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紅頭巾Ⅲ・Ⅳ ~呪詛石の戦慄~  作者: サッソウ
紅頭巾Ⅲ
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第五篇 城内

 白い城の門が閉まっていて、中に入れないようです。

(私は、お嬢ちゃんに全てを話せるのだろうか……?)

 熊沢さんには城が、少し暗く見えていました。

「ここ、覚えてる。……でも」

 フロールにも城が暗く見えてきます。空を見上げた熊沢さんは、

「荒れますね……」

 空を暗い雲が覆います。

「予報によれば、今年はダイヤモンドダストやオーロラが見られるみたいですよ。少なくとも、昨晩の予報では」

 熊沢さんとフロールは、ホワイトキャッスルの中に入る。どうやって、門を開けたのか。お察しの通り、フロールの解錠魔法です。

「ビューティフル! これぞ、形容しがたいほど美しい内装」

「スゴいね」

 フロールにツッコミを入れてもらうどころか、ボケをさらっと潰された熊沢は、ツッコミがいないことを改めて痛感しました。そもそも、”形容しがたいほど”って、伝わるんですかね?

(私の願い、この体を犠牲にしてまでの願い、本当に叶ってるんでしょうか……)

 熊沢さんは溜め息をつきますが、フロールは城内を見回して、

「やっぱり、ここ知ってる。でも、なんでだろう……」

 来たと言わんばかりに、熊沢は「なんでだろう」と寂しく連呼し、フロールに冷たい目で見られたことは、言うまでもない。


 城内5階。廊下。

 白いマントに、白い帽子を被った魔導師が、宙に浮いています。さらに、左手には杖を持ち、右手には本を持っています。杖の頭部には、透明の瓊玉(けいぎょく)が埋め込まれ、木製のようです。

「まさか左利きとはな……」

 と、近くにいる少年が言いました。魔導師は無表情のまま、呪文を唱え、不気味な声で

「ワタシハ ムテキダ。ナンピトタリトモ、ワタシニ フレルコトスラ デキヌ」

(あい)(にく)、無敵だとか完璧だとかは嫌いでね。触れることくらい、簡単……」

 少年は(めい)(そう)し、唱えて、

「魔法を使えるのは、お前だけじゃない」

 魔導師は()(えん)、少年は雷電を繰り出し、その2つが衝突し、激しい爆音と煙を発します! 両者に届くこと無く、相殺したようです。少年の名は、シェイ君。

 戦闘は、階段を下って、城内3階へ。激戦により、床が抜けてシェイと魔術師は2階へと転落。魔法が常に衝突し、煙が立ち込めます。


 一方、城内1階では、熊沢さんが(とう)(とつ)に、

「やっぱり、私は口が堅くありません。(かっ)(とう)をしても、(てん)(びん)は傾き続けました。……お嬢ちゃん、あなたは──」

 それを聞いた、フロールの表情は少しずつ変わり……


To be continued…


解錠魔法が今回も登場。なんか、毎回登場している気がするのは、気のせいでしょうか?『龍淵島の財宝』の時も出てきましたし。

さて、シェイ君が登場しました。『龍淵島の財宝』で先にヒトの姿で出てますが、本編ではお初かな。飛蝗の姿では無く、ヒトの姿で魔法を使ってます。

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