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閑話.ヤンデレガンナー(男児 7才)

※オリヴァ視点になります。

―――――――――――


■後神暦 1324年 / 春の月 / 獣の日 am 10:10


――ツーク村防衛戦から1か月半後


「オーリ、あんまり遠くに行ったらダメだよー?」


「はーい!」


 今日はヴィーとミー姉ちゃんと村の近くのキレイなお花を探しに原っぱにお出かけ。


 ミー姉ちゃんがもう少ししたら、おっきな街にそんちょのお手紙をとどけに行くから、その前にパパとママのお墓にお花を植えてキレイにしようって言ってくれた。


 パパとママがオーリたちが見えるようにって家の裏の丘にお墓をみんなが作ってくれた。

 アド兄ちゃんはパパとママもこれで安心だって言ってた。


 でもさびしかった、夜も寝るときにママにおやすみって言えないし、もうパパにおかえりなさいも言えない。


 だけど、ミー姉ちゃんはそんちょと話したあとに家族になろうって言ってくれた。

 ミー姉ちゃんはとってもふしぎ、アド兄ちゃんより子供なのに頭をなでてくれるときはパパやママみたいに大人っぽい。


 それにやくそくも守ってずっといっしょにいてくれる。

 今日みたいお出かけもそうだけど、他にも色んなところにつれてってくれた。

 オーリが虫取りに行きたいって言ったら道具も用意してくれた。


 たぶんだけど、ミー姉ちゃんは虫がキライなんじゃないかな?

 家で黒い虫がいたときは「ぼぉるぅぁあぁ」って言ってハンマーで机こわしちゃったし、オーリが捕まえた虫を見せたときもニコニコしてたけどちょっと変だった。


 でも虫取りは楽しかったよ。きっとヴィーも楽しかったとおもう。


 だけどミー姉ちゃんが虫がキライだったらオーリが守ってあげるんだ。

 アド兄ちゃんも「男ならヴィーとミーツェを守れるようになるんだぞ」って言ってた。


 オーリはヴィーみたいに目が良くないからスナイパーライフル(あの武器)は使えないけど、代わりにミー姉ちゃんが前に使ってた武器をもらった。

 ティスちゃんたちと初めていっしょに戦ったときの武器で思い出があるからシエル村のときにオーリたちの武器をつくるためにミー姉ちゃんの武器をざいりょーにしたけど、コレは手放せなかったんだって。



「オォォォリィィィィィ!! 逃げるよぉぉぉぉ!!!!」


 ミー姉ちゃんがヴィーを抱っこしてこっちに走ってくる、ヴィーだけずるい。

 おっきい虫に追っかけられてるみたい。

 シエル村の人より前にツーク村におそってきた虫と同じやつだ。


 オーリはしってるんだ、虫を退治したらミー姉ちゃんが褒めてくれるって。

 だから魔法で見えないようにして……こっそり走ってちかづく。



「ちょ!? オーリどこ!? 遊んでる場合じゃないよ!!」



 ――ダンッ!!



 虫の頭と体の間を()()()()()()()()()()()()でうつ。

 ここをうてば虫を倒せるってしってるんだ。



「へ? オーリが倒してくれたの? ありがとぉぉぉ」


 ほらね、今日もほめてくれた。オーリはこのときが大好き。



 ~ ~ ~ ~ ~ ~



「綺麗な花いっぱいみつかったね、二人とも凄いね」


「「うん!」」


 今日もみんなでいっしょにいる楽しい一日、うれしい!

 でも、この時間はもしかしたらイヤなことがあるかもってオーリもヴィーもしってる。



「お、ミーツェ! 今帰りか? 良かったらうちで飯食っていかないか?」


 この人、アド兄ちゃんと同じくらいのお兄ちゃん。

 いっつもミー姉ちゃんに声かけてくる、ご飯にもさそってくる。

 オーリたちからミー姉ちゃんをとるのはゆるさない……


 オーリは()()()()()を抜いていつでもうてるようにする。



 ――カシャンッ……



(大丈夫、行かないから銃しまって……!)


 ミー姉ちゃんがあわてた顔でこっそりおねがいしてくる。

 しょうがない、ミー姉ちゃんがこまっちゃうから今日もゆるしてあげる。


 でもしつこかったら本当にうってもいいよね?あるま。

 オーリは口をへの字にして空飛ぶハコにだきつく。

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