第六十ニ話 魔法少女あるいは精霊の鎧
すみません。今回も少し設定多めです。
精霊は誰の目にも見えるものでは無い。
これはもはやどの世界でも常識だ。
地上の存在として顕現している精霊しか、大多数の者は見る事が出来ない。
見えている者の大部分も、自分の契約した精霊や偶々波長の合った精霊のみしか見えていない事が多い。
精霊はほぼ自然の万物に存在している。完全に精霊が見える者からは、文字通り世界が変わって見える。
世界がもう一つ在るように見えるかも知れない。それ程までに精霊はあらゆる場所に存在している。しかし感知出来るのは感度が相当良い方の人でも世界樹の森に精霊が満ちていると判る程度だ。
それだけ精霊を見るのは難しい。
精霊側からしても本来人とは居る場の異なる存在であるから、姿を見せるだけで力を消耗する。
強大な精霊であれば司る力で自然災害を引き起こすことも簡単だが、それと姿が見える見えないは大きく違う。
精霊の司る自然などは精霊と表裏一体、自然の化身が精霊であると捉えてもそこまで間違いでは無い。だからその力を使うのは手足を動かすのと変わらない。
けれども精霊と人の関係はそうではない。信仰などを受け変化した精霊も数多く存在すれど、やはり別の存在だ。
生者が死者に会えないのと同じように、精霊には会えない。
超位存在で誰の目にも映るのは龍や古の巨人止まりだ。その存在を考えれば当たり前の事。
真に精霊として生でも受けない限り、自身を仙人に昇華させるなどしないと見える筈も無い存在、それが精霊である。
まあ、僕には何故か最も存在の小さい粒子精霊までくっきりと視えるのだが……やっぱり田舎は視線を遮るものが無いから視力が鍛えられるのだろうか?
「精霊は見えるものでは無いから、その精霊で作られたものも見えない。魔法少女の衣装が見えないのはそう言う事なんだね?」
「そう言う事だ」
考えてみればすぐに解る事だったが、全く気が付かなかった。
それは僕が精霊を視れるからだろう。
更に言えば、いつも魂も心も内蔵も、未来過去だって僕は視ている。
服として物理次元に無いところで気が付けない。
「精霊の鎧を授ける側の人は、皆精霊が見えたんだね」
「ああ、流石に精霊を遣わせる程になるとな。神でなく人であろうともその段階では精霊が見れる。そのくらい精霊に対して感受性が無いと精霊の鎧は創れないからな」
「そして授けられる側も、最低限精霊が見れる才能があったのですね?」
「ああ、精霊の鎧を神器として創ればそこに宿る精霊は創りての力を引き、純粋な精霊では無くなる。だがその神の力も人の目には映らない超常の力だ。多少力が混ざったところでそこらの人間には見えない。それでも力を与えられる側には、与えられるだけの神との繋がりがある。だから元々精霊が見えないとしても、精霊の鎧自体は見える訳だ」
授ける方も授かる方も精霊が見える。
この条件が揃ってしまえば、両者は精霊の鎧の重大な欠点に気が付け無い筈だ。
授ける側が神々であっても、信者の声から異変に気が付く事はできない。
祈りは聞ける。だが、変質者に対する祈りは珍しいし、受け取っても本当にそうだとは判らない。
神々は信者を見守れる。特殊な領域でない限り、その信者を俯瞰するように周囲の光景ごと見守れる。
しかし、信者の視界そのものを視れる訳ではない。真に神の使者と言える程に高位の信者が存在すれば、その使徒の視界は視る事が出来る。しかしその使徒は精霊の鎧を見れる側、異変には気付けない。
寧ろ、神の眼による確認が出来るからこそ異変が無いと結論を下せてしまう。
高位故の弊害だ。
そして授けられる側も、他者の視線から気が付く事は出来ない。
何故なら問題となるのが、精霊の鎧だからだ。
「変身ヒーローって、正体を隠すものだしね」
正体が明らかなヒーローは中々いない。
「ああ、隠す意味が無くとも一種の伝統として、精霊の鎧を身に纏う者達は自分の正体がバレないように努めた。周りから正体どころか服の下まで丸わかりなのにも関わらずだ。だから全裸だった事について問い質されそうになると話をはぐらかし、聞く方は露出卿の英雄譚と露出教を知っているだけに聞かれたくない態度を出されると追及し難くなった。
皆勝手に露出卿のようにやりたくも無いのに仕方なくやっていると誤解した訳だ。そして張本人達はいつまでも自分の状況を知る事が出来ずと、それが永きに渡り続いた。
そう言う俺も、着たことは無いが知らずに信者に幾つも与えてしまった。一体幾つの精霊の鎧を渡してきた事か……」
そう言いながら、遥か遠くに死んだ視線をやるゼン。
これは相当な数の精霊の鎧を配ったのだろう。
面倒事を嫌うゼンは、ニートの頂点だが面倒事を放置しない。ゼン曰く悪化すると余計に面倒になるからだそうだ。
故に最短で最も手間なく解決しようとする。
その条件に精霊の鎧は最も適していたのだろう。精霊の鎧はすぐに広く使える力だ。これを渡すだけである程度なら何とかなる。
「あっ、そう言えば何で神々も精霊の鎧の欠点に気が付くようになったの?」
精霊の鎧について理解出来た今となっては、それが最大の謎だ。
