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痴話喧嘩
会社にて。
お客様から電話があった。
某サービスの代金が未支払だ、との通知が弊社から来たそうな。
でもボク払った、とお客様が言う。
いつ、どこで、と支払時の鮮明な記憶を語る。そして言う。
一緒に暮らしている女性がいるんだ、彼女と一緒だったから覚えている、と。
おそらくその女性のことが好きなのだろう。
彼女と、と言うときの声が、ほんのり嬉しそうだった。
そこで電話の後ろから、女性の声。
「それ、私じゃないわ。どこの女?」
そして痴話喧嘩が勃発した。
激しい言い争いが受話器のむこうから聞こえた。
私は口をはさみたかった。
お客様、サービスを二つ申込まれてます、
おそらくその記憶はもう片方のを支払った時のものです、
おっしゃった日時、場所、金額、もう片方の支払いと合致してます、と。
だけどお客様は受話器に戻ってこられなかった。
しばらくして。
電話は一方的に切電された。
おら知らね・・・。
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皆様からの反応が、明日の元気になってます。




