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小康2
正直あきらめている。
あと数日の命だろうと思っている。
だけど理性の声とは別に腹には欲がとぐろをまいていて。
欠片の希望を捨てきれずにいる。
枕元に水とごはんを置いている。
最後に一口だけでも食べてくれないか。
生きていてほしいエゴから奇跡を期待し、
朝晩ごはんをお供えしている。
今朝これが、量が減ってはいないが、
誰かが鼻先をつっこんだ形に変わっていた。
たぶん隔離中の蓮が忍び込んでイタズラしたんだと思うが、
もしかしたら椛が、心の鼻先で食べようとしたんじゃないか。
そんなことを想像して、笑いながら泣いた。
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