第五章【静寂の世界】
こんにちは!波佐谷のファンです。
雪山を進む高瀬と成瀬。足音や呼吸さえも凍りつく静寂の中、恐怖は目に見えぬ形で迫ります。
貴方も主人公と同じ視点で、山の異常さを体感する章となる事でしょう。
ではどうぞ!
「じゃあ上りますか」拓海はそう言って足早に登り始めた。何箇所も危険な場所があり、これは本当にやばい山だと改めて思った。「危ない!」足を踏み外し、転びそうになった。「本当に気をつけてください。」拓海が助けてくれなかったら、この山で死んでいただろう。「あぁ気をつける」そう言ってまた登り始める。その後も危ない事は起きたが、二人で助けあって登った。「ふぅ、これでやっと3合目か。ここで一回休むか」「そうですね。あと半分なのでゆっくり行きましょう」休憩の間、拓海は登山道具の手入れをしていた。そして30分ぐらいたったあと、「では行きましょうか」「あぁ絶対二人で登頂しよう」そう言ったあと歩き始めた。歩くたびに、「ザクッザクッ」と音が鳴っていた。吐いた息は、凍りついたような色をしていた。(何だこれ。地面が抉れている?そんなわけない、でも変だ。下は木で覆われている。落ちたら骨折だな、気をつけないと)そう考えて不安を紛らわした。この時は、山で見たモノを思い出していた。もう空が赤色に変わっていた。ゆっくり山頂へと向かったので、少し時間がかかったが無事何事もなく山頂へ登れた。「やっぱり僕達は、いいコンビですね」誇らしげにそう言った。「もうすぐ夜だからここで寝るか」「そうですね、そうしますか」すぐにテントを張った。「食べるものは持ってきてるよな?」「全て準備万端です」すぐさま焚き火を作り肉などを焼いて食べた。「頂きます。」山を登った時の疲れですぐに肉は無くなった。「ごちそうさまでした」「いやー本当に肉は美味しいな」少し雑談をしていると、異変に気がついた。「なんか……変じゃないか」「何がですか?」喋り声のせいでわからなかったが、音がしなくなっている。風の音も動物の鳴き声も全てがしなくなっていた。まるで山全体が息を潜めているようだった。いつの間にか水が肌から吹き出ていた。「どうしたんですか。大丈夫ですか?体調が悪いなら無理しないでくださいね。」「違う……そうじゃない。音だよ。何も音がしない。」拓海は、戸惑っていた。「すぐに山を降りるぞ」俺はその時、あの本の内容を思い出していた。それは、【あれが近くにいる時は、全ての音がこの世から消えたように、無くなる。】と言うものだった。この時、自分の息が荒くなっている事さえわからなかった。雪山全体が肺が凍るような寒さで覆い尽くされていた。
まず静寂の世界読んで頂きありがとうございます。
静寂の異常さが、物語の核心に近づいていることを示します。
恐怖の“気配”が、次章で具体的な形を取る準備が整いました。
次章では、何が起きてしまうのか!




