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12−8 こたえあわせ



「臨ヶ浜さん...貴方の能力、その枷は信頼によって強度を増すんじゃないですかね」


「───。」


「あなたが相手を信頼するほど強く縛り付ける枷。最初は名前を言わなかったのに、もる子さんが枷を壊した途端に自己紹介をしたのは強度を増すため...。もる子さんという人間が絶対に枷を外すという信頼を感じるために話した」


「なんか凄く頭いい話ししてる?」


「私が最初に逃げたときと、木陰から逃げたときに枷を撃ったのも、私が逃げると信頼していたから。逆にもる子さんの枷を私がすぐに外せたのは、私が私に対して枷が絶対外れないという信頼をしていたから...」


「どゆこと???」


「私はもる子さんの枷がはずれないと思っていました。その絶対に私なんかには外せないという負の信頼感が、臨ヶ浜さんの放った枷の持っていたもる子さんを絶対に拘束するという信頼に勝った...だからはずれた」


「おーん...」


「そして最後、臨ヶ浜さんは私が心から自信を持って挑んできたと信頼した。私のことを不穏分子の親玉で、黒幕だと思っていたわけですから...。でも事実そうではないし、私は殴ったりとかそういうことに自信はないです。ですから臨ヶ浜さんは『江戸鮭が本当に強くて私を殴ってくるのではないか』と『隙を見てもる子さんを助けようとしている』の二択を迫られたわけです...」


「──うん」


「そしてあなたは『江戸鮭が黒幕』に賭けた。事実、そういったウワサが蔓延っているって話は前からありましたし...。ですが現実は違った。そしてもる子さんの枷を外したって訳です...」


「あー...要するに???」


「...臨ヶ浜さんの枷は、相手を信頼しているかで強度が変わります...」


「OKわかった!」


もる子さんの納得に、臨ヶ浜さんは両腕を上げました。


「───私の負け」


「よっしゃあ!」


もる子さんの雄叫びに、セミが何匹か逃げ出します。


私はその場にへたり込んで、全身の力を抜きました。


「すっごい江戸鮭ちゃん!また勝っちゃったよ!」


「あはは...よかったです...」


私はもう目を合わせる力もなく、ただただ虚空を見つめて言いました。




──

続きは今日中

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