何だよこれ、まるで要塞の様なラーメンじゃないか!
この世界はファンタジーです!だから15で飲んでます!
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ちなみに私はこの話を書くために実際に行ってきました。
精神が死にました、まる。
ふぅ、いい朝だ。
天気も・・・うん、快晴。
正に絶好の仕事日和だ。
そんな中、今日の私の依頼。
それはこれ、ゴブリンの討伐だ。
いや、まぁこれは依頼という訳ではないが。
何とも最近、ゴブリンやオーク、オーガが凄く増えてるらしく。
魔術師である私にも声がかかってきたわけだ。
あいつら普段から狩らないとすぐ増えるからな。
特にゴブリン。
オークはまだ肉が食えるからいいんだが、ゴブリンだと魔石くらいしか需要が無い。
まぁオーガは色々使えるが危険度が高いしな・・・。
さて、とりあえず冒険者ギルドへ向かうとしますか。
「A引いたパーティーはこっちだー!」
「B、どこだB-!もうすぐ出るぞー!」
おお、凄くにぎやかだ。
久しぶりだな、こういう感じ。
さて、私の引いたGのチームはどこかなっと。
「G-!Gはこっちだー!」
お、呼ばれてる。
どれどれ・・・ありゃ。
「どうも、お久しぶりです。」
「お?・・・おお、魔術師!よく来たな!」
顔見知りの冒険者パーティー、しかも元気ちゃんとクールちゃんのいるパーティーか。
「魔術師さん!よろしくお願いします!!」
「お久しぶりです・・・よろしくお願いしますね。」
おお、相変わらず二人は元気でクール。
しかし、まさかのくじ引きで顔見知りのパーティーとは。
これは一体・・・?
何かしら、作為的なものを感じるな。
まぁ、別に悪い事じゃないからいいんだけど。
「こちらこそよろしくお願いします。足引っ張らない様に気を付けますね。」
「はは、そのセリフはこっちが言うべきだな。」
「いえいえ、そんなことないですよ。メンバーはこれでそろってます?」
「ああ、いつでも行けるぞ。」
「そうですか。じゃあもう行きます?」
「おし、そうするか。お前らも、準備できてるか?」
「はーい!!」
「はい・・・。」
良し、じゃあゴブリン討伐と洒落こもう。
―――――――――――――――――――――――――
「グギャギャギャ!!」
「おーい、そっち行ったぞー!」
「はーい!!ファイア!!」
「グギャッ・・・」
哀れゴブリン君。
初級魔法とは思えない効果力をくらって、炭を取り越して灰になってる。
しかしこれ、このパーティー。
「うおりゃああ!!」
「グギャアアア!!」
前衛がベテラン冒険者。
ああ、真っ二つだよゴブリン君。
そして後衛が。
「ウィンド・・・。」
「グ、ギッ!?」
生徒とは言え、かなりの優等生2人。
これ、私いらなかったんじゃない?
私の働く場所が無いよ。
・・・あ、オーガ。
こっちに来てるな。
「グオアアアア!!」
うん、あれは私が倒すか。
流石に何もしないのはどうかと思うし。
「ほい、ファイアアロー。」
「ガアアア!?」
お、良い感じに口に入った。
ありゃ即死だな。
「・・・相変わらず、オーガをあんな簡単に。」
「しかも魔法の精度、凄いですよね・・・。」
まぁ、オーガ倒したし少しは働いたでしょ、うん。
―――――――――――――――――――――――――
「今日はあんがとな!」
「いえいえ、私ほとんど何もしてませんし・・・。」
「いや、お前さん1人でオーガ6体は倒してたじゃねぇか。」
「あはは。偶然ですよ。」
まぁ、おかげでちょっとした小遣いになった。
それに今回のゴブリン大規模討伐、その報酬も入ってくるからな。
中々良い臨時収入になったんじゃないだろうか。
さて、そうとなれば、やはり。
―――飯だ、美味い飯が食いたい。
このままギルドで飯を食っても良いが。
色々なパーティーが酒盛りしてるし、凄く騒々しい。
いや、騒がしいの嫌いじゃないんだが。
ここまでだと少し落ち着いて飯を食えない。
うん、やはり飲食街へ行こう。
昼飯もしっかり食えてないし、ここはがっつり行こうじゃないか。
「では、私はこの辺りで・・・。」
「お、なんだ、ここで飯食っていかないのか?」
「えー、魔術師さぁん、一緒にご飯食べましょうよぉ。」
うお、元気ちゃん、もう酒飲んでる。
というか凄いな、もう酔ってるのか。
「もう、ダメだよ?魔術師さんにも予定があるんだから。」
そしてクールちゃんも・・・酔ってるな。
ていうか君、そんなにすらすら喋れるんだ。
・・・お酒の力って、怖いね。
改めて二日酔いには気を付けよう、そんな気分になる。
じゃ、お暇して飲食街へ向かうとするか。
さて、やってきました飲食街。
今日はどんな料理が私を待ち受けているんだろう。
とりあえずはがっつり系。
腹も凄く減ってるし、思い切り食べたいところだ。
ああ、腹が減ってることを意識したとたん。
猛烈に腹が減った。
何でこう、腹が減ると更に腹が減るんだろう?
