第一話~入部~
「え・・?」
先輩が言ったことを理解するのに2秒程かかった。
このかわいい先輩はどうやらアニメ研究会の人らしい・・
こう言ってはなんだが俺のイメージではアニ研いるような見た目ではなかった。
それは偏見の目である事は自分でもわかっているつもりだが・・・
「アニ研・・ですか・・・?」
「はい!願いします!」
先輩が頭を下げる。
「部員が少なくて、廃部になっちゃいそうなんです!」
俺は考えた、知らない先輩だけどこうして知らない俺に頭を下げている。
入部してあげたい気持ちは少なからずあった。
実際ゲームなどは嫌いではない・・
だが・・高校に入学して以来テレビゲームはやらなくり、携帯のアプリを暇潰しにやる程度だった。
それと、入部することで自分がオタクに見られるのが嫌だという気持ちが大きかった。
「俺・・アニメとか見ないので・・」
俺は断ろうとしたが・・
「じゃあ、ちょっとでいいから見学していって!時間はかけないから。」
そう先輩は言い俺の手を引いた。
特に用事があった訳ではないので、軽く見る程度ならと思いアニ研の部室に向かったのだが・・
何故か、校舎の裏に出て今は使われていないという旧校舎に入って行く。
「先輩、旧校舎って立ち入り禁止なんじゃないんですか?」
「アニ研は例外なのよ」
先輩は俺の質問に答えれたがまったく答えになっていなかった。
そのうち3階の角部屋に着く。
「ここが部室旧校舎だからほかの部はいないわよ。」
そういって部室の中に入る先輩、もちろん俺も続いて入る。
「すごい・・・・」
俺は思ったことをそのまま口にした。
広い部屋に様々なアニメのグッズやゲーム機フィギュアが棚に並べられている、元々は音楽室だった場所らしく広さも半端ではない。
「おや?新入部員かな?」
奥から男の先輩が出てくる、かなりのイケメンだ。
細い銀縁のメガネ、整った顔立ち・・・
あれ?あの人は・・
「もしかして、生徒会長!?」
「ははは・・参ったなぁばれてしまったか。」
「会長もアニ研だったんですか?」
「まぁ、だったと言うか・・僕が作ったんだけどねこの研究会。」
衝撃の事実であった。
まさか、さらに縁のなさそうなイケメン生徒会長までが俗に言う、オタクと呼ばれる存在だったとは・・
「自己紹介が遅れたね、僕は如月 樹ご存知のとおり生徒会長であり、この研究会の№001イッチーだ。」
」