表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
402/477

文鳥の傘

雨が降る。

会社の傘立てに透明なビニール傘が乱立する。

どれが誰のかわからなくなりそうで。

盗難が発生しそうで。

私は自分の傘の柄に猫の絵をラクガキしている。


先日からこの傘の柄のなかに、二羽の文鳥がいる。

黒い頭、白い頬、灰色の羽根、くりくりの瞳。

本物そっくりの人形が、柄にちょこんと止まっている。

盗難防止札なのはわかるのだが、

あんまりにも可愛くて、悲鳴あげそうになる。


先日トイレで年配女性が話をしていた。

どうやら片方は文鳥の持ち主。

もうひとりが文鳥のファン。

文鳥をホメられて照れながら、

あの文鳥はメルカリで三百円だったのだと話していた。


せめて写真を撮らせてください。

と話しかけたかったのだが、他部署の人だったので。

不審者すぎるので止めておいた。

雨が降ったらまた会えるだろう。

ピッピちゃんとチッチちゃん。

人んちの子に勝手に名前をつけて、

心の中で愛でている。

もし少しでも楽しんでいただけましたら、

評価やブックマークなど、お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