見えるものを見えなくするのは、見えないものを見るよりも難しい。
それ以前にその発想すら無い存在も数え切れない程いる事だろう。
その難易度は、神々が人間の肉体にその身を降ろしたところで精霊は見えてしまう。
元より精霊は肉眼で見ている訳ではない。魔眼でも無ければ肉体的に見る事はまず不可能だ。肉眼では無く霊眼とでも言うべきもので見ている。
だから肉体を得ようとも、封印されようとも、その本質が神である限り精霊は見えてしまう。
つまり精霊が見えないというのは、神々にとって人で言う十人の話を同時に聞く能力と同じく、逸話になる程度には難しい事である。
例え身に着けるのが困難であっても、神々の寿命は無限に等しい。身に着けようと思えばどんな神々でも身に着けられるだろう。
しかし精霊が見えて困る場面などそうそう無い。身に着ける動機は存在しないのだ。
そしてそれは人でも同じ。
一度精霊が見えると基本ずっと見えたままだ。
精霊に呪われでもしたら見えなくなる事もあるが、こちらも簡単ではない。
精霊の宿る環境を破壊するなど呪われて当然の事をしでかす必要がある。ドラゴンの巣を突くのと大して変わらない。
これも動機の段階から存在しないものだ。特に神に神器を与えられる者はまずしないだろう。
このようにまるで精霊の鎧の欠点に気が付ける要素は動機の段階から存在しない。
一体どのようにして精霊の鎧が大半の人々には見えないと知ったのだろうか?
「今回アークが気が付いたように写真で気が付いた。精霊は物理現象では無いから写真に写らないからな」
「なるほど、これで皆気が付いたんだね」
灯台下暗しとはこれの事。
答えは今ここにあった。
「まあすぐにとは行かなかったがな。俺達は幾星霜も見逃してきた。カメラ自体どの世界でも数が少ない上に、その写真が祈りの元とはならない。気が付いたのは異世界にまで精霊の鎧が出回ったほんの最近だ。異世界はカメラに溢れているから流石に俺達も気が付けた」
「「異世界にもあるの(ですか)!?」」
どちらかと言うと異世界の方が変身ものの本場かも知れないが、異世界は基本的に魔法すら無い。せいぜい特殊能力の域だ。そもそも有ったら問題にはならない。
創作物の異世界も、創作物の世界と同じく無数にある世界全てを探せば殆どが在るだろうが、根源的に創作物にしか無いような世界は元が無ければ生じない。
つまり通常の異世界では精霊の鎧の域のものは存在しないし、創作物に全裸に見える変身ヒーローが居ない以上、精霊の鎧が存在する世界も無い筈なのだ。
居ても精霊の鎧とは別の、それこそ本物の変身ヒーローである。
「露出教が密かに異世界でもバラ撒いていたらしくてだな」
なるほど、外から異世界に精霊の鎧を持ち込んだらしい。
それなら異世界に精霊の鎧があってもなんら不思議では無い。
あくまでも所持者の強化アイテムだからこそ、異世界にも装備者さえ見付かれば授ける事が出来る。
「と言う事は、露出教だけは初期から気が付いていたのでしょうか?」
「密かにバラ撒くってほぼ確信犯だよね」
「十中八九、気が付いていたんだろうさ。全裸に関してあいつらは全知全能に近い謎の力を発揮するからな。
特に誰かを救うために本人は無自覚とは言え仕方なく他者からは全裸になる。自分の過去を顧みてレイシャルの爺さんが好きそうな、最も穏健派な主神の爺さんが後押しするようなシチュエーションだ。レイシャルの爺さんまで動いたとなれば、どんな不可能に思える事でも、全裸に限っては全て可能となるだろうな」
「全裸に関しては本当に全知全能なんだね……」
「因みに俺も、ニートとかその手に関連する事ならほぼ全知全能に振る舞えるぞ」
「世界神とは一体……?」
まあ何であれ、シンシア先輩が写真越しだと全裸に見える理由と、精霊の鎧については理解する事が出来た。
しかしどう扱えば良いのかは、はっきりとしない。
何故ならばシンシア先輩だけでなく、ソドムにいる先輩は皆精霊が見える先輩だ。
それも精霊を従える方の精霊王並にくっきり見える人達だ。おそらく粒子精霊以外は意思なき小さな精霊も目視出来る。
アンミール学園本校の存在を考えればそれも当然。
生徒は元々が英雄の素質のある人達であるし、仮にそうでなくとも教育を受ければ一年でも力だけは既に英雄の域。
そして精霊が、素質の無い人の前にも常に姿を現し続けられる、もはや本当に精霊なのかも定かでない人達が大勢いる。
そこまで至った人達は強大過ぎて逆に存在を隠す方が難しくなる。ブラックホールが見えなくても、何かがあると判るのと同じだ。強大なものは自然法則をも捻じ曲げる。
嫌でも過ごしている内に精霊が見えるようになるだろう。
何事にも許容量と言うものが存在する。
超えれば見えないものも見えるようになる。
荒療治みたいなものだ。
つまり、先輩達にとって精霊の鎧はどこまでも変身装備でしか無いのだ。
縁結び上、何ら関係ない。
関係するのはコスプレ要素だけだ。
現にメルダ先輩、アリカ先輩も水着姿を打診され、当たり前のように魔法少女姿に変身した。
躊躇にはコスプレ要素しか含まれていない。
どうしたものか?
