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ep4.妖精の花畑防衛戦 1

*** … 32.2%

***** … 26.0%

**** … 17.5%

****** … 24.3%


『*****の妨害も私じゃなく****に影響しましたね、いい感じです』


『すまんな****、他意はない。ことろでぬしの子らは脆弱すぎるのではないか?』


『うるさいなっ!! これから! これからだ!』


『ところで、あなたの切り札はどうなったのかしらね? でも大丈夫よ****、次はわたくしの番ですので』


『それにしても300巡以上してるのに決着がつきませんね』


『あら、いいじゃない。どうせヒマでしょう?』



 ~ ~ ~ ~ ~ ~



■後神暦 1324年 / 春の月 / 黄昏の日 pm 00:02



 ――星喰い当日



 スタンピードに備えてブレッシング・ベルが咲く大岩の防衛陣地に妖精族全員が集まった。



「ダフネリア、辛い決断だったのに提案を受けてくれてありがとう」


「構わない、我らの子には代えられない」


「あたしは攻撃魔法は使えないけどバッチリ手伝うからね! 後ろも任せて!」


「ありがとうティス。でも危なくなったら逃げてね」


 そして今日の装備は本気も本気。

 島にいた半年の探索で溜めるに溜めた元素値をほぼ使い切り、製造所もフル稼働させて用意した。



【メルミーツェ装備】

 ・スレッジハンマー

 ・PDW(短機関銃)

 ・ソードオフショットガン

 ・アストナイトブレスレット

 ・戦闘用(バトル)サック



 サックはティスが中に入ってマガジンの受け渡しと後方の警戒ができる特別製だ。

 ショットガンの弾は構成する元素が足りなくて装填されている分だけなのでギリギリまで温存。

 基本はPDWで戦い、弾切れや接近された場合はスレッジハンマーで近距離戦。

 ブレスレットはスキル用なのでリキャスト毎に使用、準備は万端だ。



【部隊編成】

 メルミーツェ…研究者(サポーター) 変更不可

 オルカ…剣闘士(ソードアタッカー) フィジカルバフ要員

 グランド…槌盾(バトルタンク) シールド要員

 アンヘル…中衛銃士(アサルトガンナー) 銃知識要員

 ビクティム…前衛銃士(バトルガンナー) 銃知識要員

 ナハト…超常治癒士(サイキックヒーラー) 回復要員

 ティリス…拳闘士(マーシャルファイター) 武器ロスト時の保険

 ソラルナール…超常者(サイキック) 減速の切り札



 現在の装備を使うための編成にはなるけれど、オルカだけは絶対に外せない。

 非力なメルミーツェの体だどスレッジハンマーなんて振り回せないし、銃を複数持つなんて絶対無理だ。


 装備・編成は問題なし、次は防衛の配置の確認。

 もし襲撃されるなら僕がいる入口からのみ。

 妖精族は高台に配置、銃撃と一緒に魔法で近づかれる前に数を削ってもらう。


 入口まで到達されたら僕が近距離戦で仕留めていく。

 もし抜けられたら柵の死角に配置した妖精族が迎撃。

 マナが切れたら拠点で補充できるようにピンは刺してある。


 万が一、入口以外を狙われても迎撃できるように大岩の一番高い位置に妖精族の中で魔法の最長射程を誇るダフネリアを配置。

 今の戦力で考えることができる最善の配置のはず……!


 相手が空を飛んでる場合は前提が崩れるけど、その場合は”ソラルナール”の重力操作スキルで多少強引にでも落とそう。



TD(タワーディフェンス)は少戦力での1レーン防衛ならラインをがっちがちに固める方が安全だしね」


「TD? 1レーン? 何の話? それより星喰いが始まったわよミーツェ!」


 空が暗くなっていき数分後には完全に日神星が隠れ、光る輪が空に浮かんでいるかの様な光景だった。

 現象だけ見ればただの皆既日食だが、空気の密度が上がったような、そんな異様な気配が広がる。



 ――オォォオォォォォン!!!!



