第五十五話 ソドムあるいは規制品
2020年2月15日、15時、50000PV達成しました!
こんなにも読んで頂き、本当にありがとうございます!!
「おい、街があるぞ? ダンジョンの中なのに」
「どう見ても街だな。ここはまだダンジョンじゃ無くて、攻略の為の装備を揃える補給地なんじゃないか?」
「何であれまずは向かいましょう」
特に戸惑うことも疑うこともなく、先輩達は都市、ランク16の魔物ソドムの元へと向かう。
誰もソドムがただの都市ではなく魔物だとは気が付かない。
ソドムの門は開放さてれている。
外との人の往来は無いが、内側の賑やかな活気が外にまで漏れ出ていて、とても入り易い雰囲気だ。
そこらの都市よりもその傾向は強い。印象としては良い都市だと思ってしまうだろう。
疑う要素など、外に人が全く居ない事ぐらいだ。
この都市の住人は全てゴモラ、ソドムの眷属であるから都市の外には出られない、もしくは大きな制限があるのだろう。
しかしそれだけではこの都市自体を疑うまでには至らない。多少不自然であっても、あり得ない事では無いからだ。
寧ろ魔物がいつ集まってもおかしく無い城壁の外に、大勢の人がいる方がおかしい。
首都級の都市であれば定期的に魔物を掃討しており安全であるか、門が二重で入都手続きを待つ場所も城壁で囲われている事が多いが、大半の都市や街ではさっさと入れるか、時間を決めて集団規模で来させ、その時だけ護衛を出すのが基本だ。
そもそも近場なら兎にも角、危ない旅をしてまで街へ行く者の多くは冒険者や行商だと言う理由もある。都市レベルで無い限り外に集まるだろう人数の時点で少ない。
彼等は護衛を連れているか、本人が護衛を引き受ける力を持つ者だから、都市の門の仕組みに関係なく勝手に来て、長めの審査を受けでも多少の慣習破りで入っていく人が多い。
戦いを生業としない大勢の人々は限られた時間、場所にしか集まる事は無く、個人規模な戦いを生業とする者は集まる事なく勝手に行く。
人が街の前に集まると言う現象はとても珍しいものとなる。
護衛サイドの先輩達にとっては、特に不自然さを感じない事だろう。
人の多い限られた時間帯に行く必要が無いのだから、適当な時間帯に行き、街の前に人が少ない場面を見ることの方が多いからだ。
ソドムの商業都市的な、田舎者の僕からしたらお祭りでもやっている様な雰囲気には、大抵の場合人の行き来が盛んである必要がある。
もはや内だけでも活気溢れる場所は大都市であるから、ソドムの規模を見ればそうでない事は推測出来る。
ソドムが不自然であると知るには、そこを知る必要がある。
まず初めに全く外に人が居ない事に違和感を持ってから出ないと、まず気が付けないだろう。石橋を叩き陥す人でも無ければ無理だ。
僕もソドムの正体を知っている上で無ければなんとも思わない。
案の定、門番すら居ないその門を、ズカズカと先輩御一行は進んでゆく。
警戒心の欠片も……あった!!
奇跡だ! 警戒している先輩がいる!
「コアさん、この階層がおかしいって気が付いた先輩がいるよ!」
「なっ! 居ました! 希望は残っていました!」
僕が死んだ目で眺めていたコアさんに奇跡を教えると、コアさんの目に輝きが戻った。
そして二人でもう一度確認して、奇跡が夢じゃない事を確かめる。
「……心は強く持てよ」
何故か死んだ目のままだが、ゼンも奇跡はあるのだ信じろ的な言葉でその夢を奇跡だと認める。
間違いない。
これは夢ではなく奇跡、それも希望だ!