他の水着に着替えるのを待った方が良いのだろうか?
しかし水着も所詮は水着。普通の水着に着替えたところで即時に縁結びがなされる程の効果は無い。
結局はこの縁結びに最高とも言えるゴモラの誘惑の中でも、きっかけにしかなら無いだろう。それではもったいない。
それに縁結びにきっかけを求めるだけならば、寧ろ特殊な服装には変わりない魔法少女コスプレの方が効果が有りそうだ。
せっかくのソドムとソドムによる先輩達へのリスクを考えれば、この状況を最大限に利用したい。
でも、際どい水着かどうかも定かでないものを着てもらうのは難しいのも確か。
無理に着てもらうとして、先輩達がこの撮影を辞めてしまう可能性も十分考えられる。
順々に着てもらっても、やはりぎりぎり普通の水着を着てもらうのが精々だろう。お金に困っていても、報酬を大盤振る舞いにしてしまったから最後の方には報酬による効果も薄れてしまう。
「ここからどうしようか?」
「このままで良いのでは? 元より最大限ゴモラの力が活かせる設定にしましたし、ゴモラは誘惑が本能である究極のプロ。様子見だけで大丈夫かと。それにまだ始まったばかりです」
「それもそうだね」
僕は再びトロピカルジュース片手に観察を続ける。
まず、変身したメルダ先輩とアリカ先輩に目を向ける。
シンシア先輩と合わせて、同系統の精霊の鎧だったらしく、色が違うだけでデザインは殆ど同じだ。
メルダ先輩のカラーは紺と紫の狭間。
シンシア先輩のカラーにも言えるが、シンプルにブルーに出来なかったのだろうか?
ヒーローと言うよりも同系統の力を使う悪役の色合いだ。
しかし鮮やかな赤紫色の髪と黄緑色の瞳と合わさってとても似合っている。
……悪役っぽい格好にマッチしているが、似合っているものは仕方が無い。
変身前は明るく活力のある少女と言った雰囲気だったが、真逆のような雰囲気に転じるとは、化粧で化けるとはある意味これの事かもしれない。
シンシア先輩も変身前は街に咲く一輪の花のような、暖かく優しい雰囲気だったのが一転したし、化粧で化けると言う言葉が何故かしっくりくる。
変身によって髪型も変わり軽い化粧もされているから間違いでは無いだろう。不思議と正解でもない気がするが。
そしてアリカ先輩の雰囲気も一変している。
端的に言って悪役のそれだ。
まず魔法少女カラーは黒。この時点でヒーロー感は薄く悪役感の漂う格好だが、彼女はそれを完全に着こなしている。
穏やかな太陽の如き金髪、澄み渡る空の如き瞳。
神殿のシスター、聖女と例えても過言では無かったその雰囲気が見事に逆転。表では聖女を演じながら裏では悍ましい事をしている魔女のような雰囲気だ。
ただの優しい筈の笑顔が怖い。
スタイルもスラリとして出るところは出る本職モデルの人でも中々いないセクシー体型なのも相まって、かなりの悪女感、もはや魔女も超えて悪魔にすら見えてくる奇跡。
良いのか悪いのか似合いすぎる。
尚、そう見えるだけでアリカ先輩は普通の人族だ。
それも異世界人でも無く転生者でも無く、更には祝福を受けた訳でも呪いを身に宿している訳でもない。
もっと言えば王侯貴族や少数民族などの特殊な血筋でも無い、もはやアンミール学園においては珍しいとも言える完璧に普通の出自の人である。
元々の雰囲気は聖女っぽいが聖女でも無く、普通の家庭では無いが孤児院で育っただけの、年下の子の世話を進んでやく優しいお姉さんだ。
因みに個人経営の孤児院なので神殿のシスターでも無いらしい。
それなのに良くもここまで雰囲気が変わるものだ。
その美しくも悪魔に見えてしまう姿からは気品が、それも貴族のものではなく王族の気品が感じられる。
三人揃うと魔界の貴族と言った雰囲気だ。
魔法少女の衣装がゴスロリ風と言う訳でもないのに、少し形状の変わったドレスに見える。
尚、アリカ先輩以外の二人、シンシア先輩とメルダ先輩筈の本当に貴族ではある。
この姿を見た後だと、寧ろ素の姿がしっかり街に根付いた街娘のお姉さんな雰囲気だったのか不思議に思えてくる程だ。
実は元々が悪役衣装の精霊の鎧だったのかな?
