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愛しの『安房直子』さん

作者: 吉良 純

安房直子(あわなおこ)さんの事を知ったのは10年ちょい前かな。きっかけは1枚の絵からなんだよね。俺昔、音楽やってたから、洋楽邦楽何でも聴くのね。で、さだまさしさんのソロのサードアルバムの『私花集~アンソロジー~』って作品があって、表紙のジャケットが花に囲まれた少女の絵だったのね。


この絵が素晴らしくてさ~作者すぐ調べたの。味戸(あじと)ケイコさんって、女性の絵描きさんだった。(ちなみに、さださんのセカンドアルバムの風見鶏も、彼女が描いてるよ。絵は私花集の方が好きで、曲は風見鶏の方が好き)


話は脱線するけど、俺の中で音楽格言があって“さだまさしさんとU2は初期だけを聴け”(笑)。さださんは『夢供養』までU2は『WAR』までかな。あくまで俺の中の基準ね。


話を戻して、味戸ケイコさんの絵の事調べていくと、安房直子さんという童話作家さんと、よくコンビ組んで描いてるみたいでさ。今度は安房直子さんってどんな童話書いてるのかなぁと思って、読んだのね。


『風と木の歌』って本ね。絵は味戸さんじゃないよ。一話目の“きつねの窓”二話目の“さんしょっ子”いきなり大傑作だったね。ゲス極まりない俺でも刺さっちゃったよ。寂しく切なく美しく、何ともいえない感情にとらわれてさ。三話目からはさすがに若干落ちたけど、トータルでも本当、素晴らしい作品だったね。


それで、他の作品も数冊買ってさ。でも風と木の歌よりは下だったな(笑)。どうやら俺が最初に手にした本が安房さんの最高傑作だったみたい。それでも素敵な作品多かったよ。


それでさ、他の童話作家さんの本も読んでみようと思ったのが間違いだった。こともあろうに松谷みよ子さんの『わたしのいもうと』読んじゃったの。絵も味戸さんだったし。簡潔に書くとイジメの救われない話。


もう、何とも言えぬ暗い気持ちになってさ。フィクションだろうけど、やるせない気持ちでいっぱいになったよ。モヤモヤが続いたね。可哀想だから本を抱いて寝た日もあったよ。さすがに変態か?(笑)。


それでまた、安房さんの本を読んだの。『安房直子十七の物語~夢の果て』って本ね。それの最後の話が“星のおはじき”。この話は赦しがテーマでさ、ちょいネタバレ申し訳ないけど、クラスメイトのおはじきが綺麗で、思わず3つ自分のポケットに入れちゃってさ、持ち主に返せなくなって家のそばにある柳の木に相談するお話。これをもう一回、先のわたしのいもうとの後に読んだのね。何か泣けてきちゃったよ。星のおはじきは最終的に赦されるお話なんだよね。だからいつも、『わたしのいもうと』の本の横に『夢の果て』を置いてあげてるの。何となく。キモい?(笑)




こんな素敵なお話をたくさん産み出してくれた安房直子さんは結構前に若くして病気でお亡くなりになってるんだよね。本当、感謝してます。


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