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腹が太った1
野良保護の世界には、「腹が太った」という表現がある。
野良を保護して完全室内飼育にすると、猫は恐怖からごはんを食べなくなる。
しばらくは部屋を暗くして静かに過ごさせ、室内が安全だと学んでもらう。
だが早いとこ食べれるようになってもらわんと餓死するので。
時間との戦いになる。
そこで美味しいものを次々に出す。
どれかひとつでも口に合うものがあるよう祈りつつ。
で。
安全を学び、ごはんを食べれるようになると、猫は思う。
だだをこねれば、もっと美味しいものが出てくるはずだ。
そしてふたたび絶食が始まる。
これが「腹が太った」状態。
明日に続く。
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