警戒心を持って行動していたのはイタル先輩達、裸体美術部の先輩達。
一見すると不用心と言える程、自らの縄張りを歩く様にズカズカと都市に入って行くが、それは高度な演技。
表情態度や手足の動きは勿論、汗腺や心拍数までもコントロールしてその特別でも何でもない日常的な一コマを再現していた。
更には全ての存在感を消すのでは無く、一部だけを隠すと言う高度な存在隠しまでも行っている。
敢えて全力で隠していない事で、何かを隠していると悟らせない、達人の妙技だ。
気配は勿論、持ち物に至るまで不自然さが全くない。隠すだけな筈の力で作り上げていた。
使われているスキルが〈演技〉や〈潜伏〉以外に〈詐称〉やら〈隠蔽〉〈偽装〉と不穏な名称だが、その手のスキルは忍や暗殺者が主に使うものだから元より印象の良い響きの名では無い。
全く問題は見受けられない。
その技能に感心するばかりだ。
この様子だとソドムがその本性を剥き出しにしても、ソドムを油断させたまま速やかに全力の奇襲を仕掛ける事ができるだろう。
続けてそんな裸体美術部の先輩達の様子から察した風紀委員や衛兵科の先輩達も行動を開始する。
同じく周囲に悟らせない高度な隠蔽を行い、探知や看破の術を行使して行く。
声紋指紋視線、専門的な検知までも総動員して、僅かな痕跡も見逃さぬよう本気だ。
高価な魔法試薬まで隠して使っている。
ここまですると言う事は、明確に事件を嗅ぎ付けた、つまりこの階層がおかしいと気が付いたと考えて間違いない。
でなければこんなにも本格的な調査員の技能を発揮しないだろう。
そしてここまですればすぐにソドムの正体に気が付ける事だろう。
ソドムは都市全体、どこを調べようとしてもその正体はソドムだ。
どこが怪しさの正体か判らないくとも、この都市の何かしらを調べさえすればそれだけで答えに辿り着く。
ソドムはかなり高度な擬態をしている。
その根源は瘴気によって存在が書き換わったシティーコア。つまりは本物の都市と違いはそう無い。言ってしまえばもたらす結果と機能に偏りがあるだけだ。そんな普通の都市も探せば見つかる。
建物を調べたところで、本物の都市自体を熟知していなければ正体を見破れないだろう。
ゴモラも本質は写し取った本物の欲望。本物を纏っていて、しかも本来は空であるから塗り潰れている。その所為もあって鑑定しても欲望が、それに近く後付た偽のステータスが優先して鑑定される。看破したところでそこにあるのは空の器、ステータスまで見通すのは難しい。
正体を見破るのがかなり難しい魔物だ。
しかし初めから本気で疑い、全力で調べようとしている先輩達を出し抜ける筈がない。
それも別々の方法で調査しているからすぐに判るだろう。微かでも多くの方法で違和感を確認出来たら、それはもう真実だ。
専門家がそこを詳しく診たら流石に誤魔化しきれない。
ソドムの正体を確認出来たら後は準備しているイタル先輩達が一気に制圧するだけで全てが終わる。
先輩一行は門を潜り抜けた。
どこで行動を起こすか見物だ。
ソドムに入ったと言う事は、中から倒すべきだと判断したのだろう。
魔物であってもその姿は城壁に囲まれた都市。正面から攻め落とそうと考えると苦労する。
本物の都市とは違い住民は勿論、石畳の一つまで敵の戦闘員となりうるが、それでも中から攻撃した方が楽だと考えたらしい。
外から攻略するにしても、結局全て倒さなければいけないだろうから守りに入られるよりも苦労せずに倒せる。
ただの合理的な考えかも知れないが、素晴らしい選択だ。
敵が無数にいる最中に突っ込もうとするなんて勇気が無ければ出来ない。
そしてそれを成す力も必要。
それらが揃っている先輩達は正しく英雄だ。
その英雄譚が、今ここで、僕達の目の前で巻き起ころうとしている。
「コアさん、英雄譚が始まるね!」
「伝説の幕開けです!」
僕達の不安をも切り開く、先輩達はそんな英雄であったようだ。
人々から絶望を振り払った伝説の英雄達も、きっと先輩達のような人であったのだろう。
僕のイメージの中の英雄の背中と、先輩達の背中とが重なる。
「…………本当に心は強く持てよ」
英雄の背中とはかけ離れている猫背なゼンが未だ死んだ目で、心を強く持つことの大切さをもう一度教えてくれる。
やはり強く信じていれば奇跡は起こってくれるのだ。起こらなくとも英雄達はその想いに答え、未来を切り開いてくれる。それが英雄。
ゼンが死んだ目なのは、きっとかつての自分と彼らを重ね追憶しているからなのだろう。
働く自分を思い出したのかも知れない。怠ける事を至上とするゼンにとっては多分最大の黒歴史だ。
そしてゼンをそうさせるのは、先輩達が数多の英雄譚に語られる史上屈指の大英雄である自分に通ずるものがあったからに他ならない。
先輩達はゼンに認められたのだ。
これは歴史に残る英雄譚が視れるに違いない。
先輩一行はそれと無い風紀委員や衛兵科の先輩の誘導、進路を塞ぐ等の方法で会話を外に漏らす事なく路地裏の方へと進んでゆく。
一気に大路を進み中央の館、ソドムの核へと向うかと思ったが慎重に行く方針らしい。
まずはゴモラの少ない所に陣を敷き、そこから徐々に制圧して行く方針のようだ。
人目、ゴモラ目が無い路地裏の奥地まで到達すると、風紀委員や衛兵科の先輩達は未だ隠蔽しつつも武器を抜いた。
それに合わせてイタル先輩達も武器を抜く。
ここから遂に英雄達の進撃が!!
まず風紀委員のシュナイゼル先輩が口を開く。
「大人しくしろ! 特定規制物を持っているのは判っている!」
ん? あれ?
