大丈夫?私はまだ大丈夫 と彼女はウタウ
掲載日:2026/03/10
小さな島の森の奥 訪れる者のない社
風と落ちた葉が舞う そこで独り祈る女
数限りない人が通りすぎる交差点
立ち止まる者のない路
騒めきと足音が鳴る そこで独り唄う女
誰もいない街 朝の街
風も鳥も人も音さえも 未だ動き出さない街
冷えた手と世界のために
白い吐息を拡げる人
大きなカバンを肩にかけて
凍える駅のホームで立っているだれか
何かを見つめているようで 何も見ていないようで 独り
重たい空を頭上に仰いでいる
反対側のホームで
呟くように「また いつか」をウタイながす人
大丈夫? 私はまだ大丈夫
優しく力を込めて 鍵盤を押す
遠くはハッキリとは見えないけど 探るように1音1音 鍵盤を押す
振り返っても 大丈夫 立ち止まっても 大丈夫 俯いてても
多分 大丈夫
と 声に出して言わない けれど
奏でる 唄う 呟くように 祈るように……
そして それは 届く
背中から 足元から
君に
ある種の旋律とウタゴエは私や誰かの何かを揺さぶります。
そしてわたしもあなたも感情的になってしまいます。
コトバはいつも音楽に及んでいないのではないか?
いや、及ぶ必要なんていらないか……なんて、いろんなことを考えてしまう。だから、音楽は言葉と一緒で大切なものなんだと考えています。