だったら変身して悪役っぽくなるのにも納得がいく。
でもそうなると、今度は何故元々が珍しいタイプの悪役衣装だったのかが疑問になる。
「何でちょっと悪役っぽい精霊の鎧なのかな?」
「魔物であるソドムが生成したからでは?」
「あっ、そうかも。正義の妖精さんが渡した変身アイテムと、怪人が渡した変身アイテムじゃ当然別物の筈だもんね?」
「違うぞ」
「えっ、違うの?」
「違うのですか?」
コアさんの推測は尤もらしかったが、精霊の鎧を創った事もあるゼンから言わせると違うらしい。
「人と契約して精霊魔法を使うような精霊なら精霊の鎧として宿っても姿がはっきりする。例えば火の精霊が宿った精霊の鎧なら暖色の装備や炎のようなデザインの装備になる。この手の装備なら二人の意見は正しい。与える側と少なくとも協力関係になければ精霊の鎧は造れないから、与える側の系統に似た装備になる。神聖な神ならば神聖な精霊、邪悪な神なら邪悪な精霊と言う事だ。
だがその精霊の鎧は粒子精霊によって創られたものだ。粒子精霊は意思ある存在ではなく一種の力に近い。それも万物に宿るものだ。特定の姿は無い。宿ったところで姿に影響は及ぼさない」
精霊の鎧をよく視てみると、そこに宿っていたのはゼンの言うとおり粒子精霊だった。
精霊の中でも最も力が弱く、最も姿を見れる人の少ない精霊。オラに元気を分けて貰うときに集まったり、他にも世界のピンチ最終局面で集まってくるあの光の粒子。
最も数はいるが、余程集まらなければ精霊術師でも存在を知らないまま一生を終える存在である。
世界の生命の輝きのようなものだ。
神々を世界の意思とするならばそう言える。
「粒子精霊は万物に宿るものであるから万物に浸透する。宿主の一部になると言って差し支え無い。それは粒子精霊そのものを衣に変換する精霊の鎧であっても同じだ。新たな魔法少女という名の部位であるかのように、その者に染まる。
つまり、あの三人の姿は魔法少女としての彼女達の色に染まった姿、魔法少女としての素質を引き出した結果がアレだ」
結果が悪役っぽい……。
「……本当に元からあの姿に設定されていたんじゃなくて?」
「ああ、姿は持ち主次第だ。
因みにそれが主流でもあるぞ? 適正が低い者でも、流石に自分自身に同調した姿なら見えるし多少は扱えるからな。逆に意思のある精霊の宿る精霊の鎧はその精霊と共鳴しなければ扱う事は疎か、見る事すら出来ないぞ? それこそ下手に高位の火の精霊王とか降ろしたら、焼死する可能性すら高い。
同じ理由でこちらが変に粒子精霊をいじれば、その形で粒子精霊が固定されてしまう。同調と言う大きな性質を残さなければ意思ある精霊と変わらない。元々が魔法少女になる運命の下に生まれてきた者ぐらいしか、着こなせなくなるだろう。だからその者に合った魔法少女に変身すると固定するのが限界になる」
確かに、火の源みたいな精霊を無理に身に宿したら燃える。
炎を食べる曲芸の方が百倍も安全だろう。
同調出来なければ強力な炎と同じだ。それが全身を包めばもはや火葬と変わらない。
他の精霊でも同じような事が言える。
行き先が特定の魔法少女と言う謎の属性の精霊が宿っても、どうなるかまでは判らないが失敗するのだろう。
同調が無ければ侵食だ。
そう考えれば残念ながら認めるしかない。
あの悪役衣装はシンシア先輩達自身が原因であると。
悪役衣装の原因はこれ以上追求する必要があるのだろうか?