僕の思っていた展開とまるで違う。
「な、なんの事だ! しょ、証拠でもあんのか!?」
「そ、そうだ! いっ、一体何の証拠があるんだ!?」
明らかに動揺し、上擦った声で口々に証拠を出せと訴えるイタル先輩達。
うん、確実に何かヤッてるね……。
そんな裸体美術部の先輩達をジリジリと包囲して行きながら、風紀委員を代表してアバウルス先輩が答える。
「証拠なら今見せよう! 総員やれ!」
風紀委員サイドの先輩達が魔法試薬を投げつける。
投げつけたのは“真実の銀薬”、真実を写し出す銀、その真の姿と言われるミスリルを磨いて造った“真実の鏡”を粉末にした魔法薬だ。
“真実の銀薬”を投げつけられたイタル先輩達から幾条もの光が弾け飛び、それと同時に隠蔽が解け、真に隠されていた物が弾き出される。
固有の異空間であるアイテムボックスの中であろうと、隠されていたものは問答無用で外だ。
これが“真実の銀薬”の効能。
隠蔽を始めとした偽りの解呪は元より、その真実のみとする力は副次効果として隠していたものの露出まで可能とする、偽りを許さない強力な魔法薬だ。
原料がミスリルなだけに非常に高価だが、その効能にはそれだけの価値がある。
……そんな高価な魔法薬を使わせる隠し事とは一体?
嫌な予感しかしない。
アンミール学園には簡単に銀をミスリルに変えられる人達が大勢居て、平均価格より大分安いが、それでも銀の価格よりも下回る事は決して無い。銀は生み出せないからだ。
そして“真実の鏡”をまず生み出さなければならないから、製薬の難易度自体も高くその分高価になる。
ミスリルは魔導具にとって最上の素材と言われるが、決して扱い易くは無いのだ。リチウムが理論上電極として適しているからと言って、加工が簡単な訳ではないのと同じである。
よって相場よりも大分安くとも、一服分でもちょっとした金塊程の値段はするだろう。
どう考えても気軽に使える品では無い。
少なくとも、金塊泥棒程度の相手には割の合わない薬品である。つまりそれ以上の大事に使われる。
……本当に一体何が?
隠蔽物の開放が全て終わったところで、アバウルス先輩は告げる。
「これが証拠だ! “死貞草”、“被虐貞草”、“淫魔の生き血”、“月鼈の軟骨”、どれも学則で禁止されている危険物だ! “淫魔の生き血”、“死貞草”に関しては学則どころじゃない! “死貞草”は叫びの届く範囲にいる人々から正気を奪う、“淫魔の生き血”は用法を間違えれば種族をも変えてしまう条約で個人所有を禁止された非常に危険な薬物だ! 観念してもらおう!」
抜いた剣の先で一つ一つ指し示しながら証拠を提示する。
「こ、これはだな、今日たまたま拾ったもので」
「そ、そうだ、さっきマンドレイクが襲いかかって来たから返り討ちにしたところだったんだ」
対するイタル先輩達は尚も往生際悪く、適当な理由をでっち上げる。
“真実の銀薬”に自白剤のような高価は無いが、嘘に反応して微かに光るので、まだ一部待っている銀薬の反応を見れば嘘だと一目瞭然だ。
「見え透いた嘘を! この量はどう説明する!」
そしてイタル先輩達が所持していた量は仕入れ業者でなければあり得ない程の量であった。
「マ、マンドレイクは群れで、だな」
「ここにあるマンドレイクは魔物のマンドレイクでは無い! 魔草である本物のマンドレイクだ! 潔く認めろ!」
「クソッ!」
イタル先輩達が言い訳出来ないところで、風紀委員側の先輩達は尋問を始める。
「生き血と軟骨はまだいい、裏で買おうと思えば買えない事も無い。特に珍しいものでも無いからな。だが、このマンドレイクの量はなんだ!? 栽培しているだろう!」
「マンドレイクの大規模栽培は未だ発見された事が無い! どこでやり方を知った! 巨大裏組織との繋がりでもあるのか!」
「今回の怪しい依頼と何が関係ある! お前たちは何を企んでいるんだ!」
「……ッ」
口々に尋問されてゆくが、イタル先輩達の目は諦めていない。
質問には答えず、静かに活路を探す。
因みにマンドレイクを知る僕からすると、マンドレイクの栽培は簡単だ。
特にイタル先輩達にとっては、イタル先輩達だからこそ簡単に栽培出来る特殊な薬草である。
まずマンドレイクとは、異世界の伝承によると、無実の童貞が処刑されたときに漏れ出た精液が地面に染みると生まれるとされる。嘘のような本当の話である。
そしてこの世に実在するマンドレイクもその伝承に違わない。その通りに生まれる。逆に言えばそうでしか生まれない。農業的に増やそうとしても僕以外では不可能だろう。
今、世に蔓延るマンドレイクの殆どは本来の性質が薄れた劣化品に過ぎない魔物のマンドレイクだ。これは本物のマンドレイクの種などから発生する。
