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紅頭巾Ⅲ・Ⅳ ~呪詛石の戦慄~  作者: サッソウ
紅頭巾Ⅳ
21/39

第二十一篇 違和感

「どっちにしろ、俺は未習得。それに……」

 シェイは少し黙って、連絡魔法を使った。

 しばらくすると、シェイは

「まずいことになった。龍は、街にいる」

 最初に、熊沢はシェイに聞いた。

「どこにtelephone(テレフォン)したんですか?」

「知り合い……だな」

 シェイのその一言で、熊沢は変な疑問を抱いた。

friend(フレンド)に捜索依頼ですか?」

「……そうなるかな」

 熊沢は(かま)をかける。

「最初からfriends(フレンズ)に頼めば良かったのに……」

「そんなこと、出来るかよ。気まずくてな……」

 熊沢がとどめに

「動物の勘って、凄いモノですよ。人間の時にいう第六感より強くてですねぇ、(しん)(ぴょう)(せい)が妙に高いときがあるんですよ。メネア君とは、短い時間ながら一緒にいた。だからこそ……」

「熊、何を……?」

 フロールは分かっていないようだが、ロバと栗鼠山、熊沢は感じていた。彼は誰か? そして彼は存在しない。

「メネア君の性格をこれでも十分解っているつもりですよ」

「フロール、こいつら変だぞ」

「……変なのは、君だよ。誰?」

 フロールも見破った。

 シェイが舌打ちをして、

「……残念だな。このまま黄泉(よみ)に連れていってやるよ」

 シェイ、いや偽物が本性を現した。


 一方、本物のシェイは真っ暗ななか、ただ1人、立っていた。

(異空間か? おそらく、虹色に輝いたときだろうな……)

 シェイは魔法を使えば、この空間から脱出できるが、フロール達を見つけるのが先決であると考え、周りを見渡した。しかし、誰もいない。だが、一周だけ周りを見たあと、前を向くと目の前に人が立っていた。

「!?」

 驚いて声が出なかった。

「誰かと思えば、靴屋の子供か……」

 誰か一瞬分からなかったが、今分かった。フロールの母親、マードレ・クリズン。

「ここは、フロールのお母さんが作った空間ですか?」

 シェイの問いにマードレはただ一言だけ

(いな)

 その答えを聞いたシェイは、今後一切の質問において、返答が認めるか否認のみだと感じた。シェイは、フロールの母親であるマードレが作った空間だろうと推測したが、先程マードレはこれを否定した。

「靴屋の子供、まじゅちゅしの……」

 あっ、噛んだ。

「まぢゅ……」

 噛みました。

「……魔法力を持つ者の血縁。フロールから離れなさい」

 マードレは諦めて言い換えました。シェイは

「フロールから離れるため、街から追放するために俺の祖父に(やまい)を」

「逆だ。お前の祖父は死んでいたはずだ。いや、言い方が違うか……、すぐに死ぬはずだった。しかし、  」


    *


 花屋の前で、一人の老い()れた男性が、店員と思われる女性に頭を下げている。男性は

「お願いだ! あの子には、もう親がいないんじゃ。あと3年、いや2年でいい! あの子が一人前に、立派になるまででいいから、あと少しの余命を頂きたい!!」

 女性は無視を続ける。すると、店長と思われる人物が

「魔法で寿命を延ばすことなんてできるのか?」

 その問いに答えたのは、外が騒がしくて様子を見に来た、隣の店舗の店長らしき人物で、

「寿命を延ばすことは不可能だが、病気をある程度遅らせることは可能らしい。未知の病だろ? 今は本屋を営んでるが、知識はある」

 花屋の店長は男性に本屋の店長をこう紹介した。

「……彼は、医学部に進んだが金の関係で医者になれなかった本屋の店長だ」

「世界のどの病院に行っても治らないと言われた……。頼む!」


To be continued…


正月休みもそろそろ終わりですかね。『紅頭巾』は次回より、もとの更新間隔になります。年末年始でかなり進んだように見えて、話の展開はぼちぼちと?

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