32話
隠し階段を降りていくと、細い通路が現れる。
階段部分は石造りだったが、その通路は洞窟のような土壁だ。
そんな薄暗い通路を進むと、急に様子が変わる。
「なんだこれ。鉄? プラスチック? 違うな。これはいったい、、、」
壁や床が、急に白くツルツルしたものへと変わる。触り心地としては、ツルツルに磨いた大理石のようだが、石とも違う気がする。
そしてその通路には、いくつもの扉のようなものがある。しかし取っ手もないし、開け方がわかない。
「いったいここは、なんなのでしょう?」
リナから不安そうな声が出る。
イルナも同じ思いのようだ。ただ、リディアだけが、珍しいものが見れて嬉しいのか、嬉々として壁をベタベタと触っている。
「とりあえず先に進むか」
そう言って、奥へと進むと、突き当たりの扉までやってくる。
「ここもか。どうやって開けるんだ?」
やはり取っ手や鍵穴らしきものは見当たらない。壁に枠があり、もう一枚壁がはめ込まれているようだ。
扉ですらないのか?
そう思い、そっと触れると、それは開いた。
「開いた?」
中は、少し開けた空間だ。椅子がいくつかあり、その全てが壁を向いている。そしてその壁にはガラスが貼ってあり外が見える。が、ここは地下、当然外は土だ。
だが、正面は違う。さらに拓けた空間に、黒い渦のようなものが見える。そしてその中心には、、、
「マオ!」
思わず叫ぶ!
そうそこには、宙に浮かぶマオの姿があった。
「ついにお出ましか、勇者御一行さま」
正面の椅子がこちらへと振り返る。そこには、美しい女性が座っていた。




