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第一章【雪暗の夢⦅せつなのゆめ⦆】
こんにちは!波佐谷のファンです。
この章では、主人公が雪山で不気味な音に出会うところから物語が始まります。
雪の静寂に潜む異様な気配、そして見えない“何か”を感じながら、貴方もその恐怖に引き込まれるでしょう。
では雪を喰らうものスタートです!
「ザクッザクッ」雪山の中で音が聞こえた。ここには誰もいないはずなのに、そんな音が静寂の中で鳴り響く。吸い込まれるように音のする方へ歩いた。音が大きくなっていく。そして急に音が止まった。風の音も空気の音も全て消えた。まるでこの世から音が消えたようだった。耳を澄ますと、「ずるり……ぬちゃ……」雪が沈むような鈍い音のあと、「くちゅ……くちゅ……」と、咀嚼に似た音が雪の下から滲み出すように聞こえた。「たか……せ……さ……げて……」微かながら自分の名を呼んでいる声がした。暗い闇の中で何かが動物か何かを食べている。あれは、生きていた……それだけは確かだった。
まず雪暗の夢を最後まで読んでいただきありがとうございます。
夢なのか現実なのか、曖昧な恐怖が章の終わりに残ります。
静寂の中の異音は、これからの物語で何度も登場する重要な伏線です。