 獣の遠吠えが響き、徐々に空が明るくなるにつれ花畑の奥に黒い塊が現れる。

 狼の群れだ。


 さっきまで狼なんていなかったのに……すごい俊敏なの? それとも突然出てきた?

 いや、それよりも起きちゃったね、スタンピード……


 数は40~50くらい、かなり大きいし普通の狼と少し違う、あれはきっと――……


「狼もどきだ……!」


「狼もどき? あれは魔狼(まろう)よ?

ダフネおばーちゃんに聞いたと思うけど、魔石っていってマナが結晶化したものが体内にある獣を魔獣っていうのよ」


 説明ありがとうティス、今度からもどき動物はちゃんとした名前で呼んであげよう。

 いやいや、今考えるのはそれじゃない!



「みんな! 射程に入ったら順次迎撃をお願い! マナが切れたらすぐに拠点に入ってね!」


 PDW(短機関銃)を構え、まだこちらを窺っている魔狼に先制攻撃だ。

 タタタタッタタタッ、と断続する発砲音に続き次々と薬莢が排出されていく。


 今更駆け出したね、PDWの有効射程は200メートル前後、ここからでも届くんだよ。


 でも弾丸1発が致命傷になっていない……”アンヘル”のパッシブスキルのおかげで命中精度も威力も上がっているはずだけど、それでもまだ火力が足りないのかな?


 ……だったら!



「almA! 掃射して!!」


 機械音と発砲の轟音を響かせガトリングが薙ぎ払う。

 今度の火力は十分なようで、こちらに駆けてくる魔狼は随分と数を減らした。


 残った魔狼を撃ち続け、ティスタニアから2本目のマガジンを受け取るころには魔狼もこちらに数メートルの距離まで迫る……が……


『『『 風よ、突き穿て 』』』

『『『 水よ、撃ち貫け 』』』


『『『 エアグレイブ 』』』

『『『 アクアスピア 』』』


 妖精族の高台部隊が一斉に迎撃を始め、魔法の槍の弾幕に次々と魔狼は貫かれいく。

 入口まで到達するころにはもう数頭しか残らなかった。


 凄いね魔法、射程はそこまでだけどライフル並みの威力じゃない?

 使えないのが本当に悔やまれる。

 でも……僕だって()()()()()()()は使える。



 ”術撃技能(サイキックスキル)ゼログラビティ”


「うまく動けないでしょ?」


 魔法攻撃をくぐり抜けた魔狼は”ソラルナール”の重力操作スキルで宙に浮き、足をばたつかせながら慣性に任せて進むことしかできない。

 そこを持ち替えたスレッジハンマーで全力で振り抜く。

 なす術がない魔狼はビリヤードの玉のように先頭が後続にぶつかり次々と連鎖して吹き飛んでいった。



「ずいぶんノックバックしたね? でもそこ、危ないよ?」


 重力操作の範囲外に出てしまったが問題ない、まだダフネリアの射程内だ。

 後方に吹き飛んだ魔狼には容赦なくダフネリアが魔法が撃ち込み、残りの魔狼も全滅した。

 自分でも驚くほどに作戦が上手くハマった!



「やった……やった! 終わった……!」


 花畑に被害はでたけど全て踏み荒らされていないし人的被害もない。

 これって最良の結果って言えるんじゃない?


「子猫!!」


「だからメルミーツェだって、あと大人……――」



 ――ミーツェ後ろ!!!!



 高台のダフネリアに文句を言おうと振り向くと突然ティスが叫んだ。

 直後、視界の端にこちらに迫る黒い影のような何かが映る。


「っっんん!!」――バリンッ


 咄嗟にスレッジハンマーで防ぐが、ハンマーごと吹き飛ばされシールドも割れる。

 ”黒い何か”は全滅させたはずの魔狼……それも圧倒的に大きい。



「嘘……こんなでかいのどこにいたの!?」



 魔狼は普通の狼の2~3回りくらい大きかったけど、ここまで大きい個体はいなかったはず……さっきまで戦ってた魔狼の倍くらいあるよ。



 almAの警戒にも引っかからなかったけど……どうして?

 僕は浮かぶ多面体を引き寄せ銃を構える。

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