気になる事は認めるが、藪蛇な気がする。
それに悪役っぽい衣装になった原因は先輩達にあると、一先ずの答えは得ている。
そんな事を考えていると、無視と言う選択肢を後押しする出来事が発生した。
「マスター、ダンジョン設定を変更したせいか他の場所でも変化が!」
後押しと言っても、『押すなよ押すなよ』の後の後押しのように碌でも無い後押しだが。
何にしろこれ以上原因究明は止めるべきらしい。
「……コアさんの言う変化ってどこの事?」
尚、変化、歯に衣を着せずに言うならば異常は、同時多発的に生じていた。
端的に、色欲方面の誘惑が強くなっている。
例えばティナ先輩とカイウス先輩。
服をアイスで汚し弁償を迫られていた二人は、結局所持金が無かった事に気が付き逃げていた。
逃げた先はやたら綺麗な空き家。
妙に人気に敏感な二人は、この家に人気と生活感の無い事に気が付くと、さり気なく鍵穴をカチャカチャさせ、家の中に身を潜めていた。
そしてお互いに逃げてきた言い訳。
「いや、僕の強すぎる力を街の中で開放したら無関係な民までも傷つけることになるからねっ!」
「私もですっ! 強すぎるのも考えようですねっ!」
言い訳はすぐに終了。
お互いに偽っているが故に話を長引かせる追及が無いようだ。
「じゃあチンピラが大人しくなるまでこの僕の隠れ家で休んでいようか?」
鍵穴をカチャカチャしたカイウス先輩は、空き家を自分の家と偽って休む事を提案する。
空き家は何故か逃げた先の路地裏にあるのに、豪華な内装をしていた。
実はこれが設定変更での変化だ。
扉を開く一瞬で変化した。
ソドムの誘惑はゴモラを使った誘惑に留まらない。
ソドム自身も誘惑するらしい。
「こ、ここがカイウス様の隠れ家、休む……」
カイウス先輩のただの提案に、顔を上気させるティナ先輩。
「ん? どうしたんだいティナ?」
そんなティナ先輩の様子を不思議に思うカイウス先輩。
僕達も具体的に何があったのかは判らない。
しかし何故そんな様子を見せるのかは理解出来る。
何故なら“あーるじゅうはち魔法”で色々と隠されているからだ。
「この部屋は、カイウス様の、その、ご趣味で?」
「そうさ、この高級感、素晴らしいだろう? 例えばこのキングサイズベッドは遥か東方から買い付けたテンチュウの生地、中には希少なクラウドシープの空綿がふんだんに使われた一品さ」
カイウス先輩は未だ部屋の特性に気付かず、目立つ高級感溢れるキングサイズベッドをスラスラ出る嘘八百であたかも自分のものであるかのように紹介する。
「君のためだけに用意したんだよ。このベッドもカーペットも、家自体もね!」
「わ、私のためだけ……」
半ば放心状態に陥ったティナ先輩は近くに落ちていたナニかを拾う。
見事なまで“あーるじゅうはち魔法”で隠された謎のモノを。
「こ、こんなに凶悪なモノを私に?」
「勿論君に……」
ここでようやくカイウス先輩はティナ先輩の持っているモノに気が付く。
「じゃなくてっ! ぼ、僕が使うんだよっ!」
そして誤魔化す為にとんでも無い事を言い放つ。
「カ、カイウス様が?」
「そうさ! こ、これは、僕の国の貴族には欠かせないものなんだ! 特にパーティーやサロン、公の場では必須でね!」
これまた息を吐くが如く当たり前にかつ滑らかに嘘を付くカイウス先輩。
“あーるじゅうはち魔法”がかけられているから正確に何だかは判らないが、絶対パーティー等で貴族が愛用するものでは無い。
この学園に来てから各地のパーティーを視たりもしているが、“あーるじゅうはち魔法”の時点で該当するものがあるパーティーは皆無だ。
「必須と、言いますと?」
「こ、これはだね……マッサージ機! そう特殊なマッサージ機でね!」
嘘に嘘を重ねてゆくカイウス先輩。
追い詰められてゆく。
貴族が社交の場で使うと言ってしまった以上、そこに繋がる答えを出さなければならないが、そんなものそうそう考えつける訳も無い。
咄嗟にマッサージ機と答え、更に先の選択肢を減らしてゆく。
「マッサージ機を公の場で? 一体どのような目的で使うんです?」
ティナ先輩に追い詰めている自覚は無いようだ。
カイウス先輩と同族なティナ先輩だが、カイウス先輩を本物の貴族だと信じているが為に、本当に気になっているらしい。
「えっと、その、ほら! お、公の場や社交の場だと着付けに時間のかかるものを着る事が多いだろう!? そんな時、お花摘みに行きたい! でも脱ぐのにも時間がかかる! そんな時にコレ! お肌に密着して流れをストップ! そして流れを止めても固めない便利マッサージ機能! 勿論日用使いも出来る!」
何か通販の宣伝みたいになっているが、矢継ぎ早にペラペラと嘘八百を並べるカイウス先輩。
よくそこまで口が回るものだ。
しかし言っている事は滅茶苦茶。
まずパーティーでお花を摘みには行かないだろう。
それに主催者出ない限り会場はよそのお宅だ。よそのお宅の花壇からお花を引っこ抜いてはいけない。
もしそれが大切に育てたお花だったら大変な事態だ。もし僕が大切ななお花を引っこ抜かれたら、犯人を化物に変えて英雄に試練として討伐させる。
「まあ、そんな便利なものだったんですね!」
あれ? まさかの一発で納得している。
一度もパーティーに行ったことが無いのかな? それとも実は僕が知らないだけで公の中に場で儀式的にお花を摘むのだろうか?
