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ドバイの夢
暖房ききすぎてて頭がボーっとしていた、
とある午後。
取引先の信用金庫から電話があった。
「××信金ドバイ支店の、サトウです」
はー、お世話になってます、信金さんたらいつのまに、
ドバイに支店を出してたんですねぇ。
とボンヤリ思っているうち、目が覚めた。
ドバイ?
英語?
私は日本語すら下手なのに?
ハウドゥユドゥ?
金持ちの国だったよね?
××信金、そんな客がつくほど儲かってたのか?
金持ちの客?
エルメスの新作の話とかできなきゃダメ?
フェラーリとかカウンタックとか実物見たこともないけど、
そんなやつが口きいたりしたら、縛り首?
ひぃぃぃぃぃ!
こんなところで死んでたまるか私には猫がいるのだ、
死ぬなら上役を身代わりに!
と。
受話器を上役めがけてブン投げようとした時に。
半分呆れたような声が受話器から響いた。
「××信金、土合支店のサトウです」
早く言え。
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