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第5回「小説家になろうラジオ大賞」投稿作品一覧

温泉の里で二度目のアイドル生活始めました

 草部由美子は失意の中、バスを降りた――。


 その地の名は卯ノ花(うのはな)市、彼女の実家がある自然が豊かな温泉街だ。


「はあ……こんな形で帰ってくるなんて、とんだとばっちりよ……」


 由美子は人気アイドルグループ『スプリングス』のメンバーだった。


 センターが起こした不祥事によって解散を余儀なくされ、実家に帰ってきた。はれて二十才の無職となった。


 由美子は親のつてを頼りに、町一番の旅館・満月庵(まんげつあん)の従業員として働くことに。




「由美子ちゃ~ん、久しぶり」


「ああ、あんたは――」


 彼の名は熱田(あつた)かいり。満月庵の跡取りで由美子の二才年上の幼なじみ、そして卯ノ花市の観光組合で広報を担当している。


 海利は由美子の手を握っていった。


「救世主様が降臨なされた!!」


「なっ何なのよ急に、気持ち悪いわね」


「単刀直入に言う。この町のアイドルになってくれないか?」


「アイドル!?」


 飛んでくる懐かしい単語に驚く由美子。


「実は卯ノ花市では観光客が年々減っていて、宿泊施設が経営危機に陥っているんだ。もっと言うとすでに廃業したところもある。満月庵もあと何年もつかってところまで来てる」


「何ですって!?」


 冗談じゃない。運よく就活せずに仕事を手にできたのに。無職に逆戻りなんて……。


「そこでこの温泉街を立て直すために、目を付けたのが『ご当地アイドル』だ!」


「ご当地アイドル……、それを私に?」


「そうだ。この町の良さを世に発信し、活性化を促す、地域密着型のアイドルグループを立ち上げる一大プロジェクト。そのセンターに由美子ちゃんを迎え入れたい。全国規模のアイドル経験がある君を!」


「アイドル……」


 スプリングスの解散後も、しばらくは芸能活動は続けていた。しかし、どの現場でも色眼鏡で見られ、仕事は減っていった。何より、かつてのセンターは素行こそ悪かったものの、圧倒的才能と実力によって由美子はいつも比べられてきた。


そんなアイドル人生に未練だらけの中で、アイドルとして人から必要とされた。


断わる理由などどこにもなかった。


こうして彼女は再び、歩き始めるのだった――。



前回の「魔物学園の文化祭で歌を君に」に続く

小説家になろうラジオ大賞に向けた2作目

この作品もなろラジの「タイトルは面白そう」のコーナーで

採用された作品を加筆したものです

「温泉」というキーワードの下、文化放送ではオンエアされなかったのですが

YouTubeのアーカイブの方で読まれました


余談ですが前回の投稿の際、活動報告をしてなかったので

この後もう1作更新したらまとめて書きたいと思います

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 会話文が多いのが気になりました。
[良い点] 里に戻ってご当地アイドルですか。 これは面白そうな題材。
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