・・・そりゃ空腹なんだから当たり前だろう。
いかん、空腹で頭がおかしくなってきた。
これはもう、一番最初に見つけた店。
それでいこう。
どこか、入れそうな店は・・・あった。
おいおい、いきなり見つけてしまったぞ。
「ラーメン クリカラ」か、何だか不思議な店だな・・・?
こう、ラーメン店でよくある様な喧騒が感じられない。
だが、ここは最初の意思に従う。
ここを最初に見つけたんだ、ならここに入らなきゃダメでしょう!
いざ、入店!
「らっしゃい。食券そこで買って。」
おおう、これはまた。
武骨を通り過ぎてぶっきらぼうじゃないか、店主。
そしてこう、なんだろう。
何というか、豚骨の匂い?
いや、脂の匂いか?
そんな感じだ。
まぁ私はあまり気にしないから、とりあえず食券を買うが。
どれどれ・・・。
・ラーメン小
・ラーメン中
・ラーメン大
・ラーメン特大
おお、この4つしかない。
これはこの店、ラーメンにかなり情熱をかけているな?
この3種しかないとは余程自信があるようで。
ではでは、どれを行くかだが・・・。
そうだな、最初だし。
ラーメンの中にしようか。
もし食い足りなかったらその時はその時。
この店を出て他の店に行けばいい。
しかしこの店、静かだなぁ・・・。
皆夢中で食ってるのか?
それだけ美味しいんだろうか、ここのラーメン。
楽しみだ。
さて、カウンター席に座って、と。
「食券、お願いします。」
「あいよ。」
良し、あとは待つのみ。
皆が夢中になるラーメン、待たせてもらおうじゃないか・・・。
・・・まだかな。
結構待ってるんだが。
もうそろそろできても良い時間じゃないか?
「お客さん、ガーリック増しますか?」
え?
ガーリック?
増すって何?
いや、明日の事もあるし・・・。
ここは普通にするか。
「いえ、普通で。」
「あいよ。」
さて、どんなラーメンが出てくるか。
「はいお待たせ。ラーメンの中ね。」
・・・え?
・ラーメン中
極太麺にこってりスープ。そして野菜がドン、ドン、ドン!!!上から脂身たっぷりかかって、極厚チャーシューがお出迎え。横にちょこんと刻みガーリック。
な、なんだこりゃ。
がっつり行きたいと入ったが、ここまでがっつりとは言ってないぞ。
何だよこれ、まるで要塞の様なラーメンじゃないか!
いや、あわてるな、落ち着け。
見た目に圧倒されるんじゃない。
食う前から料理に負けてどうするんだ、私。
とりあえず・・・いただきます。
とはいったものの、これどう食えばいいんだ。
まずは上の野菜から攻めるべきか?
うん、そうだな。
野菜を少し食って、麺を食えるスペースを作ろう。
野菜を・・・良し。
上の脂身と一緒に食べちゃえ。
―――なんと、驚き。脂身に味が付いてて、野菜とマッチ。こってりしてるけど、これはこれであり。
何だ、結構いけるじゃないか。
脂身がただの脂身じゃなくて味が付いてて。
それをシャキシャキの野菜と一緒に食う。
そうするとなんだか、ああ。
肉野菜炒めみたいな?
それにラーメンの味を足したような感じか。
これ、嵌ったらとことんまで嵌る味だ。
現に私も嵌りかけてる。
と、なれば。
このチャーシューと一緒に野菜を食べても大丈夫なんじゃないだろうか。
この・・・うお。
箸で持つともう、重量を感じるとかじゃない。
重い、重いぞこのチャーシュー。
しかし肉は、ほら。
ホロホロ加減、箸で割れる柔らかさ。
良いじゃないの、食べる前から期待させてくれる。
さぁ、こいつを野菜と一緒に・・・。
―――ホロホロ肉と、シャキシャキ野菜。この組み合わせ、普通のラーメンじゃ食えないぞ。
ホロホロでしっかり味のついてるチャーシュー。
そこにこれまたしっかり味のついてる野菜、いや。
これ、野菜の上にラーメンのタレでもかけてる?
まぁ、とりあえずそれらが組み合わさって普通に美味しい。
肉と野菜だもんな、そりゃ相性も良いか。
何だ何だ、見た目だけか?
