表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅頭巾Ⅲ・Ⅳ ~呪詛石の戦慄~  作者: サッソウ
紅頭巾Ⅳ
18/39

第十八篇 第7

 (とつ)(じょ)、空から雨粒が落ちてきた。雨かと思ったが違った。空に雲が少しあるものの、雨雲には思えない。しかし、雨粒が10粒ほど降ってきた。上空には、龍しかいない。

「龍の涙……」

 シェイがそう言うと、熊沢は

「天下の大泥棒が盗みそうなjewel(ジュエル)のネーミングみたいですねぇ」

 少し走ると、障害物が次々とあった。

「障害物がまたあるな……」

 シェイは心当たりが少しあった。

「世にも奇妙なストーリーの始まりですかねぇ……」

 熊沢はバイクを加速させた。

(他にも妙なものは落ちていた。だけど、路上に落ちていたのは数少なかった。……魔法を疑うしかないな。フロールの魔法か?)

 シェイは十中八九そうだろうと思った。他に思い当たる節がないし、しっくりくる。

「ガールフレンドに罪を(なす)り付ける飛蝗(バッタ)

「熊、何か言ったか?」

「いえいえ。"Bride(ブライド) in(イン) the() future(フューチャー)"といったところでしょうか」

 笑う熊沢。直訳すれば、未来の花嫁。シェイは熊沢の背中を何回か殴った。

(でも、結ばれないfate(フェイト)ですか……)

 熊沢はある話を聞いていた。運命は時に残酷……


 熊沢のスイッチがオンになった。何の前触れもなかった。だが、シェイには理由が分かった。

 熊沢が運転するバイクは、時速120キロに達した。法定速度が定められていない道路。交通量はバイク1台とリムジン1台。

 リムジンも熊沢のバイクを追うため時速120キロに達する。

「一回恐怖を味わうべきか…」

 シェイは諦めた。120キロのバイク、二人乗り、熊沢をつかんでいる両手のうち、右手を離す。

 人差し指で呪文を描く。

 龍、バイク、リムジンの速度が徐々に落ちる。

「遠隔操作魔法の応用、同時遠隔同一操作魔法……」

 複数のモノを同時に、同じ命令に従わせる魔法。禁止魔法類に属し、いかなる場合でも使用してはならないが、例外がある。シェイはある理由でこれをはじめ、一部の禁止魔法を使用しても構わない。

 完全に停止すると、シェイはバイクを降りて、リムジンの方へ歩く。

 フロールが気づいて窓を開けると、

「メネア君はスゴイね。今の魔法はどうやるの?」

 シェイは自分がメネアと偽名を使っていたことを思い出した。危なく、自分の名前を言いそうになっていた。

「ランダム魔法は、禁止魔法類に属して、一般階級の魔法使いは使用できないんだが……」

「だって、第7なんたら階級とかで……」

「もしかして……、第7特殊非皇族……」

 シェイが詰まると、ロバが

(だい)(なな)(とく)(しゅ)()(こう)(ぞく)()(じゅつ)()(けつ)(えん)(かん)(けい)(しゃ)()(かく)(じょう)()()()(こう)(にん)(かい)(きゅう)(ざん)(てい)(さい)(こう)(かい)(きゅう)

「よく知ってるな……。普通は、そんな長い言葉知らないはずだが。それに、知ってても覚えられないんだけどな……」

 シェイは回答次第では、敵対すると感じた。しかし、ロバは

「趣味が読書。それだけです。確か、熊沢書店で魔法関係の本を読んだことがあって、長い名前だったから、面白半分で覚えたんですよ」

 と、笑って答えた。

 バイクを止めた熊沢はシェイとロバに、

「何ですか? その中学生が考えたような長い階級は?」

「お前、魔族のお偉いさんに消されるぞ……」

 と、シェイ。ロバが説明口調で

「名前の通りですよ。まず"第漆(だいなな)"の"7"は漢字で(うるし)っていう意味もあるんですよ。漆職人だった皇族ではない魔術師が代々自分の家族の人、主に息子や娘に魔法使いとしての資格を受け継がせるんです。その際に、試験や公認の必要は無くて、その時点で最高とされる階級になるわけです」

「協会があって、そこが決めたことだ。つまり、フロールの家族は全員、階級が最高ランクって訳だよ。詳しい階級区分は分からないけどな」

 と、シェイ。


To be continued…


第漆(だいなな)の名称は、長すぎてコピペもミスりそうだな……。注意せねば。とはいえ、ここしか出てなかったような……

無駄に長い名称って、なんとなく覚えたくなりますよね。覚えられるかどうかは、別として。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