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敗戦１
たぶん、詰んだ。
椛が強制給餌すらできなくなって、五日目。
何を口に入れても吐いてしまうので、
すこし給餌を休もうと思った時。
その症状はもしやＦＩＰではないか、という情報をいただいた。
ＦＩＰは仔猫の病気と思っていたのでノーマークだった。
体じゃなく心が仔猫でも罹るのかもしれない。
検査での病名確定が難しく、そのくせ進行は鬼のように早く、
治療しなければ致死率１００％
治療するなら薬代は、椛の場合は２５０万円ほど。
悪魔のような病気である。
せめて病名確定だけでもしよう、と思った。
でももう椛は、ほとんど動けない。
病院へ連れていく道すがらで逝きそうなほど弱っている。
ゾッとするほど進行が早い。
保護屋仲間から話は聞いていたが、
ＦＩＰの猛威を目の当たりにするのは初めてである。
明日に続く。
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