しかし伝承を省略した分、マンドレイクとしての力も省略される。マンドレイクを構成する大きな要素、叫ぶ魔草と言うところぐらいしか共通点は残っていない。叫ぶと言う要素が優先されるが為に、結果生まれるのはただの魔物だ。
この魔物であるマンドレイクを手に入れるのは簡単である。ダンジョンで普通に生成されるだろう。
法で規制出来ない程に多く存在するが、法で規制する程の力も持ち合わせない。
叫びを聞いてもその間動けない程度であるだろうし、薬としても魔法的と言うまでの効果は無い。精々強力な酒精の人を酔わす力と同規模の改変力に留まる。
対してイタル先輩達の所持していたマンドレイクは、特に死貞草は真正の本物だ。
正しく伝承通りに、冤罪をかけられ処刑された童貞が死に際に放った精液から生まれる魔草である。
その怨嗟の叫びは聞く人々から正気を奪い、その薬効は他種族に変えたと見間違う程に激的だ。媚薬、精力剤として人を何に変えるのかは、“あーるじゅうはち魔法”で妨害される僕には判らないが。
そしてその希少度は凄まじいものがある。
風紀委員側の先輩達が方法は知らないが栽培したのではないかと推理するのが当然な程、滅多にあるものでは無い。
何故なら、誕生の過程が滅多に、と言うか起きるか定かでない程に珍しいからだ。
冤罪で処刑まで行くケースの時点で滅多に無いだろう。
政争などで適当な理由付けで殺される事はあるかも知れないが、そんな暗殺では無く処刑までされて消される存在の大部分は何かしら消される理由がある。偽の罪だとしても無実かと言えば微妙なものだ。
そもそも原因が政争にある場合、それは罪云々では無く闘争の結果である。一方的にやられる事でもなければ冤罪は成立しない。戦死と虐殺のような関係だ。
そんな戦死のような状況ではマンドレイクを生まない。
完全な支配者による横暴からの処断でも、それはもはや本当に虐殺。冤罪による処刑とは本質的に異なるからマンドレイクは生まれない。
本当に冤罪での処刑と呼べるものはごく僅かだ。
更にその中でも男に限定され、童貞であると言う条件まで付く。
あくまでも僕の偏見に過ぎないが、冤罪をかけられる様な人は童貞では無いだろう。
疑いをかけられる人は大体日頃の行いが悪い人だ。それも処刑される様な事をしてもおかしく無いと思われている、相当に日頃の行いが悪い人である。そんな人はきっと遊び呆けて童貞では無い。
何より処刑されて精液を放つ。
一体どこにそんな人が居るというのだ?
精液については“あーるじゅうはち魔法”の効力で、子供を生むのに必要な男の人が出す子種と言う事ぐらいしか判らないが、それでも死んで出すのが不自然である事は僕にも判る。
人が死ぬと体内のバランスが崩れ色々なものを垂れ流す事になると聞いた事はあるが、流石にそんな物まで垂れ流さないと思う。
多分印象が強すぎるから流布され、その死も珍しいから反証される事の無い半ば迷信みたいな拡張された話だろう。
例外として究極的なドMな人はやらかすかも知れないが、そんな人は極度に少ない筈だ。
そうだと信じたい。居ないと思いたい。
つまり無実の罪で処刑、童貞、死に際に精液を垂れ流す。こんな人は滅多に居ない。
マンドレイクが実在しないなら見付からない理由を考えたと言われた方が遥かに納得出来る。
しかし逆に言えば、この条件さえ揃えばマンドレイクは簡単に発生する。
マンドレイクの種を植えなくとも、育てる事をしなくとも、想像通りのマンドレイクとして初めから生まれる。
栽培と言う観点から考えれば、マンドレイクはとても育てやすい植物なのだ。
そしてイタル先輩達はその条件を、その中でも大量栽培出来る条件を備えている。
まずは童貞。
もはや調べるまでも無い。
極度かはともかくドM。
この傾向も残念ながらイタル先輩達の中に存在している。先輩達は女子の暴力すらも愛情の裏返しと拡大解釈出来き、更にそれを受け入れてしまう凄い人達だ。
日頃の行いが悪い。
学園の女子が事件に巻き込まれた時、最初に疑われる程には日頃の行いが悪い。現に風紀委員や衛兵科に疑われ見破られている。
最後に処刑しても簡単には、いや多分どうやっても死なない。
一般的な処刑方法、絞首刑、打首、火刑、磔、ギロチン、銃殺刑、どれもイタル先輩達には歯が立たないだろう。その場で悲鳴を上げても数分後にはぴんぴんしている姿しか思い浮かべる事が出来ない。
伝承通りの条件に加え、イタル先輩達は処刑されても死なないから何度でもマンドレイクを生む事ができる。
