気がする。


「すいません、エールのお代わりとネギ焼を1つ。」


「あいよ!」


ネギ焼、どんなものなのだろうか。

名前からして野菜、野菜をそのまま焼いて出す、それも酒のつまみになるだろう。


・・・ん?あれは野菜と、パンか何かの液体?

液体を鉄板の上に乗せて・・・その上に野菜、そして更に液体。

なんだなんだ、どうなっていくんだ?




「お待たせしました~、ネギ焼です~。」


おお、これは・・・。


・ネギ焼

ネギと呼ばれる野菜を生地で焼いた料理。名前もシンプル、見た目もシンプル、でも期待感は非常に高い。ソースがまたいい感じ。


ではでは早速いただきます。

これは・・・ヘラで切るのか。

なるほど、では1口。


―――口の中が、まるでネギ畑。シンプルで究極に美味しい。


これ、すごい。

凄く簡単な手順で作っているように見えたのに、その美味しさは本物。

ネギ、良い感じのシャキシャキ感があるのに全く青臭くない。

そしてこの生地。

これ、すごく、もちもちしてる。


ソースと生地、ネギだけのシンプルな料理がここまで美味いとは。

これは酒も進みますねぇ・・・。


ヤキソバ、そしてネギ焼。

調理を見て楽しみ、味わって楽しみ、その幸福感を酒とともに感じる。


これは気合、はいっちゃうなぁ・・・。



「ありがとうございました~。」


可愛らしい方の店員さんに見送られて店を出る。

あー、結局ネギ焼とエール、おかわりしちゃった。

本当はもっと新しいものを食べようと思ったんだが。


あのシンプルさ、そして軽快に食べれる感じ、凄い。


美味い飯で気合も十分、酒で良い感じの酔いだ。

今日はこのまま帰って軽く一服、そのまま寝て明日に備えよう。

それに明日は焼肉と決定してるんだ。


願わくば、次も美味い店に会えるように。

主人公(男)・魔術師。後日家でネギ焼を作ろうと思ったができたのは禍々しい何かだった。


ファイアーウォーター・燃える水だが水ではなく魔法だが魔術寄りという複雑な物。冬に暖房器具への燃料として大活躍。

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