気になるので、カイウス先輩の出身世界を視てみる。
平たいタイプの世界らしいが、結局太陽はゆっくり世界を巡るので時間も季節も地球と変わり無い。
丁度良さそうな時間帯の地域が必ずあるから、どこかでパーティーがやっている筈。
僕の想定通り、パーティーは各地で開かれていた。
しかしお花を摘んでいるパーティーは見当たらない。
お花自体が無い場所も多い。雪国や砂の国では気候的に植えられて居なかった。有っても燃料を潤沢に使った温室内や国家事業レベルの労力を駆使して水を引いた庭園など、上流階級としても一般的ではない。
だからと言って気候が合えばお花に溢れている訳でも無かった。そもそも貴族の邸宅に有るようなお花は殆ど切り花用じゃない。植えたままが前提のお花だ。
過去も含めて視てみるも、お花を摘んでいる人は居なかった。
有っても少数の子供達が野のお花を少し摘むくらい。流石にこれでは無いだろう。
どこを視てもティナ先輩が納得した要素は無い。
もしかしてお花摘みは言葉通りの意味では無い名詞としても成り立っているのだろうか?
緑の事を青いと言うような風に。
そこで今度は僕の知らないパーティーの一面を探してみる。
着付けに時間がかかるとか、服を脱ぎにくいとパーティーに関係あるのか判らない事を言っていたから、そこら辺に答えがあるのだと思う。
するとすぐに目立つ人をみつけた。
何故かお付きの人と一緒に走っている御令嬢だ。
「早くお解きなさいまし! このままでは間に合いませんわ!」
悪役令嬢も真っ青な恐ろしい形相で、腰の留め具をカチャカチャしながらドレスを着ているとは思えないスピードで走り抜ける。
お付きの人が追い駆けるのに精一杯な程の脚力。
しかも何と徐々に加速している。
なんかこんな風景、最近視たような気が?
「アリアローゼ! 君の悪行はナタリアから聞いた! 証拠も出揃っている! 君との婚約は破棄だ! 僕はナタリアと結婚する! 君は国から出て行ってもらおう! 本当は処刑が妥当だが、ナタリアは温情を申し出た! ナタリアに感謝するんだな!」
「私は、ハワード様がお側にいさせて頂けるだけで幸せです。もうこれ以上は何も要りません」
進路上に現れた婚約者のハワード王子から婚約破棄を言い渡されるも、アリアローゼさんは止まらない。
「ナタリア……、さあ、この国から出て行け! もう二度と僕達の前に――――ブハァッッ!!!!」
「邪魔ですわーーー!!」
そしてただの障害物を薙ぎ払うように、ハワード王子を薙ぎ払った。
裏拳が王子の顔面にクリーンヒットし、何回転もしながら壁にめり込む。
身に着けていたクラウンなんかグニャグニャで悲惨だ。
「ハワード様ぁあ"ァ"ア"――――ッッッ!!!!」
そしてその後ろにいたナタリアさんも同様に一払い。
こちらは胸にヒットし、下げていたペンダントの宝石は砕け散り、吹き飛ばされた先の壁も砕け散った。
そしてそれらを気にも止めずアリアローゼさんはどこかに直進。
「王子! 聖女様!」
「くっ、これだからもっと早くあの気味の悪い勇者の末裔を処分しろと言ったものを」
「だがこれには言い訳できまい。騎士団! 衛兵! 早くセイントアース家の小娘を捕らえよ! 殺しても構わん!」
そして突如として地揺れ。
王城に隣接していた聖堂の土地が下から盛り上がり、罅割れてゆく。
そしてその反動で聖堂が倒壊すると、中からドロリとした影のようなものが溢れ出してきた。
影はフルプレートメイルのような形を取ると、周辺の人間を手当たり次第に襲い始める。
「何だアレは!?」
「まさか伝承にある封印された魔王!?」
「だが伝承通りなら王家と神殿の宝玉で二重に封印は固く閉ざされている筈! この国で最も守りの堅い王家と神殿に守られた宝玉が二つとも壊される筈が!」
「「「…………」」」
その場の全員が伝承を思い出したところで、恐る恐る全員の視線がとある二人に、正確には二人のしていた原型を留めていない装飾に集まる。
「「「壊れてるぅーーーーーッッ!!!!」」」
どうやら件の宝玉はそれであったらしい。
訂正しよう。こんな風景を視た記憶は無い。
なんか、パーティーでのお花摘みを探していただけなのに物凄く劇的なものを視てしまった。
英雄譚ならプロローグからクライマックス直前までに相当する部分を駆け抜けている。
色々な意味で劇的だ。絵本の昔話だってもう少しゆっくり進む。
更には婚約破棄からの報復、それに加え聖女や勇者、魔王と言った要素過多。
処理が追い付かない。と言うよりもどんな反応をするのが正解か分からないし、多分正解はこの世に存在しない。
取り敢えず、後でアンミールお婆ちゃんにスカウトを送ってもらおう。
と言うか何故この世界でカイウス先輩は学園に連れてきたのに、アリアローゼさんは連れて来なかったのだろうか? 謎だ。
シンプルに今この婚約破棄されるような環境の方が学園よりもその先成長出来るからだろうか?