そう、イタル先輩達は、イタル先輩達だからこそ、無制限にマンドレイクを生産する事が出来るのだ。
マンドレイクは別に無実の童貞の死が必要な訳ではない。
無実の処刑と言う段階が必要なのだ。そして処刑されたら普通は死ぬ。儀式的な構成要素として処刑に死はすでに含まれているのだ。死をもたらす刑こそが処刑なのだから。
理の意表をついた様な条件だが、それでもマンドレイクには十分である。無念の魂よりも伝承の力が必要なのだから。
因みに、レッサーマンドレイクについては更に生み出すのが簡単だ。
これは伝承にある無実の処刑の部分が、無実の制裁に置き換わっただけである。
あまり考えたく無い事象だが、イタル先輩達なら一日に何本でもレッサーマンドレイクを生み出す事が出来るだろう。
そんな訳で、イタル先輩達はどこかの裏の組織とかと繋がって、特殊な技術を用い大々的にマンドレイクの違法栽培を行っているのでは無い。
自然と手に入る機会が馬鹿みたいに多かっただけである。
そして怪しい依頼との関係も当然無い。
この依頼は僕達の出した完全無欠の健全なごく普通の依頼である。
まあ他の規制品と合わせて、無駄に高い技能まで総動員して隠していたから、判決を下すとしたら有罪しか有り得ないが……。
……どちらにしろ、奇跡は起こらないから奇跡と呼ばれるようだ。
先輩達の行動に、ソドムへの警戒心など欠片も無かった。
……得意分野の植物の事で思考回路を埋めてみたが、現実は何処までも現実であるようだ。どうしても直視してしまう。
こんなにも下らない真相に気が付かず、流石は英雄だと胸踊らせていたなんて、穴が在ったら入って埋まっていたい。マンドレイクの気持ちが今なら判る気がする……。
そりゃ、イタル先輩達の下らない経緯で誕生してしまったら、ずっと土の中に閉じ籠っていたくもなる。人に知られると思うと発狂ものだ。
もしかして、全てのマンドレイクはそんな居た堪れない経緯で誕生したのかも知れない……。
唯一の幸いは不法所持していたものの大半がマンドレイクと言う点ぐらいだ。
僕も持っているから強くは言えない。だからショックはその分少ない。
……どうしよう? 持っているマンドレイクの由縁がイタル先輩達のような人だったら?
どうか生涯独身を貫いた賢者が思想を異端にみられ処刑されたとかであってほしい。……マンドレイクの所以、どれだとしても穏やかじゃない気がする。
マンドレイクに心の安寧など、元より無かったようだ。
さて、この場を切り抜ける手段を探していたイタル先輩達だが、イタル先輩達は最悪の手段を選択した。
「「――封印解除――!」」
そう命じると、一斉にマンドレイクがこの世のものとは思えない壮絶な叫び声を上げた。
「「「―――――――――ッッッ!!!!」」」
イタル先輩達はマンドレイクの鮮度を保ち存在を隠蔽する魔術を解いたのだ。
それに伴い、目覚めたマンドレイクが一斉に叫びだしたと言う訳である。
「「いっっ!」」
そんな叫びを聞いた風紀委員側の先輩達は思わず武器を落とし、耳を塞いで蹲る。
一体でも人の正気を奪い、死に至らしめるとされるマンドレイクの叫びだ。容易に市場を開ける数のマンドレイクの叫びは、英雄並みの力を持つアンミール学園の先輩達と言えど、ただでは済まない。
耳を塞ぐと言う方法である程度防げるとは言え、致死魔法の連打を受けている様な状態である。
初めに気を失わずに、耳を塞げた時点で相当に凄い。
対してイタル先輩達は多少煩いなと思う程度で、悠々とその場から立ち去ってゆく。
勇者の力と謳われる事もある固有スキル〈不屈〉の力だ。
全ての精神干渉に屈しない不動のスキルによって、マンドレイクの叫びもただの騒音と変わらない。
何名か〈不屈〉を持たないイタル先輩の仲間が巻き添えで倒れているが、全面無視してスタスタと立ち去って行った。
童貞を卒業したいと言う願いで結ばれたイタル先輩達の関係は儚かったらしい。
蹲る先輩達は何とか耳を塞ぎながら出来る限りの攻撃、主に魔術を駆使してマンドレイクを葬る。
幸い魔術は手を使わなくとも詠唱は出来るから、耳を塞いでいても比較的問題なく使えている。
そして時間をかけて何とかマンドレイクを全滅させる事に成功するが、その時初めて新たな問題が生じた。
いや、それに気が付いた。
「な、なんだ、身体が、あつい」
「俺も、だ。なんだ、これは?」
「わっ、私も」
それはマンドレイクの秘した、気付かれざる力。
叫びの催淫効果、精力増強効果だ。
これは叫びが精神まで到達して初めて発揮される力。
狂人な精神の持ち主で無ければ、叫びの力が到達してしまえば正気を奪われそのまま死んでしまう。耳を塞いだとしても気絶はするだろう。
