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猫サッカー2
疲れきっていて、もう立てない。
帰宅するなり床に倒れて、そのままでいた。
蓮が来た。
あそんでくれ、と言う顔で。
そういやシャムは最低でも一日15分は遊ばなきゃいけないと、
どっかに書いてあったっけ。
読んだときには150分の間違いだろガハハと笑っていたが、
たった15分が辛い時もある。
すまん今日は死なせてくれ、と床で死んでいた。
頭の上に、蓮の気配。
ぺしぺしと肉球で叩かれた。
薄目をあけると目の前に、
サッカーボールのおもちゃが転がっている。
あそんでほしくて蓮が転がしてきたのか。
私はなんとか腕を動かして、ボールを返した。
それを蓮が打ち返してきた。
ボールはあらぬほうへ転がっていって、
視界から消えた。
蓮の目が言う。
あのボールを拾ってこい。そして打ち返せ。
この世で一番偉い、
蓮様が。
強い目で。
私は立ち上がった。
だいぶ記憶は飛んでるが、
打ち返したところまでは覚えている。
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