案外あっさり行けちゃうんじゃないの、このラーメン。
野菜と肉、上の脂身。
こいつらの攻略法が分かった時点で、もう要塞の内部を知っている様な物。
しかもそいつらが意外に美味しいから、これはもう。
要塞攻略待ったなし。
無血開城に王手だな。
さて、しばらく野菜を食べ勧めたが。
ここら辺で麺も行っておかないと。
グイっと水を呷って、良し。
麺に向き合う姿勢ができた。
麺を箸で・・・おおう。
重い。
ただただ、麺が重い。
極太麺、しっかりスープに絡まってる。
うおお、これは、もう。
究極のがっつり系ラーメンだ。
こいつを、こうだ!
うん、良い感じに引き出せた。
では、麺、行かせていただきます。
―――美味い。もちもち、コシと弾力のある面に、こってりスープがこれでもかと絡みつく。私のラーメンの歴史に、また1ページ。
なんだ、美味しいじゃないか。
こってこてのスープ、そしてがっちりとした極太麺。
がっつり系、それを地で行くこの美味さ。
麺の感触も凄く楽しくて、スープもしっかり絡んでる。
何よりこう、ラーメンを食べてる感が尋常じゃないくらいだ。
細麺とかだと啜って一拍置けるが、この極太麺とこってりスープは休みが無い。
一口行けば延々と食わされる、そんな気分だ。
でも、そんな気分が、丁度いい。
このガツンと来る味、ストロングな姿勢。
そこにピッタリ当て嵌まってる。
そうだ、野菜やチャーシューに気圧されていたが。
私は今ラーメンを食っているんだ。
この麺が、スープが、それをしっかり私に再確認させてくれる。
あー、このくどさ、このラーメン。
偶にはこんなラーメンもありだな。
麺を食い、野菜を食い、肉を食う。
そうしていると気になってくるのがこいつ。
そう、ガーリックだ。
刻んだガーリック、今は全く混ぜてないが。
混ぜたら一体、どうなるんだろう・・・?
気になる。
私、気になります。
ええい、男は度胸、全部混ぜちゃえ。
うおっ、ガーリックの匂いが、凄い!
さぁ、ここで麺を・・・。
―――あー、これはこれは。ガーリックの強烈パンチ、強烈な麺と汁にがっつり嵌った。まさかの要塞、火を噴いたぞ・・・!
これは、強烈。
凄く強烈、なのに。
次の一口が、欲しくなる・・・!
なんだ、これ。
この感覚。
凄く強烈で、こってこてのラーメンに、ガーリック。
普通なら敬遠しそうなそれを、どこか、止められなくなってる私がいる。
一口すすれば、また一口。
極太麺の主張が凄い。
そこに絡まったスープが口の中で広がって。
最後に〆のガーリックパンチ!
私の食欲はもう、とっくに失神KOなのに。
ダメだ、止められない、止まらない・・・!
何だろう、この中毒性。
食べても食べても無性に何だか、次の一口が欲しくなってくる。
そしてこのラーメンは、そんな私の食欲に応えてくれる。
・・・というか、少し応えすぎじゃないだろうか。
まだ野菜半分残ってるし、麺に至っては・・・うお。
まだまだスープの底に残ってる。
これ早く食べないと伸びちゃうな。
そりゃ、この店静かなわけだ。
必死になってこれ食わないと伸びちゃうもんな。
とか言ってる場合じゃない。
私も早く食べないと。
極太麺が伸びたらもはや大惨事じゃすまないぞ。
こりゃいかん。
野菜を脂身とガツガツ行き、チャーシューという名の塊肉へ食らいつき。
麺を必死に啜る私。
しかし、いくら食べ度も食べども終わりが見えない。
ああ、こいつ、確かに要塞だった。
誰だ最初に要塞を無血開城とか言ったの。
そんなのこいつ相手じゃ全く持って無理難題。
要塞はやっぱり要塞だったんだ。
頼む、頼むぞ私の胃袋&食欲。
まだ持ってくれ。
ここでこのラーメンに、ラーメンを食う私自身に負けてはいけないんだ・・・!
頑張れ、頑張れッ・・・!!
「ありがとうございました。」
う、うっぷ・・・満腹。
もう満足を通り越してる。
でも、凄くがっつり系、良かった。
私の求めてたものにピッタリ嵌った感じだ。
・・・いや、嵌りすぎて他の枠壊してるな、これは。
ああ、最後のスパートで飲んだ水が効いてる。
これはちょっと、煙草で休憩だ。
火をつけて・・・うっぷ。
・・・ふぅ。
何だろう、少し落ち着く。
いやでも、何だか中毒性があるな、ここのラーメン。
きっとこの味、いつかふとした時に食べたくなる味だ。
さて、帰ろう。
帰ったら・・・そうだな、コーヒーでも飲むか。
願わくば、次も美味い店に会えるように。
主人公(男)・魔術師。後日またダイエット中の先輩にこの店を推薦。1日中先輩に追いかけまわされた。
元気ちゃん&クールちゃん(女性)・魔法使い。元気ちゃんは酔うと絡み酒、クールちゃんはキビキビしだす。ギャップがあって良いと学院の男子生徒に評判。