その為、発見されなかった力である。
マンドレイクの叫びの本質。
それは生命の強制表面化だ。聞いた者の生命力を過剰に引き出し、そのまま外界まで放出させてしまう。
しかし更にその根源を探ると、聞いた者の生存本能と生殖本能を引きずり出す力である。
……童貞が処刑されたあたりの起源に関係があるのだろう。
死に至るのは、生存本能で眠っている分の生命力まで出させ、生殖本能としてそれまで出させてしまうからである。
正気を奪われるのは、心身の構造が命の移動で変わってしまうから。弱き火は風の庇護がなければ同じく灯り続ける事が出来ない。
先輩達は既に強い炎を持ち始めている。
だから正気を失う事はない。
しかし揺るがぬ程強い訳でもない。容易く消えないだけだ。
結果起きたのは生命力の外界ぎりぎりでの表面化。
普段眠っている力が最前面に出る事による精力増強、そしてそれらに伴う催淫効果である。
オマケに塵と化したマンドレイクの薬効も手伝って強力な効果を発揮してしまっている。
まあ、肉体的に性欲が高まっただけであって、精神的には直接催淫効果は無いから理性を失う程ではない。
だが通常ではあり得ない状態である事も確かだ。
しかしこれは大した問題では無い。
寧ろ先輩達の縁結びを求め、最終的には子作りするところまで行って欲しい僕としては不幸中の幸い。
それどころか普通に良い結果の一つである。
だが手放しで喜ぶ事はできない。
いや、普通にも喜ぶ事は出来ない。
何故なら、ここはソドムだからだ。
すべての欲望はゴモラの糧でしか無い。
性欲もまた同じ。例え意識しないものであれ、ここまで外に出てしまえばゴモラの魔の手から逃れる手は無い。
そして欲望まで行かなくとも、ゴモラは人の悪を自らに写し力とする。
イタル先輩達の違法物を隠すと言うやり方も、マンドレイクを開放する事による精神攻撃も、既にゴモラの手の中であろう。
ソドムで醜さを曝け出しては、隠し持っている事さえも、してはいけないのだ。
もはや僕が見当違いな期待を向けていた事に、後悔し恥じている場合では無いぐらいに緊迫した状況である。
ついさっきまで目が死んでいたコアさん達も、すぐに目を背けられない状況に気が付き、冷や汗を流しながら視ている。
「ティナ、君の為に薬草を摘んできた。君にはいつも色々と元気でいて欲しいからね」
「まあ、カイウス様。実は私も摘んできました。カイウス様にはいつも色々と元気でいて欲しいですから」
「ティナ」
「カイウス様」
視れば他の所でも深刻な状況は悪化していた。
いつの間にか通りでイチャついているカイウス先輩とティナ先輩の手にはマンドレイク。
隠蔽を解かれたマンドレイクの山からこっそりくすねてきた物だ。マンドレイクの封印は同じでまだ解かれていないから、騒ぎの最中に盗ってきたのだろう。
明らかな犯罪行為。
ゴモラにとって最上の餌だ。
これでゴモラは盗む事を写し取った。
どんどんゴモラに人の汚い面が、悪意が、力が集って行く。
こうしてソドムは、早くも退廃都市として体現した。
うん、既に僕達の手には負えない。
状況が悪化し続けると、急に気が楽になって来た。
「人生、諦めが肝心なんだね」
「まだ出来ることに目を向け、出来る限りでも満足できる様に動く事こそが健全なのでしょう」
大切なのは出来る事に目を向ける事。
「……余命を受け入れて、最期を楽しもうとする感じになってるぞ? まあ、絶望するよりは開き直った方が良いだろうが……」
ある意味諦めのプロとも言えるゼンが何やら非難する様に言ってくるが、世の中、どうにもならない事もあるのだ。
どうにもならない事にいつまで囚われていても仕方がない。
全ての道が無くなった訳ではないと気付き、前を向きながらその道を進む事こそがきっと正しき道なのだ。
諦めと、前を向く事は、必ずしも相反しないのである。
もう、どうとでもなれ。
《用語解説》
・真実の銀薬
隠されたものを白日の下に曝す魔法薬。
原料はミスリル。真実を写す系統の鏡としてミスリルに真実を写す力を与え、それを粉砕する事で作成出来る。“真実の鏡”を割ってしまった事故から発見されたと言う。
ミスリルは非常に魔力をよく通す金属である。ミスリルに魔法式を刻めば素早く無駄なく魔力を力に変換出来る。そして魔力との親和力が高いので、魔力を何度も激しく流しても刻んだ術式は壊れ難い。非常に魔道具の材料として適している。
しかし通し過ぎるので術式を留める事が難しく、金属としての硬度から刻み込む事も難しい。そして加工時に魔術を作用させる事も難しい。