尚、当のアリアローゼさんは怒涛勢いで巻き起こるイベントをすべて無視。
襲いかかる影の騎士を当然のように薙ぎ払いながら爆走を続ける。
そんな中で、何故か表情は誰よりも深刻。
全てが謎だ。
あちらこちらで火の手が上がったり、悲鳴が響き渡る中も、アリアローゼさんは全力疾走。
遂にとある部屋に入って止まったかと思うと、今度はドレスの留め具を引き千切ると言う謎行動。
どうにかスカートの中で履いていた服を脱ぎ払うと、数秒後、さっきまでの鬼気迫る表情から非常に穏やかな非常に変化する。
まるでお花畑の中にいるかのような雰囲気。
「「まさか、これがお花摘み!?」」
僕は驚きのあまり思わず声を出してしまった。
そしてそれは奇遇にもコアさんと重なった。
いや、この場合は奇遇ではなく必然。驚愕せずにはいられない。
「ん? そうだぞ」
まさか全てを無視し爆走し、個室で脱ぎ難い服を引き千切って、穏やかな気分になると言う謎の行動がお花摘みだったなんて。
「あれ? でもあの謎の物体を必需品だって嘘をティナ先輩は納得していたけど、あれのとこで必要になるの?」
「出ないように塞ぐんだろうさ。勿論実際はそんな事に使わないが」
「塞ぐとは、あの過程のどこをですか?」
「何だ? とんでも無い勘違いをしていないか? お花摘みは―――」
「ぎぃゃぁああ"あ"ーーーーーー!!!!」
ゼンが答えを言おうとすると、それを遮るようにカイウス先輩の悲鳴がソドム中に轟いた。
ティナ先輩の前で謎のナニかを使ってみたらしい。
「「塞ぐってそこ!?」」
「……ああ、お花摘みはトイレを表す隠語だ」
「「トイレで何故!?」」
「まさかのそこにもピンと来ないのか!?」
トイレとは肥料を生産する趣味の筈。
何がどうしてこうなるのだろうか?
都会にはまだ僕達の解らない未知が溢れているようだ。
《用語解説》
・魔法少女/ヒーロー
変身をする戦士。大半は力を与えられるに足る自分の信じる正義の為に戦う正義のヒーロー。尚、特別定められている訳では無いが主に女子は魔法少女、男子をヒーローと呼ぶ。勿論例外も多々あり、新たな固有名詞で呼ばれる事も多い。
様々な呼ばれ方があれど、多くは主に精霊の鎧の使い手。本質的にはそこまで違いが無い。
が、実のところ、精霊の鎧の特性によって多くの人々にとって精霊の鎧装備者はこちらに数えられて居ない為に、認識されない事も多々ある。
露出教の存在が認知されている事と、精霊の鎧を見る事が出来る人々のおかげで、途中からはそう半ば強引に認知(恥を忍んで戦っている(と人々は思っている)彼女達の為に)している。
大体歴史に遺るレベルまでゆくと、その書物には見える者から見た容姿が描かれている。
因みに精霊の鎧以外で同等の力を得るには、精霊以外の超位存在から力を授けられれば良いのだが、精霊以外の力を授かると装備のように身に纏うだけでも姿が大きく異なる。
例えば神々や天使の力が宿った装備であるとヒーローと呼べないレベルで神々しくなり天輪やら翼やらが出現し光り輝く。
龍など肉体のある超位存在の場合は、力を与えた存在の姿の影響を著しく受ける。
その為こちらは、外見上魔法少女やヒーローとは呼ばれない。使徒や御使い、化身と呼ばれる。
彼女達は勇者や英雄と呼ばれる程では無いが、十分届く素質と力を持ち、行動次第でその世界を救う事も珍しく無い。変身の源があくまでも包み込む装備であるので、如何様にも成長可能。
しかし絶大と言える程の力は無い。勇者などの素質には数歩劣る。
ただ、勇者や英雄が変身する例もあり、その強さの上下は激しい。
それでも、成り立ての魔法少女やヒーローが魔物の進行から街を救う事が珍しく無い程度には奇跡の力。
そして精霊の鎧が与える力として一般的でも、やはり珍しく神々の遣わした奇跡と捉えられる程に珍しい。
中規模の世界でかき集めても一団体出来るどうかも判らない程、少数しか存在しない。全く居ない世界もある。ただ一人でも居る世界では常に同人数が存在する程の頻度で現れる事が多い。
史上一人と言う程は珍しく無い。
・精霊の鎧
主に意思なき精霊、粒子精霊を集めて超位存在が創り出し、相応しき者に与える奇跡の力。
超位存在が与える力の中で、最も扱い易い。
装備者に合わせて魔法少女やヒーローに変身させる。
実のところ、単に神霊を遣わしたりするよりも超位存在からしたら難しい。
粒子精霊は意思が無い為に拒絶などされる事なく、装備に宿らせたりそのものを創ったりできるが、その分全ての工程を自身で行わなければならず、同じく精霊である精霊王でもそこまで出来る存在は少ない。
人が人工受精などでは無く、純粋に細胞を集めて人を造れないのと同じようなものである。
しかしそれを無視できる程扱い易い。
また神霊などを遣わすだけなら簡単だが、地上では長持ちしない。
身を降ろすに足る器が無いからである。無理に人に降ろせば人の器が損傷し、最終的には両者が消耗する。
そして神霊などの本質的に、制御できない可能性が大きい。人を救うために奇跡を求め奇跡を与えられたのに、その人を考慮せずに暴走し大被害をもたらす事がある。
