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お鼻の汚れ
こたつに足をいれる。
ふとんの中の暗がりから、
肉球で人の足をチャイチャイしてくる猫がいる。
痛いよ、と言いながら爪先を動かして誘うと、
嬉しそうに興奮して、しがみついてくる。
ネズミのおもちゃをふとんの下にさしいれる。
動かして誘うと、猫が飛びついてくる。
たのちい、たのちい、と大はしゃぎで遊ぶから、
こたつの足が大揺れに揺れる。
くたびれて、ぐったりの猫。
こたつから出て、あおむけにゴロリ。
床で横になってる私の顔のすぐそばで、
電池の切れたおもちゃみたいになっている。
目と目を交わして、大好きだよ、と伝え合い。
そして気がつく。
猫のお鼻が汚れている。
あ、と思う私。
私のその顔を見て、あ、という顔をする猫。
本当の意味でのゴングが鳴る。
お鼻をふきたくて追う私。
お鼻をふかれたくなくて逃げる猫。
いいじゃんお鼻くらいふかせてよ!
と一生懸命追うけれど、
いつも私が負けている。
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