そんなミスリルに真なる銀としての力、銀の姿を写す性質、鏡として写真として写す力、そして穢を許さない清浄なるものとしての性質を引き出して“真実の鏡”は造られる。
当然その作成には高度な技術が必要で、それを砕いて造られるこの魔法薬は非常に高価である。
ミスリルの材料費を考えなくとも、製作の技術料だけで新築が建つ。
されどその需要は非常に高い。作り手が少ない事で売れば割増価格でもすぐに捌ける。
銀薬ではミスリルの魔力をよく流す、優先的に魔力が流れる性質が引き出されている。それによって魔力の軌道を乱し魔術や魔力による技を解くのだ。
そして真実の鏡は真実しか写さない。その性質として銀薬は偽りに反応し光り輝き偽りを弾き出す。
自白剤的なこそ無いが、外的な隠蔽は全て無効となり、偽られたもの露見し弾き出される。より手の混んだ隠蔽に対して効果を発揮出来る魔法薬である。
その利用価値は計り知れない。
まず大物が施す隠蔽は必ずと言っていい程、魔力を伴う。通常の隠蔽は小物ぐらいしか行わない。
捜査側が魔力を用いる手段を使える以上、全く太刀打ち出来ないからである。ただ隠し持つだけでは、探し物魔法を使える主婦にすら容易に発見されてしまう。
その為、本当に隠し通そうと考える者は隠蔽の術式を用意する。大物ほど、より隠さなければいけないものがある程、強固な術式を。
そして質が悪い事に、強固過ぎる隠蔽は、人が見破れ無い程の隠蔽の多くは人の手によるものでは無い。それを施すのは人より魔に近い存在。悪魔や魔族である。
悪魔も魔族も人間にただで力を貸す事は無い。悪魔は贄などの対価を要求し、魔族は対価があっても自らの為にしか人に力を貸さない。
故に悪魔や魔族が隠蔽に力を貸すとき、それは主に自らの目的と一致する場合だ。
その場合寧ろ隠蔽の主犯が悪魔や魔族と言える。
どう考えても穏やかに済む隠蔽では無い。
選択を間違えれば国家滅亡の、下手をすれば人類滅亡の危険が隠されている事が多々ある。
何より人に見破れ無い術を行使する存在が、悪意を持っている。その時点で国家存亡の危機に繋がる。
そうでなくとも重い代償を支払ってでも隠したい何かがある時。
こちらも交渉相手は同じ悪魔や魔族。つまり隠すためならば人を滅ぼす悪意を持つかも知れない相手を引き入れる事も厭わない。
そう考える何かがまともなものである筈が無い。
結局危険度は同じだ。
よって非常に強固な隠蔽は、何としてでも解除しなくてはいけないものである。
放置すれば何が起きてもおかしくはない。
幸いにしてその手の隠し事は周囲に多大なる影響を及ぼす為に、状況証拠などが必ずと言っていい程残される。
しかし人の術でその隠蔽を見破る事は不可能に近い。
そんな状況下で用いられるのがこの銀薬である。
例え悪魔や魔族の施した高度な術式であっても、その術式の流れを変えてしまう銀薬の前では意味をなさない。寧ろその場合、銀薬は清浄なる聖銀の力も発揮しより強固に作用する。
対悪魔魔族隠蔽の絶対的切り札だ。
人に解けないレベルの隠蔽術式を人の領域で施す悪魔や魔族の存在自体が稀有であったとしても、どんな国家であれこの銀薬を備えるのが常である。
買えるのならば値段を気にせずすぐさま買い取り備蓄する。それだけ重宝される魔法薬である。
その分一般人の手に渡る事は無いと言っていい程希少。そもそも一般人が必要になるような場面はまず無い。
なのに何故かアンミール学園では普通に売られ、何故か使われる頻度もそこそこ多い魔法薬でもある。
・死貞草
異世界にある伝承通り、無実の罪で処刑された童貞から垂れ流れた精液が地に達した時、そこから発生する魔草。伝承植物。
死貞草、死貞草、マンドレイク、真のマンドレイク、アルラウネ、真のアルラウネ等と呼ばれる。
伝承植物として非常に強い力を持ち、主に淫薬、精力剤として用いられる。効果はかなり強力だが副作用等は無い。老夫婦でも子宝を授かれる可能性がある非常に有用な魔草。
使い方次第では毒にも薬にも変えることが出来る。
ただし引き抜く際に叫びを発し、聞いた者は正気を奪われ死に至る。
アークの言う通りに生命維持に必要な分の生命力まで全面に出される事により引き起こされる。ただの精神攻撃とは違い薬のような作用がある為に防ぐ事は難しい。
聞こえてしまえば生き残るのは難しいだろう。
採取時は犬など、身代わりを用意して引き抜かせる。基本的に全て伝承通りの方法が使える。
だがこの種のマンドレイクは有用だと時の流れと共に広く数多の世界で知れ渡っているので、安全に採取する魔術等も開発されている。裸体美術部はこの手の魔術、引き抜いた事を気付かせない魔術を用いて叫びなく引き抜いていた。この方法だとマンドレイクの鮮度も保つ事が出来る。ただし解除時は叫びが止むまで離れて待つ必要がある。
