406/477
トイレが壊れた2
念のため蓮はゲージにお入りいただいた。
自由を奪われるのがなにより嫌いな蓮さま。
どうちてぼくを閉じ込めるの?
と金網越しに甘えてくる。
そしてインタホンが鳴る。
業者の姿を見たとたん、最上階に逃げ込んで、
クッション下にもぐりこんで、ぷるぷるになっていた。
業者はわずか二十分で修理を終えた。
さすがプロである。
しかし。
原因は、建物自体の老朽化。
入居した時からボロボロだったが、
ついに寿命が尽きつつあるらしい。
配管が錆びていて、錆が溜まって詰まっていた。
どうしよう。
そういや最近、水道水がときどき薄茶色。
健康にも悪そうな……。
まじめに身の振り方を考える時がきたかもしれない。
取り急ぎの対応で、蓮の飲み水だけ市販の飲料水に変えた。
人間用は、あとで考えよう。
ああ、めんどくさい。
もし少しでも楽しんでいただけましたら、
評価やブックマークなど、お願いします。