悪魔を降ろせば乗っ取られ、天使を降ろせば使命に衝き動かされる。龍の力を与えられたら変身ではなく肉体が侵食され変異する。
通常の精霊でも、その司る現象に侵食される可能性が高い。木の精霊ならば木に変化してしまうかも知れない。
よって降ろすだけなら簡単だが、その後与えた側の超位存在も含めて力を消耗してしまう。得をするのは悪魔ぐらいだ。
その為、強大な神でないと実質行えない。
世界の局面で、勇者に力を貸すなど、極限でしか行われない。
よって多くの場合、精霊の鎧が使われる。
尚、大部分は作成難易度から世界宗教の神々が作成している。いや、いた。
次に強大なダンジョン産。
その世界の神々が与える例は、それこそ一時代に数人程度。
ただ、露出教以外が気が付いて居なかった重大な欠点として、精霊の見えない者たちにとっては全裸に見える。
それも元が粒子精霊であり、その性質は装備者と与えた神のもになるので、波長の合う存在が極端に少ない。
普段精霊を見ることが出来無い高位の信者は新たに見える側に増えるが、普段水の精霊だけは見えるように、属性が合えば辛うじて見えている人々の目から見えなくなってしまう。
よって高位信者と属性関係なく精霊が見える者にしか、変身した姿を見ることは出来無い。
気が付いてからはまず属性魔術で姿を造る試みが行われたが、地属性は重量で断念、水属性風属性はそもそも透明、火属性は危険として断念。
そして一番役に立つ光属性は属性を与えると装備の属性も変わり、その属性を扱える者に使用者が制限されてしまうので、希少属性と言う理由で断念と解決策は尽く失敗した。
精霊の鎧は地上定着に、装備者を完全に覆う訳ではないので、依代の負荷の一部を元々着ていた服に与え、変身する間姿が消えてしまうメカニズムも判り、依代の服の器が大きければ全ては消えずに実体が遺る事も判明したが、それの作成にも希少素材が大量に必要で、その材料を使った方が地上では強力な武装を製造出来ると判明した。
その為この方式も断念。
そして粒子精霊自体の姿が見える程、莫大な数の粒子精霊を込める方法も考えられたが、まともに装備の形に出来ずと。
あらゆる方法が検討されたが最終的には諦めた。
取り敢えず装備者が光属性を扱えるようになったら機能追加する方針である。
問題発覚時よりも与える回数は減ったが、現在も現役。差し迫った場面では躊躇なく与えている。
尚、そのくせ永きに渡り積極的に精霊の鎧を製造していた露出教は、永きに渡る改良により様々な条件下で姿も見れる精霊の鎧の作成に成功している。
それなのに露出教であるが故に、そちらは使わない。
例外は異世界などのカメラ等情報伝達機器の発展した世界向けのもので、これ等の世界では装備者本人も映像から間接的に全裸であると気が付き、変身しなくなってしまう可能性が高い。
そこでこのような世界ではカメラ越しだと装備の姿が映ると言う無駄に高度な精霊の鎧が使われている。
尚、露出教の用いた方法は自らの持つ権能、露出や全裸と言ったものを駆使した結果であるので、他の存在にはまず真似出来無い。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
本作三周年が近いて来ましたが、特別編は今のところ用意がありません。次話は普通に続く予定です。
取り敢えず三周年にはボッチ転生を数話投稿予定です。
もし間に合えば、少し早いですがモブ紹介後編、もしくは裏あるいは表の答え合わせを投稿したいと思います。多分無理なので期待はしないで頂けると幸いです。
7月31日追伸、本作投稿三周年を記念して、モブ紹介を投稿しました。本当ならクリスマス転生、ボッチ転生に続くものを書きたかったのですが……。因みにこの二作は他数作と合わせて完成し、本編に深く関わる予定です。そこまで本編も進んでいないのですが……。
モブ紹介はユートピアの物語から飛べます。もしくは下記から
https://ncode.syosetu.com/n0973er/
本編ではアークとコセルシア、親族以外はどこまでもモブなので彼らについてはここで紹介しています。
まだネタバレ要素も多いですが、宜しければお読みください。
更に追伸、ボッチ転生も更新しました。こちらもユートピアの物語から飛べます。もしくは下記から
https://ncode.syosetu.com/n9389fq/
宜しければお読みください。基本的にこちらで通常視点の設定を紹介しています。因みにアーク達の発言の方が正しいですが、事実上はこれらの方が正しい認識です。
更に追伸、やはり味気ないので、モブ紹介に【黄金ヶ原のダンジョンマスター】を投稿しました。プロローグのみですが、宜しければお読みください。
また活動報告を更新しました。殆ど反省文ですが……。
それでは、本作も三年目を迎える事が出来ました!
これも皆様のおかげ様です! 本当にありがとうございます!!
どうか、これからも宜しくお願い致します!