尚、どの世界でも伝説としてしか知られない事もある程希少。
理由はその由来から。
マンドレイクは王侯貴族から子孫繁栄の為に求められ続け、その栽培方法等を探られ続けて来たが、未だ某裸体美術部ぐらいしか発見していない。
処刑台の下から見つけられる事から、間違った方法がとられ続けて来た。
ある王は悪を裁けば天から与えられる奇跡だと捉え、法を増やし厳格化し。またある王は最期の血、つまり生贄の血が必要だと捉えて奴隷や異民族の血を捧げた。
そして異世界の伝承に目を付けた王は、故意に穢れていないだろう若い青少年に無実の罪を被せるよう仕向けた。
そして何れの方法でもある程度の成果、一二本程の成果は現れてしまった。法の整備では案件が増え過ぎ捜査員の不足により、他の虐殺ではそれに反発する者を処罰する中で、混乱を極める中で体制に綻びが生じた事により、本物の条件が揃ったからだ。
そしてこのマンドレイクは伝承植物、神々が信仰を力とするように伝承を力とする。
不揃いな伝承もまとまり、下記の被虐貞草のようなマンドレイクの亜種が生まれた。
そこでより真相は闇に紛れた。
結果、今日の定説としては、乱れた治世でマンドレイクは誕生するとされている。
そもそもマンドレイクの真の発生方法からして栽培しようとする事自体、間違っているのだから、ある意味間違った説ではない。
そしてこの説により、現在では治世を行う者が無理をしてでも求める試みは減っている。
だがそこまでしてでも求める者がいるように、欲している者は数えきれないと言っていい。
・被虐貞草
一部不完全なマンドレイク伝承の手順により生まれるマンドレイクの亜種。全てにおいてマンドレイクよりも一歩劣る。しかし魔物のマンドレイクと比べ破格の効能がある。
使い道はマンドレイクと同じ。
特殊な副次使用例として、無実の判定がある。
無実の罪で拷問された童貞から誕生するので、自白を強いる中でレッサーマンドレイクが誕生したら無実と見なされる。
その場合は通常の賠償に加えレッサーマンドレイクの所有権が貰える。現金な事にレッサーマンドレイクの売上から根に持たない者が多いそうである。また、何故か慣例として担当官が被害者に娼館でお詫びに奢る事が多いらしい。
発生の手順としては、何故か童貞の部分が絶対で、冤罪と処刑のどちらかが作られた冤罪、拷問等である事で生まれる。
またマンドレイクにも当てはまるが、精液ではなく尿でも発生するがその確率は精液に比べて大分低くなる。
それらの理由は単純に数、リソースの問題である。伝承の力はそれそのものと、不完全なものは伝承となりえるか否かである。伝承は日常としては効力を発揮しない。
その為、価値はマンドレイクに劣る程度で高価なのは変わらない。
貴族にとっての高い買い物、そのくらいの価値である。
・淫魔の生き血
淫魔、サキュバスの生き血。それも夢の中で現れたサキュバスの生き血である。その血は特定条件下で他種族の女性をサキュバスに変える力を持つ。
主な利用法は淫薬や精力剤の材料。そのままでは使えない。
種族変化の力を持つために、条約で個人所有を禁じられている。
ただし夢の中に出現出来るサキュバスさえいれば比較的容易に用意できるので、裏では、特に従業員としてサキュバスが働いている娼館では衛兵に隠れて堂々と使われている。
効果に対して安い。
ただしマンドレイクが肉体に作用する事に対して、こちらは精神にも作用する。
用法を間違えれば種族変化を考えなくとも危険。薬の調合師も裏の人間なので買わない方が良い。条約を無視するまでの価値は無い。
・月鼈の軟骨
月鼈、月のように美しく大きいスッポンの軟骨。
精力剤として用いられるが、そこまでの薬効は無い。主として強力な健康食品。奥様方に大人気。
アンミール学園では規則で禁じられているが、乱獲禁止的な意味合いで規制されている。
月鼈は小島程のサイズだがその割には弱い。噛みつきに注意して上から攻撃すればすぐだ。そして美味い。その為、乱獲され易い。
規制は保護者の奥様方の自分達の分が無くなるのでは?と言う危機感から。どの方面からしても深刻なものでは無い。
ただし裸体美術部は商売出来る程に所持していた。流石にアウトである。
最期までお読み頂き、ありがとうございます。
次話はバレンタインが近付きますが、説明文的な内容の入る余地が無いと思うので早めに仕上がると思います。まあ、今回はマンドレイクなんかで時間を取られてしまいましたが……。




